転生したら神絵師でした〈書き直し中〉

甘栗ののね

プロローグ

 この日記を読んでいるということはあなたも『日本人』だと思います。


 いえ、よく考えたら日本人じゃなくても日本語は読めますよね。まあ、あなたがどんな人なのかは確認しようがないのですが。

 

 どうやって来たのかはボクにはわかりません。転移でしょうか、転生でしょうか?


 それとも知り合いに異世界人か異世界転生者がいるのでしょうか?


 ボクは『菱木健太』と言います。転生してこの世界にやってきました。


 転生前、と言ったほうが正確ですね。今のボクは、この日記を書いているボクはもう菱木健太ではありません。


 『エインフェルト・ランベルト』。これがボクの名前です。


 ル・ルシール王国の第三王子に転生しました。と言っても途中からですけど。


 ボクが転生した先は5歳の男の子でした。

 

 詳しいことは日記の中に書いてあります。


 ……なんだか、他人に日記を読まれるというのは恥ずかしいですね。


 でも、これを読んでいるあなたの助けになるのなら、我慢できます。


 そう、あなた。


 この日記が読めるあなたは、きっとこれからいろいろと大変な苦労をされると思います。もしかしたら、もうたくさん苦労しているかもしれません。


 これはボクの日記です。ボクがこの世界に転生してから日記を書けなくなるまでのボクの人生が記されています。


 役に立つ、かはわかりません。でも、少しだけでもこちらの世界のことを知ることができたら、うれしい。そう考えてこの文を書いています。


 こちらの世界はボクが生きてきた世界とは違います。良いことも悪いこともたくさんありました。


 あなたもそうかもしれません。良いことも悪いことも、あったと思います。


 そんなあなたの生活が、これからの人生が少しでも楽しくなるように、この日記が少しでもあなたのお役に立てたらのなら幸いです。

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