第72話 まぁまの番!

ママは芙蓉ママになりました。


きゅっきゅっ

『おや、私にくれるのかい?ありがとう。嬉しいねぇ』

『うん!』にぱっ

フラワーちゃんこと、芙蓉の花から産まれたばかりの花の妖精さんが、ママの髪に芙蓉のお花を挿してくれました。ママは


すっ

『ふふ。どうだい?似合ってるかい?』

すっと取り出した手鏡でお花と髪の毛を確認してます。お花を大事そうに優しくぽふぽふってしてます。

でもね?


「にゃんで、しょこかりゃ?」

『ふふ。反応が面白いのがいるからねぇ』にんまり

「ほえ?」

反応?

「ほえ~」

あ、あれか~

『ふふ。この位で赤くなるなんてウブだねぇ』くふふ

「まま⋯」

『あらまぁ、そんなに遊んだら可哀想じゃない?』


『『『ううう⋯』』』


「あ~」

下むいちゃった。真っ赤っかだね~白騎士さんたち。まま、エプロンのポッケからでも、お着物の袖でもなくて、

「おむにぇ、ぽっけ?」

『ふふ。さあ、どうだろねぇ?』

なんでお胸の谷間から鏡が出てくるのかな?

のんちゃんは⋯すとん。試しに入れてみたらお腹のとこにいっちゃいました。

「ちゅめちゃい⋯」ぐす

ママを見上げると

『おやまぁ、のんにはまだ早いねぇ。取っておやり』ひょい

『はいですーっ』ぴゅっ

「ほあっくしゅぐっちゃい~」くねくね

『わわっ、つぶさないでですーっ』

「うにゅーっ」

がまんーっ

『とれたですーっ』しゅぽんっ

『おかえり』

「ふに~」

くすぐったかった~

。ママがのんちゃんのお洋服の首のとこ、ひょいっと引っ張ったら、家妖精さんがお洋服に飛び込んで、手鏡をとってくれました。

でも、もぞもぞくすぐったかったよ~


『のんちゃんは、思いつかないようなことするのね。それより、次は私よ。わ・た・し♪』

「うにゅ?」

まぁま?

『お名前よ♪グランパ何かないの?のんちゃんも、おじいさんのお庭に私にピッタリなお花とかなかったかしら?高貴で気品があって、気高くて、上品で、美しく可憐な、華やかな豪華なお花♪』

「う、うにゃ?」

注文が増えた?めちゃくちゃ増えた?似てるような似てないような言葉がいっぱい?


〖ちゅ、注文が多いのぉ〗

やっぱり多いよね?


『仕方ないねぇ⋯要約すると、綺麗な花ならいいんじゃないかい?』

「しょ、しょっか」

〖そ、それなら、助かるかの?〗

そうだね~


『要約しすぎよ!私に相応しくって美しい花よ!さっきのは全て私でしょ?』


「しょ、しょだね?」

そうなのかな?

〖そ、そうだの?〗

そういうことにしとこうかの?


『のん、グランパ、あまり真面目に取らない方がいいよ。とりあえず綺麗な花でいいよ』

『そうですね。何かありませんか?』

ママとパパが、すっごい面倒くさそうなお顔でいうから


「あい。わかっちゃ」

〖綺麗な花のぉ。何がいいかの?〗


『ちょっとぉ!?』


『まあまあ、綺麗ならいいじゃないか』

『そうだよ。きっといい花を見つけてくれるさ』

荒ぶるまぁまを、ママとパパがなだめてくれてます。ありがと。今の内に


「きりぇいにゃ、おはにゃ⋯」

おじいちゃんのお庭にあったのは

「きく?」

〖菊かぁ。花言葉は確かに『高貴・高潔』とかだったが、華やかとはちと違うかの?〗

「あい」

お庭にあったのお仏壇用だったし⋯

こそ⋯

〖(のんちゃん、それは言っちゃダメなやつじゃの)〗

「(あい)」

それじゃあ


「ゆり」

これもお仏壇⋯

〖のんちゃん(だめじゃよ)⋯〗

「あい。しょれに、きをちゅけにゃいと、かふん、おちにゃい」

危険なお花だよね。

〖あ~花粉、確かにの。まあとにかく、百合は『純潔・無垢・威厳』あたりかの?贈り物などにも人気のカサブランカじゃと『純粋・無垢・祝福・甘美・壮大な美しさ・高貴・威厳』などが言われるのぉ〗


あとは?えっと、そうだ!

