番外編 ある日のクリスマス日記

 神様たちがそれぞれの世界の天界に帰ってからしばらく⋯


『のんちゃんこっちですーっ』

『ここまでおいでですーっ』

「まちぇまちぇ~」ぽてぽて

『『またないですーっ』』

『ぴよ~(のんちゃん気をつけて~)』


のんちゃんがひまちゃんたちとお庭で遊んでると


しゅんっ

〖ねぇねぇ、のんちゃん!クリスマスやろう!〗くるくる~

「うにゅ?」


ぱぁぱが突然現れて、のんちゃんを高い高いしながらくるくるくる。止まったと思ったら、おでことおでこがぶつかりそうな

〖ね?やろうよ~〗キラキラキラ

どあっぷ!


「ほああ~ぁ」

お顔がキラキラだよ?

『ぴよ~(お顔どころか全身ピカピカだよね~)』

『『『『ですです!』』』』

「まぶちっ」

目が目が~近いよ~


〖そう?ありがとう~〗キラキラ

『ぴよ~?(褒めてはないかな~?)』

『『『『ですです』』』』

「まぶちっ」

おめめ痛い~


〖おや?ごめんごめん〗くすくす


そのキラキラ出し入れ自由なの?


『ぴよ~(何がしたかったの~)』

『わかんないです~』

『とにかくです~』

『『『『おかえりなさいです~』』』』

「ふお?」

そっか、ごあいさつしないとね!

「ぱぁぱ、おかいり~♪」

『ぴよ~(おかえりなさ~い)』


ぱちくり〖⋯⋯〗


「う?」

どうしたのかな?なんかびっくりするようなこと言ったかな?


天界ではいつもおひとりな神様。お世話をしてくれたり、お仕事の部下などはいるけど、こんな親しげに迎えてくれる者はいない。だから⋯


〖いや、そうか。うん⋯おかえりかぁ、嬉しいもんだね~。うん、ただいま。のんちゃん、みんな〗にこ


挨拶って、こんなに温かいものだったんだね。


「あい!おかいり~♪」なでなで

よく分からないまま、なんかなでなでした方がいいと感じたのんちゃんでした。


『ぴよぴよ~?(それでクリスマスするの~?この世界にはないよね~?)』

『『あるです!』』

『『知ってるです!』』


〖ん?あ、そうか~。聖一郎が教えてたんだね。ぼくは日本の神様にさっき聞いてね?のんちゃんたちとやりたいと思ってお知らせにきたんだよ~。のんちゃんはやりたいかい?〗にこにこ


「ふお~くりしゅましゅ!やりちゃい!」

みんなでやったら楽しいよね♪

〖良かった~。もうやるつもりでね、日本の神様ってば、色々準備があるからって連絡勝手に切っちゃったんだよ~。ひどいよね~?準備って何?ぼくも何かするよう?〗


「ふお~?」

グランパってば、中途半端でぱぁぱ放り出しちゃったんだね?クリスマスは~


「んちょ、きりゃきりゃくりしゅましゅちゅりーかじゃって~」

『ぴよ?ぴよ~(クリスマスツリー?あ、あれかぁ~)』

『『あるです!』』

『『出すです!』』

あるの?


〖おお、すごいね~〗

日本の神様、無駄足にならないといいけど⋯


〖おいちいちきんちょ、ごちしょうちょ、くりしゅましゅケーキたべちぇ〗


『それは任せな!』にゅっ

「ふおっ?」

ママ?

『レシピ引き継いでるからね!チキンは今から狩りに⋯』

狩るの?


『あら!なら私たちが狩ってくるわよ!ね?』

『任せてよ~!』

『美味しいの狩ってきますよ』

『うん!たっくさん持ってきてあげるよ!』

『おや、それは助かるねぇ、頼むよ!』

『『『『まっかせて~』』』』だだだだっ

『あ、出来ればフルーツもねぇ』

『『『『は~い』』』』だだだだっ


ねぇね達が嵐のように去っていきました。


『あはは。森の中の鳥さんがいなくなりそうな勢いだね~』

『あら。きっと小鳥は無事よ。大物狙いじゃない?』

パパとママまで出てきちゃったよ。


『のんちゃん、あとは何か準備するものはあるかい?』

「う?くちゅちたに、ぷりぇじぇんと、かにゃ?」

『プレゼント?』

『プレゼントね~聖十郎、私も出かけてくるわね』

『あっずるいぞ!』

『じゃあね~♪』ひらひら

『あっ!消えた⋯(ずるいぞ。私も用意したいのに)』


「う?」

何か言ったかな?それより、ここにはお店ないし、そもそもお金持ってないし、プレゼントどうしようかな~


『ふふ。のん、プレゼント悩んでるなら私と一緒にお菓子でも焼くかい?』

「いいにょっ!?」

お菓子!

『ああ、もちろんだよ。みんな泣いて喜ぶと思うよ。ほらそことか?』

「う?しょこ?」


〖⋯娘から手作りプレゼント〗だばー

『ううっ、食べずに飾っておかないと⋯』うううっ


えええ~?


『ぴよ~(まだ作ってもないのに)』

『『『『泣いてるです~』』』』

「ふお~」

なんで?どして?


『親バカだねぇ。それで?日本の神はいついらっしゃるんだい?』ふぅ⋯

まぁまが呆れながら聞くと


〖え?三日後かな?〗

『分かったよ。まだ時間はあるね。それじゃ、ちび共、集合をかけな!これから私らの腕の見せどころだよ!』びしっ!

『『『『イエス!マム!』』』』ぴしっ

『皆の者であえであえですーっ』

『準備はじめるですーっ』

『『『『了解なのですーっ!!』』』』ぱたぱたぱたぱたーっ


「ふあ~」

こっちもどっか行っちゃった


〖あはは(日本の神、ほんとに無駄足にならないといいけど)〗


そして⋯


『ふふ。のん、中々上手いねぇ』

「ほんちょ?えへへ~」てれてれ

『じょうずですーっ』

『かわいいですーっ』

『おいしそうですーっ』

『たくさんつくるですーっ』

「あい!がんばりゅ!」

『ぷっ。がんばるのはいいけど、なんで鼻の頭に必ず粉がつくんだろうねぇ?』ふきふき

「う?わかんにゃい」

『ぴよ~(分かってたらつかないよね~)』ちょんっ

『こんっ』ぺたっ

『きゃんっ』ぺたっ

『きゅんっ』ぺたっ

ひまちゃんとイナリちゃんたちも参加して何を作ってるかと言うと


『うん。色んなクッキーが出来たね』

「あい!じんじゃーぶりぇっぶりぇっじょ?」

『ジンジャーブレッドマンだねぇ』

「おお~しょれ~」

のんちゃんは、人の形のクッキーくり抜いてお砂糖とフルーツでお顔作ったよ!


『ぴよ~(これ、ほんとにみんな喜ぶのかな~?)』

「だいじぶ!のんちゃん、じぇんぶちゃべりゅ!」

かわいいみんなの足型クッキー!まぁるいクッキーに足形の凹みをつけて、そこに家妖精さん達がいろんなフルーツのジャムを流してくれてます!肉球クッキー~♪


『ぴよ~(それは食べ過ぎだよ~)』

「うっ⋯ま、まいにち、にまいじゅちゅ」

『ぴよ~(それならいいかな~)』

「あい」

ひまちゃん、時々厳しいです。


『じゃあ、これを焼いて、後でラッピングしよかねぇ』

「あい!」

喜んでくれるといいなぁ

『それは余計な心配ってやつだよ』ちらっ



〖うううっワシのためにあんなに粉まみれになって⋯〗

〖何言ってるんです?私のためです〗ううっ

『それこそ何仰ってるのです?私のためです』ぐすっ

『はいはい。何言ってんの⋯ほら、行くわよ』ずるずる

〖〖『あああ~』〗〗

台所のドアからこっそり?覗いていたパパたち、ローズママに引きずられて行きました。



『さあ、のん、みんな、今度はケーキだよ。飾りつけ出来るかい?』

「あい!くいーむ!ふりゅーちゅ!」

『ぴよ~(のんちゃん今度はクリームまみれだね)』

「ぷー」

まだなってないよ!


