お星さまシスターズ
「ちょ、ちょっと離してって!」
「いいじゃないか。一緒に風呂も入った仲だ」
「いつの話!?」
「ども~! 失礼します!」
「ます!」
「お星さまが朝焼けの笑顔を盗みに来ました!」
「ました!」
そして、大仰な立ち振る舞いとポーズで以てして、美空姉妹が登場した。
「って、頼斗?」
「あ! らい兄も来てたんだね! もう元気? 大丈夫?」
「おう、俺は大丈夫……で、お前たちはどうしたんだ?」
正直いきなりの登場過ぎて理解が追い付いていないのだが、二人も
「もちろん、
「うん!
元気な笑顔を浮かべながら、星空にも負けないくらいに目を輝かせながら言ってくる姉妹に、俺まで元気づけられた気分になる。まあ、声のボリュームもう少し落としては欲しいが。
「でもね! 頼斗と楽しそうにじゃれ合ってるし!」
「じゃれ!?」
「くっついて仲良しだし!」
「くっつ!?」
「なんか髪切ってるしで私はとっても混乱してるの!」
「あんまりそうは見えないんだけど!?」
結局声のボリュームを落とすことなく言い終えた
「ちょっと頼斗。新しい彼女さん作ったばっかりなのに弱った
「人聞きの悪い……」
「
「ちょ、ちょっと
「もう怒ってるくせに!」
「誰のせいだと思ってるの!?」
二人の口喧嘩はいつものことなので放っておこうと眺めていると、いつの間にか
「
「ありがとな。まあ、元々俺と
「そっかぁ、本当に良かった。
「本当か? この二人が?」
「「ねえ、らい君(頼斗)は私たちのことを何だと思ってるの!?」」
「……息ピッタリだなって思ってるよ」
大きな声で叫ばないで欲しい。病み上がりの身には辛い。
「……まあ、その。一応、言っとくね」
ようやくボリュームを落としてくれたと思ったら、
「みんな、心配かけてごめん。あと、ありがと。おかげで元気出た」
僅かに頬を染めながらそっぽを向く
「何よもぉ! きな臭いわね!」
「おい
「あははははっ! おね、お姉ちゃんきなく、きな臭いって、そ、そりゃないよ! あはははははははははっ!」
「ちょ、ちょっと間違えただけでしょ!? 笑わないでよ!」
「
「ちょっと
爆笑だった。
「はぁ……静かにしてくれ、頭に響く」
「ちょ、ちょっと何よ! 頼斗のせいで笑われてるんだよ!?」
「なんで俺!? 濡れ衣を着せるなよ!」
「そうだよお姉ちゃん、らい兄何も悪くないじゃん!」
「まあ、いっつも二人のコンビコントだからね。ふふっ」
「「お前(
「ええっ!?」
ああクソ、昔の調子で一緒になって叫んでしまった。酸欠気味で息が詰まるし、正直頭痛い。だけど、だけど――
「お前ら騒がしいんだよ! 静かにしろ!」
「「「頼斗(らい兄)(らい君)もでしょうが!」」」
「ぷっ、あはっ、あははっ!」
「もう、頼斗ってば! ふふっ!」
「らい兄おかしい! あはははっ!」
「みんな、何も変わってないじゃん!」
――この時間がどうしようもなく、面白いんだ、楽しんだ。だから頭痛いのなんてどうでもいい。こんなに笑ったのは、久しぶりだから。
ああ、俺笑えてる、笑えてるよ
『らい君、新しい彼女さん作って、幸せになってね。ずっとずっと、笑っててね。私にとって、らい君と一緒に過ごしたのと同じくらいの幸せな時間を送って。それが私とらい君の、約束だよ』
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