「ばりゃ、りゃん」


おじいちゃん、薔薇はお庭でも育ててたけど、薔薇と蘭は特別なお部屋もあったよ。


〖それは随分と手をかけておったようじゃの。薔薇も蘭も美しい花じゃしの〗

「あい。おくしゃん、しゅきな、おはな」

亡くなった奥さんの好きなお花だからって、特別大事に育ててたよ。


〖そうか。薔薇の花言葉は『美・愛』だったの。姿かたちも色々あって華やかで美しいの。わしも上から時々バラ園を覗いたりしておるよ。大輪の薔薇から小さい薔薇、見ていて飽きないしの。香りも素晴らしい⋯〗


ぴくっ


「んにゅ?」

〖何か感じたような?〗

「あい」

気のせいかな?


〖まあ、よいか。蘭の花言葉は『美しい淑女・優雅』だったかの?海外の意味にも『愛情・美・上品・優雅』などあったような気がするの。わしは胡蝶蘭が好きじゃの〗


ぴくぴくっ


「んにゅ?」きょろ

〖やはり何か感じたかの?まあ、よいか〗きょろ

周りみても特に変わりがないので気にしないでいこう。


「いりょ、たくしゃん、ありゅ」

〖そうじゃのぉ。様々な色があるの。のんちゃんは好きな色があったかの?〗

「んにゅ?ばりゃ、あか、しりょ、きいりょ、ぴんく、みんにゃ、かあいい♪」

〖そうじゃの。わしも好きじゃよ。蘭はどうじゃ?〗

「しりょ、むりゃしゃき、きいろ、みんにゃしゅき」

〖そうかそうか。いろどりみどりじゃの〗

「あい。いりょどりみみり」

〖うん、まあ、言えてないがいいじゃろ〗なでなで

「あい」


『薔薇⋯蘭⋯』ぶつぶつ


「んにゅ?」

な、なにかな?

『何じゃ?念仏かの?』

『違うよ。あちらさんの声だよ』

『うん。さっきからぶつぶつ言ってるね』

〖ちょっと怖いね~〗

「ほあ?」

じゃあ、さっきからの変な感じは?


〖『『あれだねぇ』』〗


「ありゃりゃ」

〖ちょっと声を聞こえるようにしてみるかの?〗


ぶつぶつ

『薔薇⋯蘭⋯気になるわ。私にふさわしい花はこの花のような気がするわ。でも、名前にするなら薔薇って⋯名前なら蘭⋯でもやっぱり香りが⋯』


「ふわぁ~」

めちゃくちゃぶつぶつ言ってる~まぁまこわれちゃった?


『こりゃあ、実物を見せるしかないんじゃないかい?』

『そうだね。出せますか?』

ママとパパが聞くけど、でもね?


〖うむ。それがの?何分、種類が多くての~どうしようかの。それに蘭は種類によっては⋯いや、植木鉢で出せば大丈夫かの?〗

そう、迷っちゃうよね


〖そんなにあるのですか?〗

〖何しろ何万もある原種を更に人の手で品種改良するからの~どちらも三万種は軽くあるのではないかの?蘭に至っては十万とも言われとったような?〗

〖じゅっ!?そ、そんなにですか?〗

〖そうなんじゃよ。のぉ?のんちゃん〗

「あい。たっくしゃん!」

おじいちゃんのお庭にもたくさんあったよ。


「ばりゃ、あーち、おっきいにょ、ちっちゃいにょ、はにゃびら、しゅくにゃいにょ、たくしゃんにょ」

〖そうじゃの。一重咲きは原種かもしれんの。今は八重咲きが主流じゃしの。大輪の花を咲かせるものや、小さい花をたくさん咲かせるスプレータイプ。品種によっては上手く誘引すればトンネルのようにもできるんじゃよ〗

