第8話 素材加工と精霊達
前書き失礼します…
2023/11/07 この話の文章があちこちおかしかったので修正しました
内容は変えてないので特に読み返す必要はありませんが念の為にご報告させていただきます
にしても何度も確認して読み返してから投稿してるはずなのになんでこういう修正箇所って無くならないんだろう…
そう愚痴りたくなるほど修正箇所だらけでした。
あの時の私は何をやっていたんでしょうね?
先を読んでいてわけわからない文に出くわしたら、コメント欄などで教えてくれたら嬉しいです!
^─^─^─^─^─^─^─^─^─^─^─^─^─^─^─^─
タリアの街から街道沿いに北西へと少し進んだ地点からセレーナの提案によって街道を
「今日は少し早いですが開けてますしここまでにしましょうか」
そう言って先頭を歩いて道なき道を案内をしていたアントンが立ち止まった。
「いつもよりだいぶ早いがこの先か?」
「そうです、このまま進むとセレーナご希望の所に着くのが夜になりそうですので」
アントンは旅に慣れていないオレオルのため初日である今日は早めに休む事にしたのだ。
「じゃあもうそんなに遠くないのね」
そんな事を話しながら荷物を下ろしてテントをはったり、火をおこしたり、魔避けの魔道具を起動したりしていた。
それを見たオレオルも自分のテントをはる。
「夕飯作るって時間でもねえし暇だな」
「近くに狩りにでも行く? 」
「さんせーい! 」
アレクさん達がそう言っているのを聞いてオレオルは行き道で採取した物の中から足の早いものを取り出す。
「あの、すみません…これやっちゃいたいんですがいいですか? 」
普通なら街に着くまで待つところなんだろうけど、じいちゃんの素材屋という自分専用の工房を無くした今、場所を選んでいたらいつ加工できるかわからない。
それでも普段の俺ならこんな所ではせずに場所を選ぶ所なんだけど、今日はなぜか帝国では図鑑でしか見ない様な珍しい物がたくさん取れた。
だから扱うのが楽しみで楽しみで待ちきれそうにない。俺はやらずに我慢してソワソワし、そのせいでしない怪我をするくらいなら、1人じゃない今の内にやってしまおうと思ったのだ。
「何するかはわからんが別にいいぞ」
「それはさっき取ってたやつね」
「プリカの実とココの木の蜂蜜に…その花は知りませんがどれもダメになるのが早いので採取が難しいと言われていますね」
「ナナリアの花です」
これもいちど取ってしまうとすぐに萎れていくので採ったら早く加工してしまわないといけないやつだ。
「へぇー詳しいですね…そういえば元々素材屋だったって言ってましたっけ」
感心したように弓が得意と話していたアントンさんが採取品を覗き込んできた。
「はい、じいちゃんのお店を手伝ってたので」
数年前はじいちゃんが加工する事もあったが、病気で伏せってからは俺が全て担当していた。
「見ててもいいですか? 」
「はい、大丈夫です」
簡単に加工の終わる素材の依頼だった時はお客さんに見られながら作業することも多く、見られながらすることには慣れていたオレオルは二つ返事で了承した。
リュックの中から素材加工用道具一式が入っている袋型マジックバックを取り出すとその中から組み立て式のテーブルを取り出す。
それを慣れた手つきであっという間に組み立てると簡易作業用の小さなテーブルに効果上昇の魔導陣が刺繍されているテーブルクロスをかけた。
最後にその小さなテーブルの横に組み立てたスタンドを並べ、スタンドの上に網を置く。
これで作業の準備は完了。
まずはナナリアからやっていこう。
ナナリアの花びらを直接手で触れないように手に魔力を纏わせる。
そして、1枚1枚丁寧にがくから切り離し水で軽く洗ってからそっと網の上に並べた。
全ての花びらを網の上に並べ終わった後、網の上の花びらにガラス製の器具を被せた。
「風精さん、火精さん、水精さん、みんなで仲良くしっとりからからに乾燥お願いします」
オレオルがそう言って小指の爪くらいの大きさの木片に火をつけて花びらを並べている網の真下に置くと、 花びらを乾燥させている器具の上から煙が漏れないようにカバーをかけた。
こうすると燻煙で精霊達が喜ぶのだ。
煙くないのかなって毎回不思議だけど今燃やしてる木の【鑑定】で書いてあったしなぁ…毎回やってるけどなにかあるんだろうか。
あ、精霊って実体がないから煙くなったりはしないのかな…?
