第5話

蜜視点

私は小さい頃からずっと思いを寄せている人がいる。


 それは親戚のお兄ちゃん。

 

 初めて会った時のことはもう覚えてないけど、昔から私のことを大切にしてくれていた。


 公園で大きく擦りむいた。

 その時、お兄ちゃんは私を背負って家まで運んでくれた。


 ゲームを無くした時、一日中探してくれたことがあった。



 私のことを初めて男の子で可愛いと言ってくれた人だった。


 クラスみんなが私のことをブスだと言った時に、お兄ちゃんはお小遣いを使って服を買ってくれた。


 その服はみんなからはダサいと言われたし、もうサイズ的に着れないけど大切にとってある。


 お兄ちゃんはいつも私を大切にしてくれる。



 ただ、時間が経ち私の思いはより強くなった。同時に私の環境も変わった。


 

 5年生になってからはしばらく会えなくなっていた。


 6年生になると皆が私を可愛いと言ってくれるようになった。

 

 昔ブスと言っていた人達も言わなくなった。


 


 そして、6年生になって、お兄ちゃんに会える日が来た。

 私は全力で可愛い服を選んだ。


 お兄ちゃんからずっと可愛いと言われるのを待っていた。


 けど言って貰えなかった。


 私は落ち込んで、次来る時、また次来るときも言って貰えなかった。


 そして、半年が経ち、結局可愛いと言って貰えない私は、グレてしまった。


 中学生に入る時は、頑張って可愛いと言ってもらう所か、たまについ無視するようになってしまった。


 自分で分かっていた。私はもっと構ってほしかった。


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