幼馴染のイジメっ子3姉妹が地元に帰ってきてから様子がおかしい

星野星野@2作品書籍化作業中!

season1 再会したイジメっ子三姉妹がヤバい?

プロローグ

幼馴染のイジメっ子3姉妹


 ——これは俺が小学生の頃の悪しき記憶。


「ゆーいちくん! 荷物持って♡」

「雄一ってほんと鈍臭いわね」

「…………さっさとして」


 ピンク、オレンジ、水色のランドセルが俺の身体に無理やり押し付けられる。


 汗をダラダラ流しながら、重たくなった足を動かして4人分のランドセルを抱えて帰り道を歩く。

 重たいし、今すぐに捨ててしまいたい。

 でも……それはできない。


 なぜなら俺は、この3に逆らえないからだ。


 俺、田邊雄一は隣の家に住む『城田家』の三つ子姉妹にいつもイジメられていた。


 下校時には彼女たちのランドセルを持たされ、放課後は無理やり鬼ごっこへ連れ出されてずっと鬼をやらされたり、疲れ果てているとスマホで俺の情けない姿を動画に撮られたり……。


 同級生の女子からイジめられるなんて男として屈辱的だったけど、昔は弱気な性格で、身体も女子と同じくらい小柄だった俺にとっては、仕方のないことだった。


「うっわぁ〜、女子にかけっこで負けるとか、ゆーいちくんよわよわじゃーん♡」


 甘ったるい口調で煽ってくるのは、三姉妹の長女・城田宮子しろたみやこ

 前髪ぱっつんロングヘアの陽気な女の子で、クラスでは委員長をやっていたりして誰に対しても明るいけど本当は性格が悪い。

 俺の前では容赦なく腹黒な部分を見せつけてくるのだ。


「雄一、かけっこで負けたんだから約束通り……しなさいよ」


 ツンツンしていつも口調が偉そうなのは、次女のはるか

 ツインテールの髪と頭には白のカチューシャをしており、いつもムスッとした顔で俺を見下してきて、笑顔を見せたことはない。

 宮子と違って遥は普段からキツイ性格で、自分に従う人間しか友達にしないような嫌なヤツだ。


「ユウ……はやくして」


 口数が少なく大人しめなのは三女の美波みなみ

 ちょうど耳が隠れるくらいのミディアムショートヘアをしていて、いつも黒縁の眼鏡をかけている。

 彼女は自分からイジワルをしてこないが、姉二人のイジワルに乗る形で、いつも俺をイジめてくる一番タチの悪いヤツだ。


「ゆーいちくんっ! 次はあたしとかけっこしよ?」

「え、ええ……俺、もう疲れてて」

「いいから〜っ! あたしが勝ったら手繋いで帰ろうねっ?」


 これほどまでかという罰ゲームの連続。

 彼女たちは俺が負けるたびに『手を繋いで歩け』とか『抱きつけ』とか……俺を辱めるイジメを要求してくるのだ。


 しかし三姉妹は勉強も運動も完璧なので、俺は全く勝てなかった。

 悔しくて、よく一人で泣いていた。


 何をやっても勝てない俺はこれからも城田家の三つ子姉妹にイジメられる————と、思っていた。


 しかし状況はある日を境に一変する。


 小学5年の夏休みに入った日の朝。

 隣の家に大きなトラックが停まっていた。

 俺は部屋の窓を開けると、身を乗り出して隣の家に目を凝らす。

 すると、城田家の家族が段ボール箱を両手に持ちながら引っ越しトラックに荷物を詰め込んでいたのが見えた。


「もしかしてあいつら……引っ越すのか?」


 翌日——三つ子姉妹は俺の前から消えた。


 親の転勤で遠くへ引っ越したらしい。


 俺は……自由になったんだ。


 もう俺をイジメる人間はいない。

 これを機に俺は変わるしかないだろ。


 俺は夏休みの時間を利用して、自分を変える努力を重ねた。

 毎朝ランニングをして、地元のスポーツ少年団にも入って、運動も勉強も頑張った。

 もうあんな屈辱的な思いをしないために、俺は自分を鍛えた。


 そして、現在いま——。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る