「しっとりなのにからから? 」
俺がどうでもいい事を考えているとアントンさんの戸惑ったようなつぶやきがきこえた。
「最初失敗しまくってた時にそうお願いしたら上手くいったので、それ以降ずっとそうお願いしてます」
実はこの声掛けになるまでにかなりの回数試行錯誤を繰り返し普通の人以上に失敗をした。
最初は習った通り火精と風精だけを呼び、水精を呼ばずしっとりとも言わなかったら花びらが灰になった。
その後精霊に渡す魔力量が多すぎるからなのではとじいちゃん達と予想して、どうにか成功できないものかと魔力封じの腕輪をつけてやってみたりもしたが、今度は花びらが爆発してやっぱり灰になった。
しょうがないから火精の力を弱めるために土精をよんで花びらが燃えないように守ってもらおうとしたら、花びらが熱でドロドロに解けてマグマのようになった。
ここで土属性はダメだということになり、代わりに水精を呼んで火を直接弱めようという事になった。そこからも失敗の連続だった。
水の力が強すぎてなぜか甘いジュースが出来上がったり、乾燥できてはいたけど湿気てしなしなになってたり。
そして最終的に(燃えないように)しっとりで(湿気ないように)からからで、『みんな仲良く』とお願いするようになったのだ。
「じいちゃんにもドロシーばあちゃんにもびっくりされて失敗2回目以降からは『意味わからん』って言われて笑われたりもしたんですけど、俺にはこれが1番上手くいく方法なんです」
ちなみに俺以外だとこの方法じゃ上手くいかないらしい。
ドロシーばあちゃんが試したけどナナリアの花びらの香りが少し移った温水で床が水浸しになっただけだった。
「ドロシーばあちゃん…? 」
「ドロシーばあちゃんは俺に薬師についてのいろんな知識を教えてくれた薬師の師匠です」
「ドロシー…あーなるほど…」
カバーのかかった花びらを放置にし、花びら以外の部分は急がないのでバックの中にしまう。
そして次は、新しく小鍋を道具袋から取り出し、採取したばかりのココの木の蜂蜜をその中に入れる。
鍋用の手づくりスタンドをカバーの中で乾燥中の花びらから少し離した場所に広げて置き、その上に蜜の入った小鍋を置いた。
そして、その鍋の真下に火の魔石を置き、火魔法で着火して弱火にかける。
くつくつと音がし始めたタイミングで香木製のヘラを取り出すとオレオルは中をゆっくりと混ぜ始めた。
ココの木の蜂蜜は何故か時間が経つと香りが飛び、色も悪くなる。
なので悪くなる前に加熱加工してしまうといいと習った。蜂蜜なのに加熱するのがいいとか不思議だなと初めて習った時は思ったものだ。
なんか魔力が作用してあれこれなってるらしいが細かい理由は覚えていない。
人の記憶力なんてそんなもんだ。
全部覚えてて説明できるドロシーばあちゃんがおかしいだけ。
ドロシーばあちゃんには修行中何度も鳥頭だとバカにされたけど俺悪くない!
「混ぜるんですか? 」
「はい、最初だけ」
この木は大体の甘いものと相性がいいので甘いものを加工する時は料理などでもよく使っているのでかなり年季の入った見た目をしていた。
「この木のヘラ、古代魔香木でできてるので甘いものとか木や花の蜜なんかと相性がいいんです」
「古代魔香木!? 古代魔香木でヘラを作ったんですか!? 」
「? はい」
なんかびっくりされたけどじいちゃんから貰ったバックの中に何百本も入ってるし、苗もなぜかたくさん入ってたから俺からしたら貴重なものでもなんでもない。
「いい匂いがついて美味しい蜜になるんですよ」
「な、なんてもったいない…」
「このヘラを作ったのと同じ木ならまだいっぱいあるから大丈夫ですよ?」
「いっぱいあるんですか…どうして…いや…仮にたくさんあったとして蜜と相性がいいなんてどうやって知ったんです…? 」
「鑑定でそうしたらいいってあったので…」
普段役に立つことをほとんど言わない俺の鑑定がそういうという事は余程相性がいいんだろうと思ったので最初に使った。
そしたら効果が跳ね上がったのでそれ以降、愛用しているのだ。
「鑑定で…? 」
「はい、俺の鑑定スキルってヒルダ婆ちゃんもはじかれて視れないくらい珍しいスキルみたいでよくわかってないんですけど、よく不思議な事が書いてあるんです」
ほとんどは不思議すぎて理解出来てないから役に立てられないんだけどな。
うん、混ぜるのはもういいかな。
匂いってつきすぎてもよくないんだよね。
オレオルは戸惑うアントンをよそに作業をすすめていた。
おそらく値段が付けられないだろうそのヘラを慣れた様子で小鍋から離すと、そのヘラに魔力を流しながら精霊に声をかけた。
「ヘラに残ってる蜂蜜全部あげるからこのヘラ綺麗にしてくれる子大募集! 」
そう言ってすぐにヘラを真上にぶん投げた。
「は!? 何してるんです!? 」
売れば城が建つかもしれない貴重なヘラを雑な動作でぶん投げたオレオルの行動にアントンが思わず叫んだ。
「大丈夫ですよほら! 」
「え、は? ヘラが…宙でクルクル、回ってる…というかすごい数の精霊…」
アントンにはものすごくたくさんの精霊達が我先にとヘラに近寄ろうとしている光景が見えていた。
「ね? 大丈夫だったでしょう? ヘラをすぐ上に投げないとヘラについてる蜂蜜が欲しい精霊達に吹っ飛ばされるんですよ〜」
あの時は痛かったし、めちゃくちゃびっくりした。あとから謝ってくれたけどね。
「……」
呑気そうにそう話すオレオルを見てアントンはどこから突っ込めばいいのかわからなくなり思わず黙り込む。
そしてそんな黙り込んだアントンを見て納得したのだと勘違いしたオレオルは弱火でくつくつと煮詰められている鍋の中に処理済みでストックしていた色とりどりの小さな花びら達を入れた。
蜂蜜もこれでしばらく放置っと!
あとはプリカの実だけだ!
^─^─^─^─^─^─^─^─^─^─^─^─^─^─^─^─
お読み下さりありがとうございます!
2023/11/06
オレオルがこんな場所で加工を始めた理由を過筆する形で改稿しました。
2023/11/07
過筆修正部分の言い回しなどに少し修正を加えました。
最後に↓の♡をポチッと押してくださると私のやる気とモチベが爆上がりするのでぜひ♡を押して行ってくださいお願いします
ランキングに関係あるのはフォローと[☆☆☆]とレビューらしいので、少しでも面白いと思っていただけましたら、どうかよろしくお願いいたします!!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます