第一章

第1話

「って、なんで連載終了になってるんですかぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


「あたりまえでしょうよ、貴女ね。言うな書くなってこと、やっちゃってんだから。関係者全員お怒りよ」


「特に、何がダメだったんですか?」


「年齢明かしたことが、まずアウトね。活動期間と制度は、もうすでに知られていることだから問題は無し。あとは、もう全部ダメ」


「うわぁぁん、息抜きに丁度いいと思ってたのにぃぃぃぃぃぃ」


「何が、息抜きだ。そんなことしなくても、貴女に時間は余るほどあるでしょう。自由を与えないとまでは、言ってないんですから。我慢してください」


 私の彼は、今日も酷いことを言う。あんなにも素敵な告白をしてくれたのは、嘘だったのか。


「貴女、どこの何に向かって記録しているんです?」


「どこへだって、いいじゃないですか。未来の私のような方に向かってじゃあいけませんか?」


「貴女みたいな人は、今後1000年生まれるかどうかですけどね」


 でも、こんな軽口を叩き合えるのは告白されなければありえなかったこと。正直なところ、君の罠にかかったフリをして良かった。あ、これすら君の罠だったりして。


「ねぇ、名前を呼んでもいいですか?」


「今はまだ仕事中です。あと少しで終わるんですから、待ってください。大聖女様」


「はぁい、大神官様」


 改めて、この記録は『なぜか聖力の尽きない聖女の私が、私を愛し続けた神官様と結ばれるまで』を語ったものです。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る