聖女辞めたいのに、『せいりょく』が全然尽きないのですが?
柊アメヤ
プロローグ~とある聖女様が語る神殿のヒミツ
第1回
聖女とは、神より力を与えられた女性のこと。また、その力を持って国を守る存在。
私も、そんな聖女の1人としてお役目を果たしております。
ところで、一般的に聖女の活動期間は五年から六年と言われています。
そう、五年から六年。仮に、10歳で適性有りとされたら大体15から16にはお役目は終了。そして、婚約したり恋したりと自由な生活が待っています。
どうして、五年から六年なのかって?
大抵それくらいで与えられた力、『聖力』を使いきると言われているからです。
実際ほとんどの聖女は、そうでした。私以外は。
えぇ、私を除いてです。
私は、今年で22になりました。8歳で、適性有りとされましたから。えぇと、そこから14年聖女を努めていることになりますね。
そうです。私の聖力はこの14年間尽きることがありませんでした。どころか、増えているような気もします。
あまりにも多いものですから、使いきるためにはどのような状況になるかを尋ねたことがあります。
推定ではありますが、数百年は持つであろう結界を張ったとして、ようやく半分だそうです。もし、国中いや大陸丸ごとが魔に覆われるようなことがあったならば、使いきれる可能性はあるそうです。
私も、16までは聖女のお役目を楽しむことができました。それだけ、神が私に果たしてほしいお役目があるのだと思っておりました。
私より年が上な聖女がいなくなった時、私の頭はこの気持ちで一杯になりました。
早く辞めたい
辞めたい辞めたい辞めたい辞めたい辞めたい辞めたい辞めたい辞めたい辞めたい辞めたい辞めたい辞めたい辞めたい辞めたい辞めたい
私は、聖女に関する書籍・伝承などひたすらに読み漁りました。
そうして、半年ほど前ようやく見つけました。
私が聖女を辞められる可能性を。
それは、処女ではなくなること。
つまりは、純潔を殿方に捧げるということでした。
この物語は、聖力が高すぎる聖女が聖力を使いきるまでのお話。
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