第61話 1995年と2024年
2024年が明けたが、今年はおめでたくない年明けになった。
昨日の元旦は能登半島で震度7(熊本地震と同じ)の地震が起き、津波と火災が発生した。
死者は今のところ47人。
すでに熊本地震の死者数を越えている。
今日は羽田空港の滑走路で旅客機と自衛隊の飛行機がぶつかる事故があった。
こちらの死者は5名。
こんな短期間に大災害が続くのは、自分の記憶で阪神淡路大震災とオウム真理教の地下鉄サリン事件が立て続けにあった1995年以来である。
あの年はドジャース入団一年目の野茂英雄と「がんばろう神戸」と袖に縫ったオリックスのイチローが、それぞれアメリカと日本で大活躍して邪気を祓ってくれた。
果たして2024年はどうなるだろう。
2011年に発生した東北大震災の悲劇から生まれたのが藤本タツキだ。
藤本は学生時代東北で被災し、道路の泥を撤去するボランティアに参加したがほとんどなんの役にも立たず自分の無力を痛感した、と短編集のあとがきに書いている。
短いがこれは名文で「このとき一人の若者が噛みしめた無力からチェンソーマンが生まれたのか」と老人の自分は勝手に感動した。
それに比べて阪神淡路大震災と地下鉄サリン事件からはなにも生まれなかった。
もっとはっきりいうと【われわれの世代がなにも生まなかった】。
三十年前きちんとつけなければならなかった落とし前をつけなかったために、今また厄災があらわれた。
そんな気がする。
なんだかオカルトっぽい話になってしまった。
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