第63話 自己紹介、と⋯

グランパの中々ひどいネーミングセンスに、みんなが驚きあきれたあと、


「ぱぁぱ、とらしゃんちゃちは?」

今は小さくなって、かわいいけど、大きかった時の虎さんは白に水色の虎模様の美人さん。

真っ白い狼さんはもふもふでかっこよくて、お馬さんは真っ黒で足が八本もあってすっごく強そうだけど、背中に乗っけてくれる優しいお馬さん。

ドラゴンさんは真っ赤な体に大きな羽と、大きなしっぽがとってもかっこいい!

でも、みんな優しいお目目だから、強そうだけど全然怖くないよ!


〖ん?ああ、お名前かい?〗

「あい」

そうだよ。

〖名前はないよ。種族の名前で呼んでいるんだ。みんな〗

『私はアイスタイガーって言って、氷の魔法が得意よ。よろしくね、お嬢ちゃん』

「あい。とらしゃんおねえちゃん」

『うふふ。その呼ばれ方は初めてだわ。お名前をもらえるまでは、『ねぇね』でいいわよ』にこ

「あい!ねぇね!」にぱっ

わぁい!お姉ちゃんできた!


『ああっずるい!じゃあね、僕は『にぃに』でいいよ。僕はフェンリル。犬じゃないよ、狼だよ。得意な魔法は風。まあ、魔法がなくても強いよ!頼りにしてね!』

「あい!にぃに!」にぱっ

お兄ちゃんも出来た!


『次はボクね!ボクはファイヤードラゴン。名前と見た目通り、火の魔法が得意だよ。にぃには取られちゃったから、『兄ちゃん』でいいよ!』

「あい!にいたん!」

ありゃ?なんか違った?

『あはは!兄たんか~いいね!』

あ、大丈夫だった。


『みんなだってずるいよ。呼び方みんな取られちゃったじゃないか』むすっ

『あら、一番に背中に乗せたくせに』

『そうだよ!僕も乗せたかったのに!』

『ボクだって!』

あ、あれ?なんかみんな落ち着いて?


『ええ?だって、馬は昔から人を背に乗せて駆け回って来たんだよ、僕が乗せるのは自然なことでしょ』ヒヒンっ♪

『『『そんなことないしっ』』』ぶーぶー


あ、あわわ?


〖ほらほら、後で順番に乗せてあげたらいいでしょ~皆を困らせないの。それにスレイプニルはまだ自己紹介してないでしょ〗

困った子たちだね、って、ぱぁぱが止めてくれました。

『『『『ごめんなさい』』』』

「あい」

ちょっとびっくりしたけど大丈夫だよ。


『じゃあ、改めて、僕はスレイプニル。馬は馬でも軍馬かな?この脚で誰よりも速く走れるよ。あと岩も砕ける力持ち!魔法はね、闇魔法が得意だよ。ん~呼び方はどうしようかな?なんかある?』

「う~ん?」

ねぇね、にぃに、にいたん、あとは?

「あにち?」

『兄ち?』

「ん~、き」

『兄貴ですか』

言いづらかった。あとは、

「にいたま?」

ありゃ?また言えなかったよ

『にいたま⋯兄様かな?いいね!それでお願い!』

「あい!にーたま!」にぱっ

いっぱいお兄ちゃん!お姉ちゃんはピヨちゃんもいるしね!


『ぴよ~ぴよ!(そうだよ~僕が先にお姉ちゃんだからね!)』


『『『『え?女の子?』』』』

『ぴよ~(そうだよ~)』

「ぴよちゃん、セイイチローしゃまに、だましゃれちゃ」

『『『『だまされた?』』』』

「あい。かわいしょう」うる

『『『『えっと?』』』』

〖どういうことかの?〗

日本から来た組はみんな不思議顔。あと、白騎士さんたちも。


「ぱぁぱ、ぱぱ」

説明お願いします。もうあれを読むのは勘弁です。


〖あ、あはは。あれです。後ろの掛け軸〗

『掛け軸というか、何と言うか⋯』

〖『『『『あれ?』』』』〗

そう、あれ、だよ。


〖何なに⋯「イエーイ!俺様参上!俺様の子孫、元気してるかい!?俺様はきっと死んでるよな?あははは」⋯は?〗

『『『『はい?』』』』

『『『⋯⋯』』』

あ、やっぱり目が点になってる~


〖分かる。分かるよ~〗

『私らもきっとこんなだったんだろねぇ~』

『そうね』

『初代様、何と罪作りな方なんだ』

〖『『『はぁっ』』』〗

だよね~


『ぴよ~(聖一朗だもんね~)』

だよね~


同じ国出身の人から見てもおかしいことが確定した聖一朗様でした。


☆。.:*・゜☆。.:*・゜

お読みいただきありがとうございます。

ちょっと今週は更新できないかもです。すみません。できたら、します。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る