第2話 賢者の屋敷へ

朝目が覚めてから夢で見たことを思い出していた。あれは現実だったのか、それとも今の暗い雰囲気にやられて見せたただの夢なのかぼぉっとした頭で考えていた。そんな時にふと、さまざまな分野の知識を持っていると噂の賢者の事を思い出した。

 「賢者様なら夢の話について何か知っているかも知れませんね」

 エリーズは自身が夢で見たことを聞くため、賢者マルクスのいる街へ行くことにした。街には馬車で半日ほどで行ける所である。街へはよく買い物に出かけているので慣れたものだ。さっそく賢者への手紙を送り、数日後に返信が来て会えることになった。

 当日、馬車で移動すること数時間、村の暗い雰囲気とはうって変わって活気にあふれた雰囲気が街を覆っている。賢者のいる屋敷が見える所に宿をとり賢者のいる屋敷に向かった。賢者の屋敷は、ほかの貴族の屋敷よりもひと際大きな屋敷がそうである。屋敷の前に着くとその大きさに圧倒されるほどだ。エリーズは勇気を振り絞りチャイムを鳴らした。すると低音で深みのある声が答えた。

 「君が来るのをずっと待っていた。扉の前まで来なさい。」

 エリーズは不思議に思ったが門をくぐり玄関の扉の前に着いた。すると一人の男性が挨拶をしてきた。

 「お初にお目にかかります、聖女様」

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