第六章 売店2

おばさんが、僕の顔をじっと見た。

別に悪意は感じ無い。


少しだけ考え込んだあとで、

おばさんが答えた。


「そうねぇ。まぁ、私も、ハムハムってアプリを、使っているから……かしら。

私の役割は、貴方達を、サポートすることよ。ゲームの中の『味方』キャラね。

それから、色々と教えたり、とか。

そもそも、こうなったのは、『別の誰か』が、アプリを起動したからで。

私も貴方達も、強制的に、参加させられてるわけ。クリアするには、校舎を凍らせた、

『敵』を、倒さないとダメ、みたいよ」


売店のおばちゃん、あいさんは、めっちゃ、

喋る。喋りまくる。


あ、あいさんは、おばさんの名前だ。

本当はおばさんと呼ぶには、あいさんは妖艶で豊満な美女だ。


以降、あいさんと僕は呼ぶ。


「だから、ハイ、コレ。

必要なものを、渡しておくわね。

こっちは砂時計⏳ あとは、食べ物等ね。

食べ物等は、私の差し入れよ。

……一日でクリアしないと、凍ったみんな、

『現実でも凍死』するから、ね。

その砂時計が、全部、落ちたら、アウトだよ」


わりとあっさりと、けろっとした顔で、

あいさんが、言ってのけた。


しばらく、現実味がわかなくて、

僕達は、その場で、放心してしまった。

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