第2話 ギルは敵?味方?

美少年ギルは、当たり前のように僕の隣りに座った。「バル、久しぶり。元気だった?どう地球での生活?」「えっ。」僕にとっては、ギルは、正直初めましてだ。しかし、この馴れ馴れしい話し方は?本当に僕の幼なじみなのか?勘違いしてしまいそうだ。しかし、もしかして?いやちがう。幼なじみは、ハルトとワカだ。じゃ、横のギルは?注意しなければ。『バル、相変わらず、用心深い嫌な性格だな。』

突然脳内にギルの声』『脳内に声?ギル何をした。勝手に脳内に入るな。』『バル、何を言っているんだ?僕らの星ケルでは、当たり前だろう。』『ちょっと待ったバル、本気で何も覚えていないのか。嘘だろう。僕は、バルがこの地球に、地球人になりきって演じていると思っていたよ。』僕は脳内の全エネルギーを使って僕自身の記憶を探った。脳内中心部にモヤがかかった記憶の扉を見つけた。『バル、それだ。そこの記憶だ。』ギルの意識が僕の脳内に入り込む。『ダメだバル。何かの力で塞がれている。』僕は現状を整った。僕は今脳内会話で普通に隣りのギルと話している。現実だ。『ギル、脳内会話は、はじめてだ。口で会話するより楽だな。』『そうさ、これが普通だ。バル、君も星にいた時は普通に話していたことさ。それに悪口は言いたくないが、残念ながらこの地球人は、他のどの惑星の星よりも科学力も遅れている。生物も人間そのもの機能も全く進化していない。何億年前とあまり変わらない。逆になぜ進化出来なかったのほうが不思議なくらいだ。』『ギル、教えてくれるのは、もちろんありがたいが、正直まだ、君のことを全部信じきっていない。僕らの星?』銀色の髪をかき上げ『いいさ。記憶がなくてもバルは、バルだ。』「大丈夫だ!」僕を心配して反射的にギルは、声を出してしまったようだ。先生が「テスト中だ。ギル君、静かに。」「はい。」『しまった。つい声を出してしまった。』僕はちょっと笑ってしまった。ギルは案外いい奴かもしれない。ペンの音が教室に響く。答案用紙にみんな答えを書き込んでいる。僕は脳内の通信回線を切断した。残りのテスト時間を取り戻すべき、解答用紙にペンを走らせた。チャイムがなる。先生が「終了だ。後ろからテスト集めるように。」「はーい。」みんなが答える。ガヤガヤとクラス生徒みんなの声。“ズッキン”物凄い殺気と電磁波が僕の脳内全身に走る。身体が動かない。“なんだ。これは”横目でギルを見る。ギルは真っ青だ。脳内に声が。

「バル、今着いたよ。」僕はギル越しに窓の外を見た。人が浮いている。ここは、2階だ。











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