blゲームの悪役令息に転生したので全員○す
ペボ山
第1話 つながったよる
パチパチと、何かが弾けるような音と、壊れたような笑い声。木と肉が燃えるような匂いもする。
それでいて、皮膚が焼けるように熱い。手も、足も、指先から燃え爛れて、生きながら火葬されているみたいだと思った。
あまりにも熱くて、臭くて、うるさいので目が覚める。
炎の中にいた。
そこら中に火柱が立ち上って、火の粉が飛び回っていた。
足元には死体が転がっていた。
男が3人、女が1人。顔を寄せずとも、死んでいると分かるような有様だった。
僕の服は血と煤で汚れていて、手も、握りしめていたナイフも真っ赤だったので、ああ、僕が殺したのだと分かった。
視線を右に。
ひび割れた鏡に、満月が映っていた。ついでに、仰け反り、涙を流しながら笑う僕が映っていた。
「───────っ、」
僕はただただ笑っていた。火傷した喉で、呼吸すら碌にできないまま、壊れたみたいに。
気付いても、うるさい笑い声はずっと止まらない。
達成感か充足感か、虚しさか。なぜ自分が笑っているのかもよく分からないまま、轟々と燃え盛る火に全身を呑まれた。
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