神武天皇

四男である。


両親は『叔母と甥』とされている。

が、実際は『姉弟』かも。

イザナギ、イザナミの例がある事もだが、

 身近に『他人』の結婚相手がいないなら、

『きょうだい』の結婚は不可避。

なぜなら高貴な血筋を守る為に。

あるいは権力を守る為に。

下手な相手との姻戚関係は騒乱の元だ。

家と家を繋ぐからこそ慎重さが必要。

現代でも『お見合い』がある。

社会的地位の釣り合いがとれた者同士の

結婚の為に。

そして『姉弟』の結婚であったとすれば、

四男が天皇となった理由もわかる。


 なぜ近親婚が禁止されているか。

遺伝子上の問題だ。先天性の疾患が現れやすくなる。

『数多い劣性遺伝子を双方から受け継ぐことがあり、常染色体劣性遺伝疾患の頻度が増加する』

近親婚について述べたページの抜粋。


 神武天皇の兄達は疾患が現れてしまい、

天皇の位につけなかった。

天皇は『見栄え』のする人物でなければならないからだ。

人々を魅了する為に。


 もちろん『叔母と甥』でも疾患があらわれるだろう。同じ血筋での結婚であるから可能性は高くなるとすれば、どちらであっても大きな違いはない。

誕生する『子供』の見た目が『皇』として

ふさわしい容姿なら。

現代の感覚ではどちらもありえない為に

首をひねるが、問題なのは書紀がまとめられた時代の問題意識なのだ。


 まとめられたのは八世紀とされる。

奈良時代の終わりから平安時代中期。

当時の常識では『叔母と甥の結婚』は

珍しくなかった。

藤原氏の支配下ではむしろ当然。

系譜を見れば一目瞭然である。

しかし『きょうだい』は‥‥。


神の支配から人間の支配へ以降する節目を繋ぐ為に『神の血を濃く引いている事』

は不可欠の条件だった。

しかし人の時代ならば『人の法』合わせなければならなかったので、許容範囲内で最も

説得力のある組み合わせの両親を用意した。


神による支配が終わり『人による秩序の創始』を行う選ばれた存在の血に妥協は許されない。



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