夏の全国高校野球と熱中症と甲子園とユニフォームと

Lemonade I scream

猛暑と甲子園と選手と

 全国高等学校野球選手権記念大会が今年も開催されています。


 第105回を迎えた2023年は8月6日から8月22日までの日程で、全国47都道府県の49代表校が優勝を目指し鎬を削ります。




 あらかじめお断りしておきますが、私は野球自体にさほど詳しくありません。

 小学生の頃少年野球チームに入っていましたが、運動神経が良いわけでもなく万年補欠で試合にも3回くらいしか出たことがありません。

 高校野球は夏にテレビでやっているのを見ますが、特定の学校や個人を特に応援するわけでもありません。

 すごいプレーにはただただ感嘆するだけです。

 昔は日本ハムファイターズを応援していましたが、今はどこのチームも応援していません。

 それでもWBCでは日本代表を応援しましたし、優勝した時は非常に興奮しました。

 大谷選手を始めとした沢山の日本選手がメジャーリーグで活躍したニュースを見れば喜ばしいものだと感じています。



 まあ、別段に野球ファンでもない外様の人間だと認識していただければ大丈夫です。






 それで、何が言いたいの?ってことですが




『このクソ暑い中、甲子園なんて屋外球場でスポーツやらせて選手や応援団、それに加えて観客が死んだらどうするの?』




 ということです。




 NHKのアナウンサーが

「全国的な猛暑日です。不要不急な外出は避け、屋内でもきちんと水分を補給し、クーラーを使用してください」

「続いては全国高校野球中継です」

 と言うのをみていると、不安しかありません。




 こんな事を言うと、

◯全国の高校球児は甲子園で野球をする事を夢見て練習に耐えてきたのに、なんという事を言うんだ!

◯高校球児は真夏の暑さに耐えられるよう練習を重ねてきたから大丈夫だ!

◯高校生らしい汗をかいたプレーが醍醐味だ!

◯甲子園で活躍することは、プロへの登竜門だ!その場を奪うつもりか!

◯天候によって勝敗が左右されることもまた高校野球だ!

 などと怒られてしまいます。




 ちょっとだけ反論すると


⇨今の高校生は本当に甲子園で野球をプレイすることが夢なの?

 日本のプロ野球すっ飛ばしてメジャー行きたい!って人は多そうだけど、甲子園にこだわっているのかな?

 一度全国の野球部を対象にアンケートを取ってほしい。

 日本高等学校野球連盟だと変なフィルターがかかりそうだから、文部科学省と環境省が主導して欲しい。

 文部科学省と環境省を出したのは、「学校における熱中症対策ガイドライン作成の手引き」などを作成しているから。

ついでに各部活動についても情報収集してくれ。野球部だけじゃなくてね。


⇨昭和時代は厳しい練習も愛だったけど、令和だと虐待なんだよ……。

 熱中症で学生が搬送されてるニュースはよく目にするんですが、高校球児は熱湯風呂に浸かる芸人よろしく『特殊な訓練』でも重ねているんでしょうか?

 真面目に言うと、

 1980年の8月の平均気温は29.2度

 1998年の8月の平均気温は32.2度

 2006年の8月の平均気温は33.3度

 2020年の8月の平均気温は34.0度

 温暖化は確実に進んでいることを実感します。今年は何度でしょうか。

 たかが『4.8度』と思うかもしれません。

 お風呂に例えてみましょう。

 40度のお風呂は適温から少しぬるめに感じるかもしれません。

 では、44.8度のお風呂に入ってください。

 熱くて入っていられないでしょう。

 少なくとも私はご遠慮願いたいです。


⇨汗が見たいならサウナにでも行ってください。

 人命が失われてからでは遅いのです。

 過酷な環境は第二・第三の大谷選手の選手生命を奪うのかもしれません。


⇨甲子園での実績はプロに入った際、新人の特徴として観客へインパクトを与える事が出来ることは事実です。

 が、その栄光ゆえに潰れてしまった選手も……。

 各球団スカウトの一層のご活躍を祈念いたします。


⇨雨の中試合するのが青春の1ページ的に持て囃されるのが本当に謎。

 全ての代表校が少しでも同じ状況で切磋琢磨できる環境を整えてあげるのが大人のすべきことではないのでしょうか?




 私は甲子園球場に憧れが全くないので「ドーム球場でやればいいじゃん」と思ってしまいますが、日本高等学校野球連盟はじめ朝日新聞社などには甲子園でないといけない理由があるのでしょう。



 ですが高校生の命を守る行動は必要だろうと言うところで、門外漢ながら対策を少し考えてみました。



1.球場を変える

 一番手っ取り早くて、一番現実性が薄い案です。

 大阪ドームや東京ドームなどドーム球場を借りてプレイする。

 毎年球場を持ち回りで変更していくのも良いのでは?

 でも、高校野球の期間ドームを借りると1億以上の費用がかかるようです。

 対して甲子園球場を高校野球で使用する場合、利用料金はタダ。

 甲子園球場は阪急阪神ホールディングス株式会社が運営しているので、高野連などに対して使用料金を求めていないのでしょう。

 警備などの費用は主催者が負担しているそうですが、観客の入場料は一番高い席が4200円で一番安い席が700円くらいでした。

 おそらくそこから捻出しているんじゃないかな。わからないけど。利益はいくらなんだろうね。

 NPB(日本野球機構)も将来有望な選手が欲しいんだから、12球団全体に協力を求めて会場使用料の負担してもらうとか。全部の球団がドーム球場を持っているわけじゃないしね。


 結局お金がないのが問題なら、NHK以外に放映権を買ってもらってスポンサーをつけてバックアップして貰えばいい。

 ネット記事によると『入場料を中心に、高野連の経常収益は春夏の甲子園での事業収入を中心に毎年6億円超となっている。2014年度末時点での正味財産(純資産)は14億円を超えている。』らしいので、本当にお金ないの?と思うけど。


 高校生で金儲けをするな?高野連はしてる気がするけど。出来ないように体制を作ればいいでしょ。

 後ろ暗い事が出来ないように、全ての会計報告をネットに上げて公開しましょう。

 スポンサーがどこで何円出資してもらい、会場利用料がいくらで警備でいくらかかって……など。

 不可思議な会計数値があれば全国の有志調査員が無料で監査してくれます。


 エスコンフィールドで高校野球とか楽しそう。 

 決勝だけか準決勝から甲子園にすればプレミアム感はすごいよね。

 


2.開催時期を変更する

「夏」の甲子園では無くなってしまうけれど、前倒しか後ろに先送りする。

 高校球児も3年生は大学受験があるから先送りするのはどうかと思う。

 かと言って、前倒しすると『春のセンバツ高校野球大会』と変わらなくなっちゃう。

 春選抜が盛り上がってるのはあまり記憶がないなぁ。



3.試合時間帯を朝・夕方のみにして、酷暑の時間帯を避ける

 これが一番現実的かな?

 1日2試合が限度だろうから開催日程を長くする必要はあるけど、少しはマシになると思う。

 阪神がホーム球場使えなくて困るのはしょうがないよね。



4.ペルチェ素子を使用した冷房服や水冷ベストの着用

 ユニフォームのレギュレーションを変更すれば出来る!

 高校野球のユニフォームや野球道具には企業の商標が出ていてはいけないなど色々な制限があります。

 詳細は『日本高等学校野球連盟』のWebページで確認することができます。


 水冷ベストなどですが、決して安いものではありません。


 ですが、日本高等学校野球連盟が100〜200着ほど用意し、当日試合を行う学校・選手に貸し出す形ならば各学校への負担も少なくなるでしょう。

 高野連が一律で管理すれば商標問題も大丈夫。

 資金調達もクラウドファンディングなどいかようにも出来そうです。

 何より甲子園に屋根をつけたり他のドームを借りるより圧倒的に安い!

 投資総額が400万くらいなら現実味はありそう。


◆ペルチェ素子を使用した冷房服 1着約20,000円

 ベストの中に配置したアルミプレートをバッテリー電源の力で冷却する。

 冷却能力は少し低め。

 現行品はバッテリーが重いが、高校野球用に30分くらい保つ小型バッテリーを使用して、チェンジの際にバッテリーを交換すれば問題ないのでは?


◆氷水を循環させる水冷服 1着約17,000円

 ベストの中に水配管を通してバッテリー電源で水を循環する。凍らせた500mlペットボトルや保冷剤などを差し込むことで、冷たい水が体を冷やす。

 冷却能力は高いが重量が重い。


 上記二つの製品は1日作業で使える様に大きなバッテリー・それなりに大きなペットボトルを使用するため重量があります。

 が、スポーツ用として500mlペットボトルの代わりに150mlくらいの小型冷凍パックが使用できる様にするなど特殊仕様の軽量化した製品を開発してもらえばフォローできるかと思います。

 その代わり1つのバッテリーでの連続使用時間が短いので頻繁に交換する必要があるなど注意点はあるでしょうが。

 チェンジの際に予備の水冷ベストに着替えるのもありかも。




 Yahoo記事へのコメントで、

『工事の肉体労働者は真夏でも作業しているのに、高校生が試合できないわけがない』

 と言う暴論を見て4が思い浮かびました。



 私も夏場に現場に入り40度近い猛暑の中、作業着で仕事を行う事があります。

 ですが、ほとんどの作業者は空調服を着用し30分ごとに水分を補給するなど身の安全を守るための対策をしています。

 空調服は結構着膨れ(?)するので、正直に言ってスポーツには向きません。

 ですが、水冷ベストなら可能性はあると思います。



 熱中症対策をしている屈強な肉体を持つ大人ですら少しの油断で熱中症にかかってしまう今、テクノロジーで選手をサポートすることも必要ではないでしょうか?

 応援団や観客は……、自己責任、なのかなぁ?

 無理な応援活動にならないように引率する大人が体調管理をしてあげるしかないと思うけど。

 炎天下の管楽器で火傷しないように、くれぐれも気をつけてください。




 「選手に変なもの着せるな!」や、「ピッチャーが水冷ベスト着てボールなんか投げられるか!」などのご意見もお待ちしています。




 以上、お目汚し失礼いたしました。




最後に。

スポーツ用の水冷服はメーカーが本気を出せば作ってくれると思うんです。

もちろん選手の動きを阻害しないかなど実証実験は必要ですが、ある程度既製品をベースに出来るので、開発費用が抑えられたらいいなぁ。


あとは、高野連や老害連中がなんというかかな?

別にパワードスーツ着せろって言うんじゃないから勘弁して!

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