第65話 お名前、まずは?

さてさて、神様は禁断の書

《親バカさんのための可愛い可愛いお名前辞典》を召喚した!

〖いいじゃろ!可愛い子のこのためじゃ!〗

はい。大丈夫ですよ。


『こうなったら、皆まとめて名前決めちまったらどうだい?そんな便利な本もあることだしさ』

ママが一言。すると


『あら、いいじゃない。いいこと言うわね!あなたの名前は?』

『私はこの家の家精霊さ。ママと呼ばれてるよ。名前は⋯おや?私もないね。ずっとママって呼ばれてるから、それが名前みたいになってるよ』

『ママね!よろしくね!』

『こちらこそ。神獣様』

ねぇねとママは気が合いそう!


「う?」

あれ?神獣さんなの?

〖そうだね。まだ子供だけどね〗

そっかぁ。すごいね!


『そういえば、私も神樹とか神樹の精とか言われて名前らしいものは無いわね』

『そういやぁそうだな』

ええ?そ、そうなの?


『この家で名前あるのご主人だけなのです!』

『私たちもないなのです!』

『ですです!』


『まあ、お前たちはたくさんいるからねぇ』

『名前付けても追いつかないし、覚えられないかも』

『それこそ数字でも訳分からなくなるな』

ば、番号?それ名前じゃないね。


『たしかになのです!』

『自分たちでも分からなくなるです!』

『自分の番号さえ忘れそうなのです!』

そ、それは、そうかも。たくさん、たくさん、うじゃ?


『今、うじゃって思ったです?』ずずい

『うじゃうじゃって思ったです?』ずずい

『思ったです?』ずずい


わあっ!ドアップ!

「う、うにゃ⋯」

そ、そんなこと、⋯あるけど


『その通りなのです!』えっへん!

『うじゃうじゃなのです!』えっへん!

『何人いるかなんて分からないのです!』えっへん!


「あ、あい」

あ、いいんだね、うじゃうじゃ思っても


〖ふふ。まあ、家妖精たちは確かに難しいけど、とにかく、みんなの名前をつけるのは賛成だよ〗

そうだね~


〖まずは、とにかく嬢ちゃんの名だの。ワシは、明るく前向きな名前が良いと思うんじゃが。それに神代聖十郎の娘となるなら、可愛いけれど、可愛いけれど落ち着いた名が良いと思うんじゃが、どうかの?〗


「ふ、ふお~?」

なんか、盛りだくさんだったような?


〖僕も賛成だな。妥協は出来ないよね〗

『その通りです。私の娘になるのですから』

『当たり前よね』

『当然さね』

みんな、すっごい真面目な顔で、うんうん。ってしてるけど、ええ?


『⋯気にしない』

『⋯既に親バカなだけ』

『⋯でも、異論は無い』

『『『⋯っ』』』こくこくっ

花うさぎさんたちに妖精さんたちまで⋯


「しょ、しょっか~」

もう好きにしてください。でも、ちょっと嬉しいかな?なんか、恥ずかしいけど。


〖と、言うわけでな、前向きな名前ということで、こんなのはどうじゃろか?〗サラサラサラ


グランパはそう言って、どこから出したのか、筆でサラサラサラっと、名前の候補を書き出しました。一文字のものから順番に


夢・春・晴・幸・望・希・未来・和希・明日香


〖こんなとこでどうじゃろか?最近は当て字でも可愛らしい名があるのだがの?例えば〗


陽葵・来夢


〖とかの?特に陽葵は向日葵という太陽の様な明るく元気な花を連想させる可愛い名じゃと思うんじゃが、何となく〗チラっ


チラ?その視線は⋯あっ!

「ぴよちゃん!」

『『『『『あっ!』』』』』


『ぴ、ぴよ?(え?ぼく?)』


〖そうだな〗

『確かに』

『ある意味、まんまだよね』

『『『まんまですーっ』』』


〖じゃろ?〗


うんうん!ぴよちゃんが掛け軸から飛び出して来た時

「さいちょ、おひしゃまみちゃいな、まんまりゅ、きちゃ、おもっちゃ」

『『『ですです!』』』

『『『⋯お日様みたい』』』

『『『⋯』』』こくこく

みんなもそう思うよね?それに


「ぴよちゃん、あっちゃかい♪ぽかぽかもふもふ♪」もふんっ♪

『『『ですです!』』』

『それは私も同意見よ!』

『ぼくも!』

ほら!神獣さんたちもそう言ってるよ!


『おやおや、どうやら嬢ちゃんより先にピヨ助の名前が決まりそうだねぇ』

〖そうだねぇ〗


〖では、命名書は後できちんと書くとして、ひとまず、陽葵ひまりを丸っと〗


『ぴよ~ぴよぴよ~(わ~陽葵かぁ。ありがとう~)』にこにこ


まずは陽葵ひまりちゃん決定♪


☆。.:*・゜☆。.:*・゜


お読みいただきありがとうございます。

お名前、先にぴよちゃんが決まっちゃいました。


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