「きれいね~♪」

〖そうじゃの〗

色んな色のバラ、とってもキレイ♪


〖それはまた、すごいですね~〗

〖それに薔薇は愛でるだけではなく、色々加工でしるしの〗

「あい。どりゃいふりゃわー、ぽぷり」

〖そうじゃの。ドライフラワーやポプリは自作する者も多いの〗

「あい!」

のんちゃんもお手伝いしたことあるよ!


〖それに、ほかにも香料や化粧品、ジャムやお茶などにもなるしの。ああ、それは蘭もかの?薔薇の方が有名なようじゃが〗


『へぇ~化粧品⋯例えば?』ゆらり



「ふお~?」

『しぃ~。のんちゃん離れようか』

「あ、あい」

一生懸命お話してくれてるグランパの後ろに⋯



〖ローズウォーターなどが有名かの?化粧水としてだけではなく、飲むことも⋯〗

ガシッ!

〖ん?な、なんじゃ?〗

『ローズと言うのは何かしら?』ゆらり

〖ヒィッ!?〗



「ふわわわわっ」

いつもの優しいまぁまじゃない?

『嫌だ、なんか黒いわよ?』

『何か背中で揺らめいてるよね?』

「あ、あい」

やっぱり気のせいじゃないよね?ねぇねとにぃにのもふもふを無意識に抱きしめちゃいます。

みんなブルブルです。



〖まぁま、肩が少々痛いんじゃが⋯〗がくぶる

『ねぇ、ローズって?』ぎりっ

〖ヒィッ⋯ば、薔薇の違う呼び名じゃよ〗がくぶる

『そう⋯ローズ、素敵ね』にぃっこり

〖そ、そうじゃの〗がくぶる

『それじゃ、そのバラ、出してくださる?』ぎりぎりぎり

〖そ、それは良いがかなり香るんじゃよ。こ、ここでは神獣たちがの?〗びくびくびく

『そうなの?』くるぅり


「ふわわわっ」びくぅっ

こここ、こっちみたよっ おめめ光ってるよっ

『い、一輪くらいなら、ね、ねぇ?』ぷるぷる

『『『う、うん』』』

『『『⋯っ』』』こくこくこく

わあっみんな涙目で頷いてるぅっ


『あらそう?ですって。お願いできるかしら?』にぃっこり ぎりぎりぎり

〖は、はい⋯こ、これじゃよ〗ぽわんっ

グランパがテーブルの上に一輪のピンクの薔薇を

〖ダマスクローズじゃよ〗びくびく


『まああ』キラキラ ぱっ

まぁまの目がっ


〖た、助かったのじゃ?〗ぜーはー

あ、グランパ開放された


『グランパ』にっこり

〖は、はい?〗

あ~、まぁまがバラの香りを堪能しながら、また⋯


『これ、どうにかして育てたいの。ほかのバラも』にいっこり

〖あ、あいわかった。何とかしよう。じゃが〗がくぶる だらだら

『聖十朗?』

『え、ええ。場所などは後ほど検討しよう。な?ママ』びくびく

『こっちに振らないどくれよっ』ぎょっ

『ママ?』

『わ、分かった、手伝うからさっ』だらだら


わあ~みんなすごい汗だ~


『ありがとう。それじゃ、私は今からローズね』にぃっこり


「あ、あい。ろーじゅ⋯」

ギンッ

「ろーずまぁま」

こ、怖いよ~言い直しさせられたよぉっ


『うふふ。よろしくね?みんな』うふふふ


〖〖「『『『『『は、はい⋯』』』』』」〗〗


バラを口元にあてて、ニッコリ笑うまぁま⋯

怖⋯き、キレイです



☆。.:*・゜☆。.:*・゜

お読みいただきありがとうございます。遅くなってすみません。

ローズまぁま、よろしくお願いします。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る