陸奥国会津七不思議

碧美安紗奈

プロローグ

陸奥会津七不思議

 よく来らったなし会津若松駅へ、とでも言おうか。せっかく訪れてくれたあなたに、この街へ伝わる面白い話を教えよう。

 わたしが誰か? まあ気にせずまずは聞いてくれ。


 徳川家康の側近として知られ、東京繁栄に寄与する結界を江戸に張ったとされる南光坊天海なんこうぼうてんかいを知っているか。彼は、陸奥国会津りくおうこくあいづ出身という。


 天海は江戸のそれを構築する以前、試験を兼ねて故郷会津でも結界を張っていたそうだ。


 東京と同様、中央の拠点を囲み五角形を描く形で五つの聖域を築き五芒星ごぼうせいを構成する手法だった。


 ところが、戊辰戦争及び太平洋戦争によって試みは破壊され、五芒星とこの中心からなる六つの封印で守護神に変えられていた災禍は、新たに六つの災いをもたらす怪異として会津に解き放たれてしまった。


 これを陸奥会津七不思議という。

 七つの怪異は以下の通りである。

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