第1章 呪いの愛情

第1話 私の家族

私にはとても厳しい両親がいる。厳しくて愛しい家族。

少しでも、マナーが悪いと鞭で叩かれる。それが愛情。

3日に1回食事がでる。私が太らないように。

少しでも、スープがこぼれたら。

愛の鞭で叩かれる。

お風呂もまともに入れない。いい子じゃないから。

使用人にも馬鹿にされる。使用人ごときが。貴族の私を馬鹿にして。許さない。

でも、きっと家族は私のこと愛してくれてるはず。

だって、私はノルターク家の次女だもの。

そう信じて私は毎日笑って過ごしている。

私は誰よりも愛想笑いが得意だから。

家族の愛に包まれてるから。

どんなにあざだらけでも、これは愛情表現。

社交界で華のお母さま。

宰相のお父様。

自慢の両親。

私のお姉さまだって、次期王妃候補にあがってる。

お兄様は、騎士団の副団長。

妹は、天才ピアノニスト。

弟は、天才画家。

みんな、私の大切な大事な家族。

自慢の家族。

誰にも渡さない。

私だけの家族。

こんなだめな私にも見捨てずに教育をしてくれる。家族でいてくれる。

だから、もっといい子になって。

もっと、賢くなって。

天才になって。

そうすれば、きっと。もっと愛してくれる。

だから、頑張ればいい。

私がもっと頑張れば。

きっと褒めてくれる。

私の家族。

私だけの家族。

絶対に私だけの。

私の家族。

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