第28話 沼尻の戦い・大混戦

俄然勢いのある左軍、右軍に対し、中央軍の一部は佐竹軍に押し込まれていた。そう、四郎率いる忍軍第一番隊などである。前日に負傷した松田康長の代わりとして、松田隊に参加しているものの、戦闘経験が少ないことから、押し込まれていた。


四郎「チッ…佐竹が。葉月!頼む」

葉月「はいよ!タァ!」


葉月の姿が消え、あたりの武者の首が落ちる。少し戦慣れしたおかげか、吐くことはもうないが、四郎大将が少し臆病風に吹かれていることも、原因の一つだった。


四郎「なんとか返したか?」

葉月「そうね…」


肩で息をしながら、葉月に話しかける


憲秀「まだまだじゃの」

四郎「松田様!」

憲秀「ほい、すぐ次来るぞ」


佐竹兵が奥から迫ってくる


憲秀「ここはわしがやるから其方たちは下がっておれ」

四郎「すいません」

憲秀「仕方なかろう。次は何人かこっちの配下を送るから頑張ってくれよ」


憲秀様に迷惑をかけてしまった…そんな自責の念に駆られながら水を飲み、戦場を見渡す。

全体的にはこちらは優勢であり、なんも問題がないように見える。


やはり不快だ。人の死を目の当たりにするのは。改めて令和日本がいかに平和なのかを思い知る。


もの凄い死臭と腐臭、断末魔の叫び声が五感を刺激する。頭が割れそうだ


四郎「はぁはぁはぁはぁ」

葉月「大丈夫?」

四郎「あ、おう」


過呼吸になっていたようだ。

再び落ち着きを取り戻し、あたりを見る。

赤の鎧は綱高様?ものすごい勢いで本陣に迫っている。赤(北条綱高)青(故富永直勝)黄(北条綱成)白(故笠原康勝、現清水康英)黒(多目元忠)。この北条家の全盛期を支えた五色備の力は伊達じゃない。

中央に目を戻す。やはり綱成様が1番尖っている。逆にそれが孤立を招きそうで恐ろしいがそこをうまく康俊様がカバーしている。

左側には慌ただしく動く氏邦様と猪突猛進している氏照様、守りを固める政繁様に全体を漏れなく安全にサポートしている氏規様。多種多様の戦のやり方が出ていて、少し微笑ましく感じる。


兵「おおおおおおおおおおおお!」


そうしていると突如中央奥に歓声が巻き起こる。あれは康邦様の軍か?


氏政「何があった?」

四郎「わかりませんが藤田様の軍です」

伝令「伝令!藤田様が、佐野宗綱を討ち取りました!」

それは二日目にして最大なる一報であった




作者「はいお疲れ様です!読んでいただきありがとうございます」

氏政「やっときたよセリフ」

氏繁「いーなー…いーなー」

作者「あはは…次回もよろしくお願いします」

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