第77話 焼き芋なのです!
『い~しや~きいも~♪です!』
『や~きたて~♪です!』
『蜜たっぷりねっとりなのです!』
『それとも落ち葉で焼いたのがいいです?』
『落葉焚き~♪なのです!』
『ほくほくなのです!』
家妖精さんたちが、どこかで聞いたことあるフレーズでお知らせしてくれてます。
さっき畑で収穫?したおイモさん。さっきまでお話して、お手手があって、よちよちあんよで歩いてたおイモさん。最期に
『お好きになさって』ころん
『優しくしてね』ころん
と、お風呂上がりにカゴに横になったおイモさん。
『仲良くみんなでわけっこするです?』
『包丁で切るです!』すとんすとん
『はい!召し上がれ♪です!』
『『『『わ~♪美味しそう♪いい匂い~♪』』』』
家妖精さんたちが用意してくれた焼き芋に、ねぇねたちのお顔もほくほく。
ねっとり、ほくほく、どちらもとっても美味しそう。
でも⋯
「ありちひにょ、おいもしゃんにょ、しゅがたが⋯ちりゃちりゃ」
さっきまでニコニコでお話して元気に歩いてたのです。
『『『きゅう~ん(うん。ちりゃちりゃ)』』』
〖そうじゃのぉ。ちょっと複雑な気持ちじゃの⋯。それにしても、のんちゃん、在りし日のとは、難しい言葉よく知っとたのぉ〗
「にゃんとにゃく?」
〖何となくかの~〗
とにかく、ちょっと複雑です。
『なんだい?まだ気にしてるのかい?難儀だねぇ』
「ママ、だっちぇ⋯」
『『『きゅうん⋯(だってぇ)』』』
〖まさかこちらの世界の野菜か、話して動くとは思わなかったんじゃよ〗
「あい」
『『『きゅうん⋯(うん)』』』
食べたらかわいそうって思っちゃうよ
『そっかぁ、私たちは生まれた時からこれが普通だったからなぁ』
『そうね。抵抗はないわね。しっかり畑に戻ってるしね』
パパとまぁまはこれが普通だから気にならないんだね。
「おしゃべり、にんげんだけにゃの」
『『『きゅうん(そうなの)』』』
〖そうじゃの。もちろん動物であれば鳴いたりはするがの。人間と同じように喋るのはオウムとか声真似をする鶏がいるくらいで、あとは喋らんからの〗
「あい」
器用にお喋りする鳥さんすごいよね。おじいちゃんのお家で見たテレビに出てた鳥さん。のんちゃんより円周率すらすらたくさん言えてて、ガーンってなったことあった気がするよ。
『『『『え?動物もしゃべらないの!?』』』』
これに今度はねぇねたちが反応!
〖喋らんのぉ⋯ん?まさか、こちらの肉や魚は!?〗
「ほあっ?」びくっ
『『『きゅっ?』』』びくっ
ま、まさか、朝食べた玉子焼きの玉子さんとか、昨夜のお肉とかも?
『いやいや、さすがに食用になる肉や魚は喋らないよ。ただ』
『妖精や精霊に好かれて長生きした動物とかは進化して人語を話したりするね~』
『あと上位の魔物とかね』
『それに私たちとかね』
『『『そうそう』』』
「ふお~」
そ、そうなんだね。
〖な、なんじゃ、そういうことかのぉ。ちょっと驚いたぞい〗どきどき
「あい。のんちゃんも、どっきどっき」
『『『きゅん(びっくりちた)』』』
ねぇ~びっくりしたね。でもお肉は安心して食べられるね。
〖あはは。のんちゃんたちがいた世界って、神様ものすごくたくさんいるのに、見えることも話せることもないって言ってたもんね。あと、妖精や精霊もお話はあるのに見えないんでしょ?〗
『『『『そうなんです!?』』』』
『『『『そうなの!?』』』』
家妖精さんと妖精さんたちが全身でびっくり!!
「あい」
会ったことないね。この世界に来て初めて会ったよ。魔法もないしね。
〖そうじゃの。普通は見えんの。聖一朗のような特別な家系の一部の者でも最近は見える者はすくなくなっとるしの。突然見えるようになる者もおるにはおるが、稀じゃのぉ〗
なんか、グランパちょっと寂しそう。
「ぐりゃんぱ?」
大丈夫?
〖ああ、すまんの。つい昔はもう少し見えていた者がおったのにと思っての。でも今日からはかわいい孫もその家族もおるからの。わくわくしておるよ〗
「わくわく?」
ほんと?
〖ホントじゃよ。わくわくじゃ〗
「あい!わくわく!」
良かった!
『はいはい。とにかく、神獣様たちのお菓子が揃うまでにはまだ時間かかるから、冷めないうちに芋食べな』
『のんちゃん、感謝して食べるのは一緒だよ。『いただきます』ってそういう意味でしょ?』
「ふおっ!」
いただきます!
『『『ぴゅいっ(しょうだったっ)』』』
〖そうじゃの。ワシらは全ての命に感謝して頂かなくてはの。もちろん、世話をしてくれた妖精たちや、料理してくれたママたちにもの〗
『ふふん。当然だよ』
『召し上がれです!』にこにこ
『おいしいなのです!』にこにこ
「あい!ありがちょ!いちゃらきましゅ!」
『『『きゅんっ(いただきます!)』』』
〖いただきますじゃ〗
『『『『はい、あ~ん!なのです!』』』』
家妖精さんたちが、のんちゃんとちびちゃん達に食べさせてくれます。
まずは~ほくほく!
「あ~ん」ぱくっ
「んん~おいちい~♪」
『『『きゅんっ(おいちい~♪)』』』
ほくほく!お芋のお味、濃いかも!
〖んん、美味しいのぉ。煮物にしても美味しいこと間違いなしじゃ〗
「あい!あまいにょ!」
蜂蜜で煮てもおいしそう!あ、でもお芋が甘いから控えめがいいかな?
〖そうじゃの。味噌汁やほうとううどんにも合いそうじゃ〗
「あい!てんぷりゃ!」
〖おお、良いのぉ〗
『きゅ!(ほちいも、わしゅれてりゅ!)』
「〖おお~〗」
〖さすが甘味好きのあんみつじゃの〗
「あい!」
干し芋美味しいよね!ちょっと炙って、焼き目がついてトロッとして~
「えへへ⋯」じゅる
絶対おいしいやつ~♪
〖のんちゃん、お顔がとろけてるね~〗
『お口、拭こうね』ふきふき
「う?ありゃ?」
『ちびちゃん達もね』ふきふき
『『『きゅ』』』
『わかったよ。お土産用に用意するよ』
〖それは嬉しいのぉ。どれ、次はこちらも〗ぱくっ
『『『『はい、あ~ん♪なのです!』』』』
「あ~ん♪」ぱくっ
『『『きゅん(あ~ん♪)』』』ぱくっ
「ほああああっ」
『『『きゅぅ~ん(うわあ~)』』』
「とりょけりゅ~♪」
『『『きゅうん♪(あま~い♪)』』』
〖こちらも美味しいのぉ〗
「あい~♪」
ねっとり、あまあま~♪
『『『きゅんっ(しゅき~)』』』
ほっぺおちちゃう~。もう焼いただけでスイーツだけど~
「あいしゅ、のっけちゃい。りんごちょいっちょ、ぱい。ちーじゅけーきみょ」
『きゅんっ(あんこかけりゅっ)』
「ふあああっ」きらきら
もう、絶対絶対おいしいやつ~♪
〖あんやクリームにしてパンに塗ってもよいかもの。生クリームとも合いそうじゃ〗
ハッ!
「ぐりゃんぱ」
『『『きゅん(てんしゃい~♪)』』』
〖そうかの?そうかの?〗
『ふむ。それはちょっと思いつかなかったね。やってみようかね』
「やっちゃあ♪」
『『『きゅんっ(わ~い!)』』』
ママありがとう!
〖ママ〗
『分かってるよ。土産追加だね』
〖ありがとうの〗にこにこ
グランパもほくほくだね!あれ?そういえば
「ねぇねちゃちは⋯ほああ?」
『『『きゅん?(わあ?)』』』
いつの間にか静かだなと思ったら
『『『『⋯⋯っ』』』』がつがつがつがつ
『さすがの食べっぷりなのです!』
『お気に召して良かったなのです!』
「ほああ~しゅご~」
『『『きゅん(すごいね~)』』』
〖そんなに食べてこれから来るお菓子が食べられるのかの?〗
だよね?ねぇねたち、すごい勢いでお芋食べてるよ。家妖精さんたちがリレーみたいにして、ねっとりとほくほくかわりばんこにお皿に乗っけてます。あれみたい
「わんこしょば」
お蕎麦じゃないから、わんこ焼き芋?
〖わんこ焼き芋⋯ちょっと胸焼けしそうじゃの〗
ねぇ?そうだよね
『大丈夫よ』がふがふ
『うん。僕たちのホントの大きさ見たでしょ?』がつがつ
『この位、朝飯前ですよ』ばくばく
『だよね!いくらでも食べられるよ!』がつがつ
「しょ、しょっか~」
そういえば、お家の屋根くらいまで大っきかったもんね。
〖じゃが、今の小さい体で見せられると、どこに入っていくんじゃろうと思うの〗
「あい」
『『『きゅん(うん)』』』
すごすぎる~掃除機みたい?
〖あはは、のんちゃんたちはこんなところも慣れないとだね~〗
「しょだね⋯」
なれるかな?
『『『きゅ~ん?(かなぁ?)』』』
異世界食事事情は日本とはだいぶ違うみたいです。色々と
☆。.:*・゜☆。.:*・゜
お読みいただきありがとうございます。
やっと確定申告書ひと段落~うううっ。あとは日付入れて、税務署まで行って~。算数でつまづいた私には辛い時期です。
算数脳が欲しい!!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます