農薬使わなくてなんかできちゃいました!ウリ系女子は、バズれない

水鐘・哲華

第1話 帰省

高校1年生の7月の下旬。

真夏でセミが鳴いている時期。


「ガタン、ゴトン』


僕は、絶賛帰省中だ。名前は、 (かねの こてつ)

田んぼが広がる平原の中で古い電車に乗っている。

5年ぶりの帰省だ。

おばあちゃんの家に帰ったら、冷えたスイカが食べたいな...


『次はー終点終点、霜菜です。

 本日はご利用頂き誠に有難うございます、終点霜菜です。』


終点のアナウンスだ。


『まだ、この平原を見たかったな...帰る時にまた見るからいいか。』


ここまで長い間綺麗な景色を見れたから、降りるのが悲しい。

けど駅には、アイツらが待っているから楽しみだな...

そんな事考えている間にブレーキの音を響かせて急停止した。


『終点、終点、霜菜、霜菜です。本日はありがとうございます。』


『うん、着いたな...行くか!』


もうすぐ、アイツらにも会えるな...どんな顔なんだろう。

あったのは小学生ぶりで、みんな普段違う所の住んでるから

俺の事忘れてんじゃないのかな。

けど親友だ。大丈夫だ。


僕は、ハンマーの様に音を立てて階段を降りた。

すぐに改札を抜けた。

想像していたが彼はそこに、もういた。


『やっぱり…琥轍…お前も変わったんだな...』


『そうだな...お前も変わったよ…早見。』


彼の名前は、野画大 早見(のがだ はやみ)だ。

彼の祖父が、霜菜の芸術家でここの景色を描いている人で

早見も同様、夏だけ帰省している。


『久々だな…前会ったのは、5年前だな...前はこんなに小さかったのにな...』


『それ、親戚のおじさんが言う言葉だな。お前も大っきくなったよ。』


『ハハ…そうだな。わりいわりい、アイツらもそろそろくるからな。

 おーい。きたぞ〜!こてつが〜!』


奥の方から、懐かしい足音がする。このテンポの歩きは...


『お!来てましたか!性を越える親愛なる同志よ〜!ハグをしよう〜!』


ぬいぐるみの様に、『ギュッ…』と体に巻き付いた。


『やめろって///もう小学生じゃないからさ、こねも…中身は昔と変わらないな...まぁ懐かしいな昔はよくやったな..』


少し状況は大変だがコイツは、浜梨乃 小根(はまねの こね)

昔からハグが好きで、俺によくハグする奴だ。

こねもになった経緯は、俺が誰かと話している良いところで『こねも!』と急にハグをしてくるから、こねもになった。


『はい!おしまい!恥ずかしがってる姿久々に見たかったからよかった!

5年越しの栄養補給!』


『はいはい、ありがと帰省の疲れが取れたよ。』


『ヨシ、琥轍に小根も集まった事だし琥轍家の送迎しますか!』


『れっつご〜!こねも行くからねぇ〜!』


なんだか、夏の青春の風が吹いたみたいだ。


『ありがとう。』


この後僕ら三人は、道をある来ながら道草を食った。

道中の川で水を掛け合ったり、滝を見たり。

小さな公園で本気砂遊びをしたりした。

気づけばもう夕方だった。


『ふぅ、琥轍…楽しかったな...あっ!お前!』


『うん?どうした?何かあった?怪我なんかしてないけど。』


『そんことじゃあねぇ!お ま え の送迎!!送迎!!』


『あ”っ”!琥轍〜!家に行かなくちゃ!おばあちゃん心配だよ〜!』


『やっべ!そうじゃん急いで行かなきゃ!今日はありがとな〜』


僕は、猛ダッシュで坂を登って家に向かって走った。

坂を登っている間に、早見の声が大声でこちらに叫んでいる。


『お前、明日祭だからな〜!忘れんなよ〜!』


『わかったー!!ありがとうなー!』


僕も大きい声で返事をした。


その後、僕は猛ダッシュでメロスの様に走り家にたどり着いた。


『ガラガラ…』とドアを開けた。

僕は、玄関から叫んだ。


『”────は”あ”は”あ”ごんなばあちゃん、心配かけて...

 あと只今!』


奥の方から、前から見た目から変わらずゆっくり近づいてくる。


『あらー!帰ってきてたの!?ごめんなさい、てっきり明日と思ったわよ

さあさあ、入って入って。冷えたスイカあるわよ。』


『え!まじで!覚えてくれていたの!?俺がスイカ好きなの事!?』


『あったり前よ何回来たと思ってんの。すぐに持ってくるからね〜』


そう言うと、セカセカと台所に向かった。

その間僕は、玄関に靴を置き、茶の間に座った。

茶の間は、昔とは変わっておらず僕は畳で横になった。


『あー疲れた...変わってないな〜スイカまだかな〜』


そんな事をしているうちにおばあちゃんが来た。


『ほら、スイカよ今年は美味しいよー。じゃあごゆっくりーね』


僕は、体をエビの様に反って机にあるスイカを持った。


『やっぱり、スイカは夏だな。確かあそこで食べてたな。』


昔、茶の間によく座って、畑を見てた事を思い出した。

また歴史はくり返す様に僕は、畳に歴史を刻みながらゆっくり歩いて

日暮を聞きながら、座った。


『懐かしいな..昔ここで畑を見ながらスイカ食べるの,,,』


『ムシャムシャ…』とスイカを食べる。

この大地が与えた糖の雫が、こぼれ溢れる。


『やっべ、溢れた…にしても甘いな...』


腕に雫が滴る。少し、少しずつ重力に従って落ちてくる。

それ同時に日が姿を消し、少しの月影が出てきた。


『あーあ、最悪...日が消えちゃった...って!そんなことじゃない!

 腕洗わなきゃ!ばあちゃん!洗面台どこ〜!?』


近づいたカエルの様に部屋を駆ける。

けど、僕はまだ知らなかった。

この間に


『ふぅ〜...あのベタベタはなんとかなったな....』


今度は、綺麗な星を見るためにまた座った。


『綺麗だな〜星。夏はこれだな〜この夜空!』


夏のは、日照時間が長くなり

常に美しい日が、蒼い空をより目立てさせる

それ共ない夜の青く暗い世界が少なくなる。

だから、夜に見えるモノはいつもより美しくなる。

この星たちは、短い夏の夜に全力を出している。


『あ!流れ星だ!なんか願いが叶うかもな〜!

 うーん...じゃあ僕に!』


暗い夜に流れる星に雨乞いの如く願望した。


『まあ願いかなわないかもな〜...』


すると、畑から『カサ、カサ…』と音がした。


『えっ!俺のお願いを聞いてたのか!?ちょっと良くないんじゃあないのか!?いるなら返事しろよな…』


靴を履いて、畑に恐る恐るゆっくり音源に近づいてみた...


『ごめんねー誰かなー?勘違いかな〜?』


そして、音源にたどり着き『バサッ…!』と葉っぱをどけて下を見た。


『なんだ、何にもないじゃないか…もしかしたら妖怪だったかもな...

 怖ぇ...じゃあ戻るか...』


『水を頂戴...』と人の声と思われる音が聞こえた。


『え?誰かいるの!?』


もう一度、音源の草を『バサ…!』と退けた。

けど何もいなかった。


『なんだ、俺、疲れてるのか...はあ,,,またハグされた方がよかったのかもな...』


『下にいるから...水を頂戴...そうすれば』


僕は下に視点を向けた。

畑の下には、顔だけの赤い長髪の頭が喋っていた。

『バサ…!』と無言で倒れた。


『だ”、だれなんだ”!!!!!なんで”!!!!生首が”畑に居て”!!

 な”ん”で”喋”っ”て”ん”だ”よ”!!!』


初めて見た、こんな出来事。

生まれて初めて。

これが運命で、数奇で、人生の畑に新しい蕾ができたと知った。


『ちょっと、ねぇ...落ち着いて...水を持ってきて...そうしないと...

..................................................................................』


『”—————は”あ”は”あ”、なんだったんだ.....

 奴は、だ、大丈夫なのか...』


急に、話さなくなった。

『シーン…』と虫の音もない暗い世界になった。

僕は、息を整えて立ち上がった。

60%の好奇心と40%の恐怖の心で長髪の顔を見た。


『こ、この子女の子じゃないか!!それに気絶している…

 う、うん?髪の毛の色がスイカみたいだ…!』


女の子の髪は、髪先が緑で毛根から髪先までは紅色だった...


『あ!そんな事を言ってらんないぞ!さっきこの子は、

水が欲しい...と言ってきたが...もしかして脱水症状!?』


おそらく彼女の病気は脱水症状と言う病気だ。

これには、ある。

恐らく彼女は、体の5%の水分が既にない状態だ。

一刻も早くしなければ死に至る可能性もある。


『よし、すぐに持ってくるから。そこで待っててね。』


兎を狩る狼の様にホースにめがけて走る。

この暗い夜にいる今にも消えそうな心の光に希望を与えたい。

消えちゃえそうな少しの光はもう二度と見る事できないと思った。


『あった!これがホースだな!重そうだけど...命”が”掛”かってるんだ!』


自分に喝を入れ、彼女のところまでホースを持っていく。


『は”あ”ぁ”!!お、重い…けどあの子が待ってるんだ!!』


『ザザ…ザザ…』と暗い世界にホースと言う命の紐を引っ張る。

姫の様に、百合の様に美しい女の子のために。


『やった!!これで!!行ける!!大丈夫だからな!!』


彼女の周りに、水を撒き、自分の手を器にして水を入れた。


『大丈夫か!?起きれる?ダメだ...返事がない...』


彼女はすんなりと動いてはくれない。

女の子は姫の様に寝ている。


『駄目じゃない!!昔、学校の女の子の熱中症の時ずっと

 目覚めなかったけど、30分ぐらいで目覚めたんだ!!

 だから僕は、ここで待つ!!起きるまで!!』


しかし、何分経っても起きてこなかった。


『駄目だ、もう疲れた…絶対にまだ生きてるはずだ...

けどもう........』


その瞬間に起きた!!


『う...う、ん?水をありがとうね...もう起きれるよ。』


『えっ。』


眠る姫が起きた!喋りながら!なにも起きなかった様に!


『ちょっと待ってね...今起きるから...よいしょ!』


元気に、彼女は『ボク、ボク…!』と土からでた。


『よ”か”っ”た”〜!!ほっんとうによかった!元気そうで!

 詳しい事は後ででいんだけど...僕の名前は

 金乃 琥轍って言うだけどよろしくね。

 ごめん//ちょっと泣きそう...生きててくれてよかった...』


高校生になっても、僕は泣いてしまった。


『ちょ!な、泣かないで!なんかこっちも泣きそうじゃないの...

 けど、ずっと待っててくれてありがとう。』


お互い泣きそうになっている。

暗い世界の中で、奇跡の雫が溢れる。

けれど、その雫はとても綺麗で温まる物であった。

人間として、正義で、人道の根源の雫でもあった。


『”——うん、大丈夫、待っててくれて、本当にありがとう。』


『いいんだ...ってか服なんかすごいね、スイカの皮みたいだね。』


彼女の周りには、ドレスの様にスイカの皮が体守っている。


『これ私も分からないの...なんかかってにって言う感じ?』


『そうなんだ...それはすごいね。綺麗じゃないか!じゃ

あ.................................................』


自分の何かが切れてしまった。


『琥轍!大丈夫!?ねぇ!ねぇってば!!!こt.....』


彼女の声がだんだん小さくなる。

まるで海底の深海にいる様な感じだ......























 













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