第60話 なにか来た!

ぼぼんっ


忍者さんがドロンってする時みたいなモクモクが!下の方からだんだん煙が薄くなってくると⋯


「ほあああああっ」

なんか、もこもこもふもふのあんよが~ふさふさもふもふのしっぽが~

何?何?


とうとう煙がすべて無くなると⋯


ちょーんっ

「ほあああああっ」きらきらきらきら

〖わあ、この世界じゃ見たことない子たちだね~〗

そうなの?


〖ほっほ。日本の神社ではよく見かけるじゃろ?犬に狐に龍じゃよ〗にこにこ


『きゃんっ』

『こんっ』

『きゅいっ』


神社で?たしかに、たしかに見るけど、ちがう、違うよっ!出てきたのは、


「ちっちゃいもふもふ~っ!ちっちゃいりゅうしゃんっ」

みんなちっちゃいよ!しかもしかも、


「りゅうしゃん、おめめきりゃきりゃ~♪」

飴ちゃんみたいにまん丸きらきら~♪

『きゅいっ♪』


「こんこんしゃん、ちっぽ、もふもふっいっぱいいっぱい!」

いち、に、さん⋯九本!すご~い!

『こんっ♪』


それから

「こにょわんわん、ちってりゅ!」

この三角のとんがりお耳に、おっきなしっぽ背負った、真っ白なわんわんは

「にほんしゅぴっちゅ!」

『きゃんっ♪』はっはっはっはっ

「はちゃけにょ、おじいちゃんにょっ」

『きゃう~んっ♪』たたたっぴょんっ

「ほあああああっ」

飛びついてきた~っ

『きゃう~んっ』ぺろぺろぺろ

「ほああ?」

もしかして、同じ種類とかじゃなくて?

「ぽめちゃん?」

『きゃんっ!』ぺろぺろぶんぶん!

「ふわあっ」

やっぱり!ぽめちゃん!なんで?


〖ほっほ。そうじゃよ。その子はあのおじいさんの所にいた犬じゃよ。随分と嬢ちゃんと仲良かったようじゃからの、こちらに来てもらったんじゃ〗

『きゃんっ♪』ぶんぶん♪

しっぽブンブン!その通りって言ってる?

「ぽめちゃ~ん、ありがちょ!」ぎゅうっ

『きゃんっ』

また会えて嬉しい~♪


〖へえ~。知り合いのわんちゃんなんだね~。良かったね〗

「あい♪」

『きゃん♪』

また仲良くしてね!


『それにしても、こちらの世界の犬と違ってずいぶん可愛らしいですね』まじまじ


『ほんとだねぇ。このキツネってのも知らないねぇ。立派なしっぽと毛並みだねぇ』

なでなで


『このリュウ?ヘビ⋯ではないわね。手があるし、長い髭も立派ね。強くなりそだわ』

じぃ~


そうなんだ~どの世界にもいるんだと思ったよ。


〖その子は日本のドラゴンらしいよ〗

ぱぁぱが言うと


『へえ?』

『うそぉ?』

『随分と違うんだねぇ』


そんなに違うの?すっごいびっくりしてるね。


〖うん。やっぱり世界が違えば動物も変わるよね〗


そっか~。みんな異世界の動物に興味津々。あ、でも、龍ってほんとにいたんだね。伝説の中だと思ってたよ。


〖龍は神界にしかいないからの。九尾の狐もじゃよ〗

そっかあ~。普通はしっぽ一本だもんね。


〖ところで嬢ちゃん。この子の名前はなぜポメなんだい?本人はちょっと不服なようじゃが〗

日本の神様が不思議そうにしてます。


あ、それはね?

「おじいちゃん、まちがっちゃ。ね?」

『きゃう~ん⋯』へにょ

あ、お耳寝ちゃった。

〖間違えた?何とじゃ?〗

「ぽめりゃにあんちょ」


〖ポメラニアン?じゃが、この子の犬種は日本スピッツじゃよ?〗

『きゃう~ん⋯』へちゃ


あ、更にお耳がぺちゃんこ。これだよね、

「こにょおみみ、みちぇ、まちがっちゃ」


〖なんと?確かに、もふもふふわふわと、可愛らしい顔が似てる、かの?〗

『きゃう~ん⋯』へにょ


この子拾った子だから、

「おじいちゃん、おいしゃしゃんに、いわりぇりゅまで、わかりゃにゃかっちゃ」

〖なるほどのぉ〗

そうなんだよぉ


『なんか、ピヨ助と言い、可哀想な名前の子ばかりだねぇ』

『きゃう~』くぅ~ん

『ママ、ぽめちゃん、さらに落ち込んじゃったわよ』

『おやまぁ、ごめんよ』なでなで


〖まあまあ、それじゃあ、後で名前付けてあげようよ。この子達と一緒にね~〗


ぼふんっ


「ほあ?」

また?


☆。.:*・゜☆。.:*・゜

お読みいただきありがとうございます。

感想いただいた方、ほぼ正解でしたね。もふもふと龍さんでした。

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