第36話 新企画、真深夜枠!
「……え?」
「川鶴さんのお陰で、俺の配信の方向性が1つ見えました!」
「え? わ、私がお役に立ったんですか?
川鶴さんは緩んでいた表情を整えてから少し考え、ハッと目を見開いた。
そして互いに、思いついた配信内容を詰めて行き――。
「――どうです? この企画、面白そうじゃないですか!?」
「ええ、ありだと思います。シャインプロは学生ライバーの所属が多くて、この時間帯からは空白でしたからね。面白い企画です、是非やってみましょう」
「やった!」
川鶴さんにも面白そうって言ってもらえた事で一気に自信が持てた!
ソファに座りながら思わずグッと拳を握ってしまう。
やっぱり1人で抱え込むよりも、協議してみるもんだな!
これで視聴者さんにも、もっと楽しんでもらえるかな?
楽しんでもらえると良いな~。
今から配信をするのが楽しみだ。後は視聴者さんと
コメントでリアルタイムの反応を見られるって本当に
「……企画は面白いと私も思います。唯、ですね……」
川鶴さんはソファから立ちあがると、
メガネから
「――1人の女としては……自分の相談中に違う事を考えられていたのが、面白くないですけどね?」
少しドスの
す、すみません。
目を鋭く細め怒りを
と、兎に角……善は急げだ!
終わりも正解もなく、俺がダンジョンでやった周回以上に延々とループする愚痴で精神をこれ以上削られる前にダンジョンへ逃げ――開拓配信に行こう!
「川鶴さんは、もう帰って休んで下さい!」
「え、でも……」
「夜も遅いですから。
「……私と一緒に居るのは、嫌ですか? 今日の私を見て、嫌いになっちゃいました?」
急に
出来る人って面しか見てなかったからギャップが凄い!
「い、いえ! そういう事じゃなくて……。川鶴さんには、夜遅くまで働いてボロボロになって欲しくないんです。ゆっくり寝て、朝も気持ち良く目覚めて、笑える1日を過ごして欲しいんですよ」
「大神さん……。弱ってる時にその優しさは、ズルいです。……分かりました。今日は帰ります。――また本音パーティーに付き合って下さいね?」
可愛く
自分の顔は自分見えないから分からないけど……。
年1回の頻度ぐらいでお願いしますって、思わず口にしそうになってしまった。まだ愚痴を聞いて
言わないけどね? 敢えて伝えない優しさも、あると思います!
凄くスッキリとした顔をしていて――俺は姉御に文句を言いたくなった。
それとなく川鶴さんの
心身を壊す程の
スマホを操作している間に、SNSで告知した時間が近付いて来た。
よし、行くか!
今までとは違うダンジョン配信……。
お金を稼ぎつつ皆で楽しめる配信、頑張って成功させるぞ――。
「――はい、という訳で時刻は午前1時45分の
〈こんばんわ!〉
〈SNSの予告見たけど、時間の間違いじゃなかったんだw〉
〈本当に深夜枠になってるw〉
〈地底人に昼夜は関係ないんだろwww〉
〈さっきの配信から1時間半しか経ってないw〉
〈休憩無しにダンジョンへ挑むとか普通なら自殺志願同然だけど、あたおかだからなw〉
コメント欄で皆から盛大に突っ込まれてしまった。
ちゃんと休憩はしたんだけどね。食事もしっかりと摂ったし、ゆったり黙って座ってたから。
精神的には……ダンジョンの方が楽でしたかね?
川鶴さんの愚痴、居たたまれない気持ちになるから。
「時間はですね、間違いじゃないです。実は先ほどマネージャー社長と協議して配信テーマの名案が閃きまして……」
〈名案?〉
〈あのマネージャー社長、深夜まで働かされてるのかw〉
〈俺も毎日仕事でぶっちゃけ眠かったけど、マネージャー社長が可哀想で目が醒めた〉
「そう、名案ですよ! ズバリ、配信テーマは――『深夜にダンジョン飯テロしながら、相談に乗ってみる』です!」
〈この時間帯に飯テロとかマジふざけんなw〉
〈ギルティギルティ!〉
〈はぁあああ!? 今からラーメン食いたくなったらどうすんだよ!w〉
〈もしもしポリスメン?〉
〈太ったら地底人の責任だぁああああああ!〉
うおおっ!?
メッチャ怒ってるようなコメントが
た、多分……文脈的に冗談混じりだとは思うけど……。
そんなまるで罪を犯しているみたいに言わなくても良いじゃん!?
リアルな人間じゃなくてコメントに
モンスターと戦うより、よっぽどドキドキするわ!
―――――――――――
ここまで読んで下さり、誠にありがとうございます!
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