第120話 若い子って何を話せば良いの?
そうして俺は、Bランクダンジョンへ
大型企画がいくつも動いているからね。
イベントや報告を同時発表するのも、勿体ない!
写真集の発売と握手付き即売会の宣伝だけで一杯一杯だ!
最早、定番とも言えるDランクダンジョン――
ミノタウロスやオークと言った食材に適したモンスターがこれだけ多く調達出来る物件は中々ない。
ダンジョンが
今は
「――と言う訳で開幕にも言った通り、来週末のハロウィンフェスティバルでの握手券付き写真集即売会。どうぞよろしくお願いします!」
〈あたおかに直接触れられるとか最高の感謝企画だぁあああ! シャインプロありがとう!〉
〈お兄様との握手券付きぁあああ会社のお金横領してでも買い占めるぅううう〉
〈↑普通に犯罪だし迷惑だから止めろ。あとアンタ、スタンピードの日に仕事さぼってトイレからコメしてたよな? ばっちぃから当日は手を洗ってけよw〉
〈入場料はなし、身分証確認と所属のフォロー画面見せるだけで入場出来るのは良いな〉
〈↑その代わり即売会や握手会会場の入場に握手券付き写真集やらCD必要とか、公式グッズの料金がちゃんとヤバい値段設定〉
〈雰囲気は無料でも味わえるのは最高w グッズ買って帰るだけでも良いしな〉
〈ねぇ、ワイは
〈↑お、そうだな。地上からも材料持ち込んでるから美味そうだよな〉
〈初見さんも早くこっち(あたおか)側に染まれw 俺たちはもう手遅れだからwww〉
いや~家でも美尊に美味しい料理を食べさせられるようにとか練習してたからね。
マナー講習が終わった後に作り方のポイントをシェフさんに聴いて実践してを繰りかえしてたから、かなり飯テロっぽく成長しましたよ!
これがダンジョン産の食材をメインに使っているとは考えられない!
今にして思うと――道場ごと落ちた時に食べてたのは、原始人の食事だったなぁ……。
俺も成長したもんだな~。
歌唱力もこれぐらい目覚ましく成長してくれれば良いのに……。
「――はい、完成! ニンニク、ナツメグで臭みを消したハンバーグです! あとはサラダに
〈うおおお! すげぇえええええええええw〉
〈これマジで食糧事情に革命起きるだろwww〉
〈あたおか以外もモンスターを消化出来るのか問題w〉
〈俺は海外の飯でも直ぐに腹下すから無理だw〉
〈フォンドヴォーにも
〈↑ダンジョン生活の相棒らしいからなwww〉
うんうん。
コメント欄も良い感じに盛り上がってる。
これなら自身を持って美尊にも料理を出せるね。
モンスター飯を消化出来るかは……研究機関とかで調べてくれないかなぁ?
1回、姉御に喰わせてみるか?
姉御なら、万が一でも命に関わることは無さそうな生命力だし……。
「それでは、いただきます!」
〈ちゃんと手を合わせるだけじゃなくて頭下げるの、人格の良さを感じるw〉
〈流れるように美しい所作、こやつイケメン///〉
〈配信関係なく普段からやってるんだろうなwww〉
〈ちゃんとマナー講座の成果が出てるの草。いや苔〉
〈苔を色んな所で使いたがるなwww〉
「めっちゃ美味しい! え、何コレ!? うぁ……。見て下さいよ、この肉汁!」
魔法で岩をイジって作った箸で、ハンバーグを切る。
ハンバーグの断面をドローンに積まれたカメラへと向けると、コメント欄からは
湯気も相まって、胃袋を刺激するような外見に仕上がっているようだ。
「それでは、ご飯をいただきながら相談枠を始めたいんですけど……。その前に俺の近況報告というか……相談を良いですか?」
〈お、良いぞ。どした?〉
〈あたおかの相談? また重い話かな?w〉
〈姉御関連はもう解決したんでしょ? 着てる服と
〈お兄様のお肌の
〈あたおかガチ勢、ガチ恋勢どうなってんの?www〉
〈悩み多そうな人生だけど、こんな相談の切り出し方は珍しいな。どした?w〉
な、なんか、皆を身構えさせちゃったかな?
そんな重い話じゃなくて、単に俺が不安だな~ってだけなんだけど……。
「あの……俺って人見知りなんですけどね?」
〈うん知ってるw〉
〈あああ握手会で人見知りであたふたしてるお兄様を撫で撫でしたいぃいいい!〉
〈↑黒服に連行されて他のガチ恋ファンたちにボコられるぞwww〉
「実は――明日から5日間、
考えるだけで震えて来る。
若干、コメントの流れが止まり――。
〈はぁあああ!? マジで!? あたおかが学校で講師やるの!?〉
〈え、うわ! 俺明日から生であたおか見られる! 地球に生まれて良かったぁあああ!〉
〈なんで関東だけなんだよ!? ズルい、東北校にも来てよぉおおお〉
〈あたおかの実戦的授業……だと? 学生がハンバーグになるぞw〉
〈うわぁあああ! マジかぁあああ!? 垂れ流しで指導のライブ配信して欲しいぃいいい!〉
〈学生特権ズルいぞ! ワイらはもう卒業してるから受けられんとか、ええ!? ええ……(困惑)〉
――ドドドッと、コメントがまるで
―――――――――――
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