『ふふ。みんなが飾りつけしてくれるなら私はチキンを見てこようかねぇ(チキンというかコカトリスだけどね)』



チキンではなく、ヘビのしっぽを持つ魔物コカトリス。神獣たちがそれぞれ引きずってきたのにはびっくりだったねぇ


『ママーっこれで足りるかしら?』

『足りなかったらまた行ってくるよ!』

『やはり鳥だけではダメかと思いまして』

『牛と豚もとってきたよ!』

嬉々として見せられた魔物の量と質に思わず引きつったね⋯だってたくさんの鳥という名のコカトリスに、牛という名のホーンブル、豚という名のアーマーボア⋯ちび共が悲鳴上げてたからねぇ


『『『『ぎゃーですーっ』』』』

『『『『血抜きするですーっ』』』』

『『『『解体するですーっ』』』』


まあ、おかげでローストビーフにローストポーク、牛すじの煮込みにビーフシチュー、ハンバーグに唐揚げ、鶏ハムまで作っちまったよ⋯


「まぁま、ちゅくね、にゃい」ぐす

『え?つくねかい?』

「あい。てりてりにょ、ちゅくね」ぐす

ハンバーグだけじゃダメだったかい

『まだ材料はあるから明日作ってあげようねぇ。沢山ありすぎても食べられないだろ?』

「しょっか~おいちいほうがいいね」にぱ

良かった。納得してくれたね

『そうだろ?せっかくだから焼き鳥でもしようかねぇ

「やきちょり」じゅる

『ぴよ~(のんちゃん食いしん坊~)』ふきふき

『くくっ』

おでんもいいかね。まだ内緒にしておこうかね。



そんなこんなで

〖〖メリークリスマス!〗〗

「めりーくりしゅましゅ!」

『『『『『メリークリスマ~ス』』』』』


日本の神様グランパが持ってきてくれたシャンパンに今日だけ特別子供用シャンパン(二杯目からはお茶かお水だよ)で乾杯をして、パーティーが始まった。


のんちゃんは、やっぱりグランパが持ってきたトナカイの着ぐるみでちょんっとお座り。

〖うんうん。かわいいのぉ〗

〖ママが作ったサンタドレスも後で着て見せてね〗

「あい!」もぐもぐ

『おやおや。チキンでテカテカだねぇ』ふきふき

『いっぱいあるからたんとお食べ。でも、ケーキの分は空けとくんだよ』

「あい!」もぐもぐ


そしてお楽しみの

ぴょんぴょん

『『『『プレゼントぴょん♪』』』』

「はなうしゃしゃんちゃち、あいがちょ。あい、ぷりぇじぇんちょ!」

プレゼント交換!


まずは花うさぎたちからは

『私たちが咲かせた花ぴょん』

『魔法で固めたぴょん』

『髪飾り。使ってぴょん♪』

「ふわ~ちっぽにょおはにゃ!かあいい!」

ピンクと黄色と白のお花がくっついたパッチンどめ!

『うふふ。かわいいわね。さっそくつけてあげる。はい!まあ、よく似合ってるわよ』

ローズまぁまがニコニコしてつけてくれました。

「あい!くっきーみょ⋯ふお?」

袋がもぞもぞ!?

『もうみんなで袋に潜り込んで食べてるわねぇ』

「え~?」

ちゃんと見えてるのかな?


『『『『つぎはこれ!』』』』

「ようしぇいしゃんちゃち!」

『今の時期しかとれない』

『シャクシャクの実』

『中身は開けてみないと分からないの』

『冷やすと美味しいよ!』

「あいがちょ!あい、どーじょ!」

『『『『わ~い♪』』』』

翌日冷やしたのを食べたら中から出てきたのはアイスやかき氷でした。美味しかったよ。


そして、他の神獣さんたちは、ちびちゃんは添い寝券にねぇねたちは乗り物券。

パパたちは

『ツリーの下に置いたからね。明日の朝のお楽しみだよ』

「ふお~」きらきら

綺麗に飾られたツリー。その下には既にたくさんのプレゼント!もちろん、枕元に置くサンタからのプレゼントはまた別。


のんちゃんたちは朝起きて自分たちを押し潰しそうなプレゼントにおどろくのでした。

「ぴゃーっ」

『ぴよ~(つぶされちゃう~)』



☆。.:*・゜☆。.:*・゜

メリークリスマス!ちょっと遅れましたが⋯

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