第4話 耳を掻かれるよろこび

//SE:真後ろで耳かき掃除の為の支度を終える

//ボイス位置:真後ろ

【大家さん】

「……ん、これで道具の準備は整ったわ」


【大家さん】

「今からごろーんと声をかけるから、

 かけ声に合わせて、私のひざの上に頭を載せなさい」


【大家さん】

「はい、せーの」


//ボイス位置:真後ろ⇒正面

【大家さん】

「ごろーん」


//演技:ささやき

【大家さん】

「よろしい。なら、右耳が上に向くよう寝返りを打ちなさい。

 かけ声はごろーんよ。せーの――」


//SE:衣擦れ(主人公が正面から右耳元へ寝返りを打つので)

//ボイス位置:正面⇒右

【大家さん】

「ごろーん」


【大家さん】

「いいわね。そしたら、まずは耳穴の中を観察。

 しっかり見るためにも、耳を引っ張って!」


【大家さん】

「あらあらあら♪ 

 誰の許しを得てのたうちまわっているのかしら?

 それともこのまま耳かき棒で鼓膜破りたいの?」


【大家さん】

「もしくは引きちぎられるほど見て欲しいアピール?

 ならお望み通り、もっと引っ張ってあげてもいいけど……」


【大家さん】

「あはは♪ もう罪なワンちゃん。

 私をゾクゾクさせるような声、これ以上出さないでよ」


【大家さん】

「まったく、痛みに弱過ぎね、このクソ雑魚ワンちゃんは。

 引っ張ったのはきちんと取るためよ。だから少し我慢なさい。

 それとも……」


【大家さん】

「……ん、やればできるじゃない。さて……耳穴の中は……」


//演技:サディスティックに笑いながら、やる気になる

【大家さん】

「……ふむ……ふむ……ふむ……ふむ……ふーん。

 結構やりがいがある耳じゃないの、くふふ♪」


【大家さん】

「さてここは王道の入り口から攻めていこうかしらね」


//演技:耳元まで接近してささやき

【大家さん】

「さあ、私に耳も『しつけ』られなさい」


//SE:用意していた耳かき棒を手に取る

//SE:耳穴の中へ耳かき棒を入れて、耳かきを行う

//演技:様子をさぐるように耳かきを行う

【大家さん】

「さっそく……無駄に成長した耳垢見つけた……。

 というか、少し強めにかいてるけど……あまり痛くなさそうね」


【大家さん】

「……いや、あっても、これだけ溜めるから、

 痛みを感じているか怪しいけど……あ、また発見♪」


//演技:うれしそうに耳垢を取る

【大家さん】

「…………」


//演技:取り応えのある垢を見て少しうれしそう

【大家さん】

「へぇ~……耳奥もなかなか取り応えのある

 汚れが……潜んでいるじゃないの……」


//演技:耳垢を楽しそうに取る

【大家さん】

「…………」


//演技:疑問の口調で声をかけつつも、丁寧に耳かき

【大家さん】

「それにしても……職場の電話応対とかどうしていたの?

 ここまで溜めてたら……聞こえないわよね……」


//演技:集中して耳かきを行う

【大家さん】

「…………」


//SE:耳かきを止める


【大家さん】

「……はい、取れた。これならだいぶ聞こえもいいんじゃないかしら。

 そしたら、耳かき棒を耳穴から抜いて、取った垢を掃除するわよ」


//SE:耳穴から耳かき棒を引き抜く

【大家さん】

「はぁ~外に出したら、これまた気持ち悪いわね。

 こういういらないものは、さっさと拭き取るのに限るわね」


//SE:用意したタオルで耳垢を拭く

//演技:耳かき棒についた垢を丁寧にふく

【大家さん】

「…………」


//SE:タオルで垢を拭きとり終える

//演技:耳かき棒を丁寧にふき終える


【大家さん】

「よし、これだけ取れたら、その耳でも

 私の注意も聞きやすくなったんじゃない?」


//演技:耳元で罵倒とは違った可愛らしくささやき

【大家さん】

「いつも頑張っていて偉いよ♪」


//演技:耳元から距離を取りつつ、動揺する主人公を楽しそう罵倒

【大家さん】

「なーに、この単細胞♪ 少しささやかれた程度で

 舞い上がってるとか、本当気持ち悪いわね♪」


【大家さん】

「けど残りの垢も全部取れば、

 さらに私の可愛い甘言が聞こえるかもね」


【大家さん】

「というわけで、しっかり取って、

 私のかわゆい声を脳髄に刻んであげる……」


//SE:耳を引っ張りつつ、耳穴の中へ耳かき棒を入れる

//演技:やりにくい垢を見つけて少し不満げ

【大家さん】

「……こざかしい垢、そこに隠れたつもりなのかしら……」


//演技:少々力を込めて耳かき

【大家さん】

「…………」


//演技:やり応えを覚えつつ耳かきを楽しむ

【大家さん】

「……ん、さすが私。あとは……こまごまとしたものを取ってあげれば……」


//演技:軽く丁寧に耳かきつつ、ラストスパートをかけていく

【大家さん】

「…………」


//SE:耳かきを止める

//SE:耳穴から耳かき棒引き抜く

【大家さん】

「はい、終わったわよ。さあ、犬は犬らしく聞き耳立てて、

 私のかわゆい声に溺れなさい」


//演技:耳元に近づいて色っぽくふーと息をかける

【大家さん】

「……ふぅぅぅ……」


【大家さん】

「くふ、くふふ、ずいぶんなマヌケ顔? 

