失格探偵の恋心

蜂屋二男

第1話 浮気調査専門探偵。

 僕、田中古郎はラブホテルの中で21歳の誕生日を迎えた。

 ラブホテルの中だが、僕は一人だ。


 僕は浮気調査専門探偵で、隣の部屋で1.2対(対象者の男女)が不貞を、行なっている、

 相方は同ラブホテル内の駐車場で車内待機、1.2対がラブホテルから退出する場面を撮り、今日の仕事は終わりだ。

 何故、僕だけ同ホテル内にいるかと言うと、理由は二つ。

 一つ目、ラブホテル駐車場に車を停車させたのに、一向に車内から降りない様であれば、従業員に怪しまれてしまう為だ。その為僕が一人でラブホテルに入り「僕は一人でラブホに来て休憩してるんです。」アピールだ。

 尚、最初にフロントに電話して「男一人なんですけど、大丈夫ですか?」と聞いておくと直良だ。

 二つ目、このラブホテルはかなり古いので隣の部屋の音が丸聞こえだ、勿論1.2対の喘ぎ声と部屋の扉の音も聞こえる。ぎーっと扉の音が聞こえたら相方に連絡を入れてカメラを構えてもらう。念の為自分もすぐに車内に戻れる様に準備はしている。

 尚、相方は車内で人目につかない様に、小さく丸まっている。


 1.2対の重たい喘ぎ声が聞こえなくなり、24分後ぎーっと音が聞こえる。

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