第4話 怪談蒐集 第一高校新聞部 その9 第二玄関
第一高校はマンモス高校でもあるため、生徒を分散させるためにも第二玄関がある。
それでも朝の登校の時刻には第二玄関も生徒でいっぱいになる。
そんな喧噪も終わって授業が始まるとこの第二玄関には陽が当たらないために影が淀んでくる。
そんな影の一つが伸びていた。
『誰も居ないところで伸びる影ねぇ。
この時期はいつもホラー特集だから微妙なのしか残ってないわね。
締め切りも近いし、今回はそれで行きましょう。
そしてどうなるの?」
影は先生の用事で忘れた道具を取りに来た女生徒の影にそっと入り込んだ。
その女生徒は影に引きづられるように教室ではなく、保健室に向かう。
影はそこで女生徒から離れると彼女は何もなかったように元の用事に戻っていった。
影は待ち続ける。再び影を連れて行ってくれる人を。
「それだけ?その影はなんなのよ」
部長は知らなかったらしい。僕たちがその影からできていることを。
影はまた一つ入ってきた。
「あ、先生。何か用ですか」
新聞部顧問の大門先生は掛け持ちだが、こまめに私たちの活動も見てくれている。
彼は私たち影を管理しているつもりでいるが、彼も彼自身のことを知らないでいる。
部室は影で覆われた。
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