第61話 愛のエールに応えるが漢の花道!
愛する妹――
本当に短い時間のエールの言葉。
読み上げ機能は、美尊だけを
それでも――俺の耳には、特別に響いた。
諦める訳ないだろう。
この挑戦も――姉御の事も、美尊の事も……全部。
俺は10年間、暗闇に居たんだ。
やっと輝かしい日々へと手が届く場所に――やって来たんだぞ!
ガーゴイルの頭を右拳で
「目標を諦めるまで……」
魔法を発動すべく
「――挑戦の道は終わらねぇんだよォオオオッ!」
ワイトキングの頭上から、拳を地に叩き込む!
王冠が宙を飛び――魔素へと変わった。
俺の拳の下には、
数歩歩いて見渡せば周囲にモンスターの姿は無く、俺が征く道には数多の魔石が転がるのみ。
「時間は……」
戦いに夢中で、曲のラスト部分が良く聞こえなかった。
〈うおおおおおおおおおおおおおお〉
〈ジャストォオオオオオオオオオオオオオオッ!〉
〈曲に
〈鳥肌エグいいいいいいいいいいいいいいいい!〉
〈あたおかぁああああああああああああああ!〉
〈お兄様愛してるゥウウウうううううううう!〉
〈マジでかっけぇええええええ!〉
〈アイドルとはの疑問も吹っ飛ぶ
〈無双ぎぃんもちぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!〉
〈イメージソング、マジでパチンコの当たりって言うか、クラブで流れてそうな格好良さwww〉
「俺……挑戦、成功したんですか?」
肩で息をしながら、ドローンに向かい問いかける。
〈成功だよぉおおおおおおおお〉
〈狙ったかのようにピッタリぃいいいいいい〉
〈良い最終回だったwww〉
〈あの必死な顔、死のダンス! 大興奮だぁああああああ!〉
「そっか……。間に合ったんだ」
一種のゾーン状態に入り込んでいたというか……。実感がない。
最後の最後、
機械音声だろうと、美尊がくれた素敵な応援。
それが――俺に最後の一押しをくれた!
「皆さん、チャレンジ成功ですよぉおおおッ!」
〈888888888888888888〉
〈素晴らしいぃいいいいいいいいいいいいい〉
〈何を勝手に設定してチャレンジしてんだって冷静になれば思うけど、よく頑張った!w〉
〈感動した! 鳥肌ヤバい! もうさっきの切り抜き動画が公式MVで良いだろ!w〉
〈コレがアイドルか……〉
〈地下アイドル(笑)な?w こんなの、あたおかオンリーだからwww〉
〈あたおかぁああああ良く分からんけど感動したぁあああ〉
俺が勝手に設定して、勝手に盛り上げる為の舞台を作ったから、突っ込みも多い。
それでも、多くの人が俺の努力は認めてくれている。
「よし、これで美尊や姉御の事もオッケーですかね!?」
〈流れで持って行こうとするなwww〉
〈それとこれとは違う。美尊ちゃんは皆のアイドル〉
〈折角興奮してんだから詐欺師の話は止めよう〉
くぁあああ……。
ダメだなぁ、またコメント欄で賛否両論の議論が巻き起こっている。
しかも興奮しているからか、先ほどまでよりもコメントが荒々しい。
俺のイメージソング的には、皆の感情が荒々しくハイテンションな方向へと揺り動かされるのは合ってるけど……。
1番の見せ場は終わったんだ。
もう、火消しの時間だ! 祭りの華、喧嘩も終わり!
「よし! 皆さん、戦利品を拾っていきますよ~! 大量、大量!」
俺はドローンカメラを向けながら、落ちている物を1つ1つ収納箱へと入れていく。
〈これは今日こそ黒字だろぉおおお!〉
〈アイテムドロップなくね!?〉
〈いやいや、流石に有り得んだろ? あたおかがサッと取って収納箱に入れたんだよw〉
〈レアなドロップアイテムをカメラに写らないように取って、最後の最後に発表するのは良くある手法〉
〈うわぁあああああああああ、今日こそは報われてくれぇえええええ〉
〈全部を魔石に変えるチャレンジでオーバーダメージにしないよう戦ってたんだろ? じゃあドロップなくね?w〉
コメントの読み上げを聞きながら、俺は頬を緩めてしまう。
「俺の配信を多くの人が楽しんでくれているみたいで嬉しいっす!」
〈もう病み付きよぉおおおおおお〉
〈他の開拓配信ではない派手な華、たまんねぇえええ!〉
〈ビールが美味くなるわ!w〉
〈明日パチンコ行けば当たる気がするw〉
〈
〈誰が上手いことを言えとwww〉
〈上げたテンションをパチスロで負けて落とす事ないだろwww〉
コメント欄にいる視聴者の皆さんが最後まで楽しそうで本当に嬉しい。
さて、回収も終わったし――。
「それでは、
〈はぇええええ!〉
〈風を切る音がぁあああああああ!〉
〈これが録画加工の倍速じゃないからビビるwww〉
〈地底人の配信は切り抜き所に困るんだよなwww〉
〈移動すらエンタメに変える男w〉
移動中もコメント内で楽しんでいてくれているようだ。
俺は視聴者を退屈にさせていないか気にせず、安心して走り続ける事が出来た――。
―――――――――――
ここまで読んで下さり、誠にありがとうございます!
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