 聞こえないのは汚れをためすぎてたせいじゃない?」


【大家さん】

「……まあ、今のはさすがにイジワルかしらね。

 けど、耳をふ~されたかったら、定期的に自分でも耳かきをなさい」


【大家さん】

「さて、こっちは終わり。次は耳かき棒の掃除をしてから、

 合図をするから、その間はしっかり休みなさいな」  


//SE:タオルで耳垢を掃除

//演技:耳かき棒についた垢を丁寧にふく

【大家さん】

「…………」


//SE:タオルで垢を拭きとり終える

//演技:耳かき棒を丁寧にふき終える

【大家さん】

「……おーわり♪ そしたら今度は左を上になさい。

 合図は同じごろーんね。さん、はい――」


//ボイス位置:右⇒左へ移動

//演技:「ごろーん」といいながら右耳から左耳へ移動

【大家さん】

「ごろーん」


【大家さん】

「ふふ、テキパキ動けたわね。

 じゃあ、よくできたワンちゃんへのご褒美は――

 耳を思いっきり引っ張るっ!!」


//SE:耳をぎゅっと引っ張る

【大家さん】

「はいはい、暴れない。

 我慢しないと、耳本当にちぎるわよ」


//SE:耳かき棒を手に取る

//SE:左耳の中を耳かき

//演技:軽く耳の中を探るように耳かき

【大家さん】

「……ふーん、こっちは右と違ってそこにもあるとは……

 ただ角度を調整すれば……こしょこしょ、こしょこしょ♪」


//演技:楽しそうに耳かき

【大家さん】

「…………」


//演技:主人公の反応を探りつつ、楽しそうに耳かき

【大家さん】

「ここを、つーー……となぞると、

 あはは、ゾクゾクと震えて気持ち悪い♪」


//演技:主人公の反応と様子を観察しつつ、耳かき

【大家さん】

「…………」


//SE:耳かきを止める

【大家さん】

「――ん、耳かき棒を耳から引き抜くわ。

 どれぐらい取れてるか肉眼じゃ見えにくかったからね」


//SE:耳かき棒をゆっくり引き抜く

//演技:かなり取れたことに感心する

【大家さん】

「へぇ~なるほど、これはこれは……なかなかのいびつさね。

 まあ、取れた以上はおとなしく土に還ってもらうけど……」


//SE:用意したタオルで耳垢を掃除

//演技:耳かき棒についた垢を丁寧にふく

【大家さん】

「…………」


//SE:タオルで垢を拭きとり終える

//演技:耳かき棒を丁寧にふき終える

【大家さん】

「終わり。そしたら続きをやるわよ。

 覚悟はいいかしら? はい、気を引き締めて――」


//演技:楽しそうに息を吹きかける

【大家さん】

「ふぅぅぅぅ~~~♪」


【大家さん】

「……はいはい動かない。

 動いたらしっかり掃除が出来ないでしょ」


//SE:左耳をぎゅっと引っ張る

//演技:熱心に残りの耳垢を耳かき

【大家さん】

「こらこら、肩に力を入れない。逆にケガしやすくなるわ。

 ほら力をもっと抜いて……楽になりなさい」


//演技:少し加減して耳かきをする

【大家さん】

「…………」


//演技:主人公の様子を見つつ、ゆったり耳かき

【大家さん】

「そうそう、一気にこしょこしょ……こしょこしょ……」


//演技:ラストスパートだが、丁寧に行う

【大家さん】

「…………」


//SE:耳かきを止める

【大家さん】

「おしまい。なかなかきわどい箇所に多かったけど、

 これで耳の健康も保たれたわ」


//SE:耳かき棒を耳から引き抜く

//SE:タオルで耳垢を掃除

//演技:耳かき棒についた垢を丁寧にふく

【大家さん】

「…………」


//SE:タオルで垢を拭きとり終える

//演技:耳かき棒を丁寧にふき終える

【大家さん】

「……よし、これで掃除も一段落だし、最後の慈悲」


//演技:耳元、かわいい声で息をふーと吹きかける

【大家さん】

「よく頑張りましたね……ふぅぅぅぅ~♪」


//演技:耳元を離れて呆れつつも、自身も充足感に満たされ少し微笑む

【大家さん】

「はぁ~、相変わらず芸もへったくれもない犬ね。

 まあ、綺麗になったというのが伝わったからいいけど」


【大家さん】

「それじゃ、お耳掃除はこれで終わり。

 そしたら次は……たるんだその顔の引き締めね」

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