無名配信者である俺の異名は【氷の王子】〜有名ダンジョン配信者を助けたのだが、それ全部仕組まれてたってマジですか!? 仕方ない、こうなったら世界中にこの異名を轟かせてやる!〜
第9話 有名後、初配信(ただしテンションは低い
後に人々は言う。この配信が、【氷の王子】の原点だと。
第9話 有名後、初配信(ただしテンションは低い
「はいー、レイアさんの家にいたレンです。自分でも何が起きてるのかはわかりませんが、よろしくお願いします」
『テンション低っ!?』
『なんでそんなに暗いん笑笑』
『たしかに怒涛の日だったな昨日は笑』
『ってか認めてて草』
『まじかよ笑笑』
さて、レイアさんに薦められるがままに配信を始めたんだが、正直何を話せばいいのか分かんねぇ。
なんか同接は二万人超えてるし。コメントは爆速で流れるし。みんな俺のことを批判しようとしないし。
こんなに優しくてあってるのだろうか、ヨーチューブ。
「はい、いましたよ? 連れ込まれましたよ? そしてスマホ触らないようにされたせいで翌朝まで俺が話題になってるのに気づきませんでしたよ!?」
『草』
『そんなんされてたんかよ』
『スマホ、一分も触らなかったのか?』
『連れ込まれたって笑』
『クソっ! 羨ましいな! 燃やしてやる!(しない』
『俺も! 燃やしてやる!(燃やさん』
「いやぁ…! あのですねぇ…。まぁゲームしてたんで。いいんですか? 俺の配信なんか見てて。他の有名な方の配信見たほうがいいんじゃ?」
『レンのほうが有名定期』
『もう逆転してるって話する?』
『3人が1日で二万人超えてるのやばいでしょ』
『卑屈になるなー!!』
「いやぁ? そんな、まぁ見てくれる方には感謝ですよね、ありがとうございます」
『イケボォ…!』
『イケボ…!!』
『さすが、【氷の王子】』
『さす【氷の王子】』
『もう今日はこれでいいや…【ガチホモニキ】』
『………』
『やめろ』
『レイアの配信にもいたガチホモニキ現る』
……少しイケボ風にいったの気づかれたかっ…! あとなんかおかしいやついるな?まぁ別にいいんだが。
「はい、まぁホモニキには頑張ってもろて。
それとさ、1つ聞きたいことがあったんだけど……!【氷の王子】って何?」
『え』
『え』
『知らなかったん?』
『知らねぇのか草』
『もう今はレンよりも【氷の王子】ってみんな呼んでるけど??』
『【氷の王子】、ほらなんかかっこいいだろ?』
「いやまぁそれはそうだけどさ? 俺は経緯が知りたいんだよ! 教えてくれ!」
『えー?』
『どうしよっかなぁ……』
『教えて欲しい?なぁなあ』
『教えてあーげーまー』
『うおお!!【氷の王子】カッチョいい…!!【ガチホモニキ】』
『………』
『………』
『草』
『草』
『いやこの流れはさぁ…!』
『笑笑面白すぎるだろ』
『なんやねん笑笑』
『これは流石に草』
「おーい? コメント欄? 盛り上がってんじゃねぇぞ? 教えてくれ? なあなあ」
『いやけど、すっげぇ単純だぞ?』
『そんなに捻ってねぇから』
『それでもいいの?』
「おう! いいから!! 知りたいだけだから!!」
『おけ』
『あのですねぇ……、』
『レイアを助けたとき、《氷結》って魔法使って助けただろ?だから』
「……え?まじでそれだけ?氷魔法使ったからってこと?」
『そう』
『そうだぞ?』
『驚いてて草』
『まじかよ』
『【氷の王子】、もしかしてこの呼びかたいや?』
『かっこいいと思うんだけどなぁ……』
「いやぁ……?いやじゃないですけどね?」
いや、ではない。けど、なんか気恥ずかしいんだよなぁ……。
残念ながら自分の顔が王子みたいだとは一度も思ったことはないし。……言われたことはあったけど。
だから、急にこんなに持ち上げられてるのが怖いんだよなぁ……。
『まぁいいや、【氷の王子】!今日はなにするん?』
『はよ本題入ってもろて……って言いたいとこだけど、一ついい?』
「はい、なんでしょう?」
急に質問って……なに言われるんだろうか。気になるなぁ……
こういう経験がないから怖いかも。
『あのさ、――なんで配信のアーカイブ残してないの??』
『草』
『それかい笑』
『けど気になるよな』
『普通は残すのに』
「普通の動画出さないしアーカイブ残しててもなぁ……って思ったんですが……」
……まぁ実際はお母さんから言われたんだけど。なんでなんだろうな。
『普通は残すが?』
『残したほうが宣伝になるくね?』
『アーカイブ見た人がファンになってくれるかもじゃんか!?』
「たしかにそうですね!? ……もったいないことしてるのか…」
落ち込んでるふりするのも大変なんだよなぁ……。お母さん、なんでなのか教えてくれ。
『声色が笑笑』
『ガチで落ち込んでるやつやん笑笑』
『けど俺等がいるからな!』
『さて、気を取り直して! 今日はなにするんですか?』
「そうですね、皆さんお察しの通りダンジョンに行きたいと思います。今日行くのはですねー、Dランクダンジョンの深層ですね!」
『………』
『あ、死んだわこいつ』
『終わったわ』
『敵出た瞬間』
『終わったわ♪』
『なんか聞いたことあるリズムだなぁ…?』
「いやいやいや! 死にませんから!! だってDランクですよ? なんかCランクが最強とか話題になってましたけど、A、Bランクの方のほうが強いんじゃ…?」
『出た!天然煽り』
『い つ も の』
『知ってた』
『そうだ。こいつ知識ないんだった』
「ちょっと俺はまだCランクが最強って信じてませんけど。まぁとにかく潜りますよー!」
『………』
『ま、まぁ?』
『実力を確かめると思えばね?』
『たしかに』
『じゃあ俺たちは【氷の王子】を見守る会ってことかぁ…』
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