エッセイ集
桜月零歌
友達を作るタイミングは大事
日本では、四月は入学式や始業式が行われる季節だ。
一部、 今日から新学期!なんて張り切る輩がいる中、毎年この時期がやってくると憂鬱になる人も多いのではないだろうか。新しいクラスに馴染めるか、友達はできるのか、担任は誰になるのか等々.....。
学生の場合はそう思う人も多いだろう。まだ自分は初々しい一年生!なんて人は勿論、もう学校には慣れたであろう二、三年生もこの時期だけは内心ドキドキである。
新しいクラスに馴染めなければ変に目立ってしまったり、友達が出来なければ、団体行動の時にはあたふたしてしまう可能性だってある。
何よりも担任がいい先生でなかった場合、一年間、更に憂鬱とした空気感に呑まれながら過ごすことだって有り得るのだ。そんな緊張感を抱えながら過ごす新学期前日は地獄そのものである。しかし、それは予め事前に情報を得てさえすれば幾らでも対策はできる。特に二、三年生はそうだ。事前に情報を流してくれない学校もあるだろうが、自分の通っている学校はそれとは逆に、事前に情報を流してくれる比較的優しい学校だった。けれど、それはそれである意味大変だと思う。
最上級生となる三年の四月。
始まりは学校側からの一斉メールだった。
親から「学校からメール来たよ~」と言われ、なんだなんだと思いつつ、さらっと内容を確認する。でも、ごく普通の新学期に向けての連絡事項だった。その時は、なんだそれだけかと思い、そのままゲームを楽しんでいた。
しかし、数十分後。
友達から突然「クラスなんだった?」とメッセージが来た。最初はなんのことかと思ったが、少し考えて新しいクラスのことだと思い当たった。でも、どこを探しても新しいクラスなんて書いてない。見落としがあるとするなら、先程学校側から届いたメールしかないと思い、改めて内容を確認してみた。
すると、内容の最後に流し読みでは分からないぐらい自然に、新しい学年とクラスが記載されていた。そんなところに当然のように書かれても、分かるわけないと内心思ったが、そこを深堀している場合ではない。
すぐさま、仲の良い友達にクラスが同じかどうか確認をとった。確認を撮る最中、内心はとてもそわそわしていたし、やけに独り言が多かった。
確認した結果、仲の良い友達はほぼ全員自分と同じクラスだということが分かった。その頃、他の人たちも突然のクラス発表に阿鼻叫喚だっただろう。
新学期が始まった翌日、教室でも同じようなことが起こった。自分たちの担任が誰かなのか皆、予想していたのだ。
幸い、私達のクラスの担任は、私の前の学年の先生が持ち上がる形になった。まだ、得体もしれない新任の先生とかじゃなかったので良かった。
こうして、人生最後のクラス替えは幕を閉じた。
三年生である私は留年さえしなければ、クラス替えからは逃れられる。今のところはそのような兆候は見られないのでその辺は大丈夫だろう。
しかし、一、二年生はそうともいかない。来年度や再来年度も、この劣悪なイベントが待ち受けている。毎年、仲の良い友達と同じクラスになれれば良いだろう。でも、学校側はそれを許してくれない。もし、仲の良い友達の誰とも同じクラスになれなければ、その先にはぼっちという名の地獄が待っている。
自分から初対面とも等しい人に話しかけることができるのなら、恐らくそれは回避できるだろう。だが、一部の人はとてもじゃないがそれが出来ない。変に話しかけて迷惑だったりしないだろうか、などと思ってしまうからだ。結果、遠慮しまくって友達ができないなんて人もいるだろう。ところが、例え友達がいなくとも一部の場面を除いては何とかなるものだ。
例えば休み時間。普通は友達とお喋りしたりするのが恒例だが、ぼっちはそうはいかないので、工夫する必要がある。休み時間にスマホを使っても良い学校ならスマホでゲームをしたり、アニメを見たりして暇を潰せる。
しかし、そうでない場合でも、図書館に行ったり、宿題や復習をしたり、読書をしたり、絵を描いたりと多少工夫することで暇を潰すことが可能だ。
私自身、ぼっちの期間があったため、そうして時間を潰していた。でも、修学旅行や校外学習などの場合はそうもいかない。全然仲良くもない人と長時間行動しないといけないからだ。その時にぼっちなのはとてもじゃないが困る。その時はとても苦痛で、隅の方で虚無る他ない。
だから、そういう時のために友達というものは必要になる。そうなると、なるべく早く行動に出ないといけない。でないと、いつの間にかクラスの中でグループができており、いまさら、そのグループに入るのもおこがましいという気持ちが芽生えてくる。
"友達をつくるタイミングを見失ってはいけない"
と誰かが言ったように、早めの友達作りは怠ってはいけない。
新学期が始まって一ヶ月も経ってないので、まだ時間はある。今のうちに努力しておけば、後々困ることも少なくなるだろう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます