寂寞
鈴乱
第1話
あぁ、そういや、忘れてたな。
人は大事な者のためには何にだってなれるんだ。
僕は――、裏切り者だ。
大事な人の手を肝心な時に離した。
―――
そう。
人は、大事な者のためには何にだってなれる。
それは、「人」に生まれた僕だって同じ。
僕は、この先で、君を救わなきゃいけないから。
今は、君の手を離すのが最善だと、判断したんだ。
そして、僕は
誰からも信用されない、そんな
それが、君の苦しみを周囲に分かってもらうには、一番いい方法だろう?
僕が
変な同情なんてしないでくれよ?
僕は
本当の
僕の裏切りで分かったんじゃないかな。
周囲の人は、きっと君に味方する。
僕が騒げば騒ぐほど、「こんな奴と一緒だったから、あの子はこうなった」。
そう言ってくれるさ。君の味方になってくれる。
君の、積み重ねてきた行動が正しかったなら、人は君の味方につく。
君が、人に真摯に向き合って、受け入れて、愛してきたのなら。
いいかい、
そしたら、君まで
僕はそんな君は見たくない。
見たくないんだよ。
君は
……そうでなきゃ、
寂寞 鈴乱 @sorazome
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