生き別れの妹とダンジョンで再会しました 〜10年間ダンジョン内で暮らしていたら地底人発見と騒がれた。え、未納税の延滞金?払える訳ないので、地下アイドル(笑)配信者になります〜
第11話 文明の利器。あ……白星、忘れててゴメンね
第11話 文明の利器。あ……白星、忘れててゴメンね
「あの、川鶴さん……。俺が慌てたせいで、すいません!」
「い、いえ! 頭を上げてください! お、オーナー、なんとかしてください!」
「ん? そうだな」
姉御はそう言いながら、頭を下げる俺の
「――まだ高いと思うんだよ」
「な、何がですか姉御?」
「頭がだ!」
そう言って姉御は――
「痛いですよ!」
「暴れるな! 貴様のせいで、私がどれだけ
「え、ええ!? な、なんでそんな事になったんすか!?」
「貴様が腰に
あ――
そう言えば、腰に下げてないや。どこに行ったんだろう?
「貴様、気絶した時、ギルドにあのインテリジェンスウエポンを落としただろう!? あいつに触れようとしたギルド職員! そしてギルドのお
えぇ……。そんな事を言われましても。
いや、姉御の資産を食い潰し、信用を切り取ってしまったのは誠に申し訳ないとは思うんですが……。
普段から腰に
それで
なんで皆は弾かれたんだろ?――放っておいたから、
「――ほら。貴様のスマホと寮のカギだ」
床にドッと、スマホとカギが落とされ、俺の顔の横で転がる。
「必要な物はスマホにインストールしてある。『冥府行きのダンジョン』の場所も、寮の場所も、ナビアプリを使えば行けるはずだ。果たして……走りで
「あの……オーナー? 車でも片道1時間かかるんですけど……。電車賃、貸しましょうか?」
やっぱり天使は川鶴さんだけだ!
「甘やかすな。……私が意地悪でこんな事をしていると思うか?」
思います。
というか、修行させようとしているんだと思います。
「往復数時間もスマホを使いながら街を走り回れば、コイツも10年の
「な、成る程! さすがオーナー!」
へぇ~姉御にはそんな意図が。……それはそれと、そろそろ頭を上げても良いでしょうか?
俺が少し本気で力を込め抵抗すると、姉御は大きく息を吐いて手を退けてくれた。
「川鶴さん!
これだけ俺をサポートして、庇ってくれたからかな?
川鶴さんの前で身体が震えるのも無くなった。
これで円滑なコミュニケーションが取れる!
「雇われ社長ですけどね。……オーナーの厳しさについていける社員が少ないから、マネージャーまでしていますし。ははっ……」
その言葉は、深く俺の胸に沁みた。
この人、苦労しているんだなぁ……。姉御のせいで。
他人事とは思えないよ。
「今度、飲みに行きましょう。姉御の話を語りましょうよ。俺はお酒、飲んだ事ないから興味あるんです!」
「え? 良いんですか?」
「それに川鶴さんの状況、他人事とは思えないんです……」
「大神さん……」
余程、溜まりに溜まった物があるんだろう。
川鶴さんは潤んだ瞳を俺に向けてきて――。
「それは川鶴に
「さぁ、大神さん。お仕事の話をしましょう。お酒は自立してからです」
「川鶴さぁん!?」
そんな……。結局は金だと言うのか!?
いや、俺だって
「――ほら、貴様はさっさと白星を迎えに行け!」
「ワンッ!」
姉御に62億円も借金を肩代わりしてもらっている俺は――犬です。
その後、慣れない文明の利器をなんとか使いながら無事、『冥府行きのダンジョン』のギルドに白星を迎えに行く事が出来ました。
案の定、メッチャお怒りでしたよ……。
刀を
地上では秋だったのか、夜の街を歩く人の私服には半袖か薄めの服を着た長袖が多い。
心地良い夜風を切り裂き、街を観察し跳び回る。
なんとか寮を見つけて辿り着いた時にはもう、クタクタ。主に脳の疲労で。
というか――入口が夜なのにも関わらず人が監視しているぐらい、バチクソセキュリティが高かったんですけど……。
流石はアイドルを住まわせる寮って事なのかな?
1DKの間取りに家具が揃っている事に感謝しつつ、
―――――――――――
ここまで読んで下さり、誠にありがとうございます!
楽しかった、続きが気になる!
という方は☆☆☆やブクマをしていただけると嬉しいです!
ランキング影響&作者のモチベーションの一つになりますのでよろしくお願いします!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます