第16話 暴走する女を徹底的に追い込む その1

 私は青山に水をかけられ、更には蹴り飛ばされる。


「あんたにはこれがお似合いよ。またトイレが汚れちゃって。清掃し直しね。っまそんなでかい体なら問題ないでしょうね。アハハハハ」


 私をごみのように見下す態度。これは救いようがないということだ。


 監視カメラではその証拠はバッチり抑えてあり、青葉はその証拠映像となるものをオーナーに見せた。


 また、他の監視カメラを見てもその時間には青山しか通っていないことからも青山が犯人であることが証明された。


 しかし、これだけでは彼女を陥れるには無理。そこで私は情報屋の岸本さんに青山の情報で弱点がないかを探る。


「岸本さん、はじめまして」


「あら? あなたは確か……」


「青葉の妻、水火です。あの時は情報をありがとうございました」


「お礼は別に構わないわよ。それで、今日私のところに来たってことは情報が欲しいんでしょ?」


「はい、お金ならいくらでも出します。ですから情報をお願いします」


「お題なら赤沢グループから1ヶ月ごとに契約金として受け取っているから問題ない。それで聞きたいことは?」


「聞きたいことですかですね実は……」


 私は青山の弱みがないかを岸本さんに聞いた。すると驚きの情報を岸本さんはいくつも持っていた。


「あの宴会ホテルで働く青山さんね。そいつは奧さんが思っている以上に悪いよ」


「どういうことです?」


「彼女は赤沢会長の祖父の弟の孫だと聞いている。だから赤沢家の親族だと思い込んでいるみたいだよ」


「じゃあ何で青山という性別なんですか?」


「青山は父親の姓で青山さんは赤沢会長の祖父の弟の娘の子だそう」


「紛らわしい……そういうことになると、青葉君にとっては?」


「青葉様のひいお爺様の弟の孫で、もはや赤の他人と言っていいわ」


「そうなんですね……」


 ここまでは、青山がどんな人物なのかの話でここからが本題。


 私は青山が企んでいることを聞いた。


「どうやら彼女は過去に金持ちと付き合っていたらしいが、自らの金の散財や不倫などといった事が原因で離婚。その時に夫から多額の慰謝料を請求されたそう」


「それで両親は青山を追い出したってことですか?」


「いいや、両親もクズだったらしく、その慰謝料は浮気相手が支払ってくれたようで彼女は痛くもかゆくもなかったらしい。しかもその両親が青山の前夫をおとしいれるためにあらぬ噂なんかを流して会社を退職まで追い込んだとか」


 このような話を聞いた私は、胸糞悪い気分だ。

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