第14話 ワールドイズイマリ
女子の後輩とショピングモールで遊ぶ
字面にするとデートに見えるが、違うあくまで僕と伊万里は友達同士だ。
だけど
「せんぱい!
どれが好みか選んでください。」
「お、おう」
「そうです。
せんぱいは今日、伊万里に逆らえないんですからおとなしくしたがってください。」
いくら、なんでも
「黒がいいですか?それとも白の方がいいですか?」
「どっちでも…」
「はい、ダメです。
ハッキリ選んでください。伊万里の下着を」
男友達に下着を選ばせるのはおかしいだろ!!
ーーーーーーーーーーーーー
一時間前
駅を乗り継いで目的の場所であるショピングモールに着いたのだった。
「せ~んぱい
これってデートですね。」
ニヤニヤしながら僕を見てくる伊万里
「あーそうだな」
「あれ?思ったより落ち着いてる??」
僕は勘違いしない友達同士の男女で遊びに行くことはあるだろう
それをデートと呼ぶならこれば間違いなくデートだろう
だかしかし、僕と伊万里はあくまで友達何を恥ずかしがることがあるのだろうか?
「もっと恥ずかしがると思ったのに」
伊万里は不満げにこちらを見てくる。
「何を恥ずかしがることがあるんだ伊万里とデート出来るんだこれ程楽しいことはないだろう」
「ぴ!」
純粋に友達と出かけたり、遊ぶのにややこしい感情はいらない純粋に僕は楽しむ。
「ふ、ふ、ふ、
流石は先輩です。」
「ん?なんのことだ。」
「これから、色々味あわせてやりますよ。」
伊万里に引きずられるように連れ回される。
例えば、飲食店
「せんぱいのわらび餅のシェイク
美味しそうですね!」
「うまいぞ、伊万里も飲むか?」
「え?いいんですか」
僕は伊万里に手渡す。
「せ、せんぱいも私の飲みますか?」
「日向夏か貰うわ」
「あ!」
俺は伊万里のシェイクを受けとるとそのまま飲んだ
わらび餅も甘くてよかったけど、酸っぱさもいいな
「ありがとな、伊万里」
「どどういたしまして、先輩の信玄餅もおいしかったです。」
「おう!よかった」
少し恥ずかしがりながらも伊万里は感想を言ってくれた。
信玄餅も上手いんだから恥ずかしがることないのに
「次は洋服です。」
「俺が見ててもいいのか?」
「もちろんです。」
少し抵抗はあったが友達ならよくあることなんだろう
そんなことを考えていると伊万里がセーターワンピースの青と白を持ってきた。
「先輩、どっちがいいですか?」
「そういうのは自分で決めないと…」
「伊万里は先輩に選んで欲しいんです!」
うーん
許容範囲なのかな?
「白い方かな」
「こっちですね。
どうしてですか。」
理由か…
「かわいい伊万里が白い服を着ているとまるで天使のように見えるんじゃないかって興味が出たんだ。」
とりあえず、誉めるさっき伊万里に言われた通り伊万里は友達に誉められるのが好きらしいし
実際に伊万里はかわいいし、僕も嘘はついていない完璧な返答だ。
自分に自惚れながら伊万里を見ると下を向いてぷるぷるしていた。
「覚えててください!!」
そう言って会計の方に行った伊万里は買った服を着てそのまま僕の方に向かってきた。
「どうですか?せんぱい」
上目使いでこちらを見てくる伊万里の身長は
150あるかないかなので必然的に
そうなるんだろうがすごくあざとい
「ああ、似合ってる」
「ありがとうございます。」
花が咲くような笑顔を見せる伊万里
実際とても似合ってるまるで天使のようにみえるほどに
「せ、せんぱい次で最後です。」
「おう」
ぷるぷる震えながら伊万里は最後の店に連れていってくれる。
その店と言うのが
ーーーーーーーーーーーーー
冒頭に戻る
「伊万里いくらなんでも下着は選べないよ」
「だ、だめです。今日は伊万里ちゃん宣言ですから絶対にダメです。」
僕たちはランジェリーショップにいた。
正直僕は場違いでこの場から離れたいが
伊万里が許してくれない。
「ふふ、せんぱい照れるですか?」
「当たり前だろ!これは流石におかしい。」
「おお、おかしくないですよ。伊万里はせんぱいに選んで欲しいんです。」
友達か
絶対に違う
だけど、伊万里の言いたいことは分かった気がした。
恐らく、彼女は友達というものが分からないのだろうだから僕との距離感を掴みかねている。
「分かった。選ぶよ」
僕はあきらめた。
「え、いいんですか?」
「伊万里ちゃん宣言だもんな」
笑顔で伊万里に答える。
女性の下着を選ぶ経験など初めてだったが伊万里に似合うだろうと考えて選んだ結果割りと早めに決めることができた。
帰りの電車のなかで
「せんぱいって水色が好きなんですか?」
伊万里が唐突に聞いてきた。
「そ、そんなことはなけどただ伊万里に着てほしかっただけだ。」
すごく恥ずかしい。
伊万里の方を見れない。
「せんぱい。
次の伊万里ちゃん宣言のときにこれ着けてきますね!」
「は?次??」
伊万里ちゃん宣言は今日だけじゃないのか?
「なんで一回だけだと思ったんですか?
今日せんぱいは伊万里を二回傷つけたじゃないですか~」
「たしかに」
ぐうの音も出ない。
確かに伊万里を朝と帰りに二回傷つけている。
自己嫌悪して頭を抱えていると耳元で
「だから、またデートしましょうね。せんぱい」
彼女がそう囁く。
その直後に頬に何かが触れた。
僕は顔をあげる。
丁度彼女の最寄り駅に着いたのだろう彼女は駅のホームにいた。
駅のホームで少し顔を赤くして手を振る彼女の姿はこの世で見てきた中でも一番キレイだった…
ーーーーーーーーーーーーー
おまけ
天使のような子
「あーーーーーーーーーーー!!!!???」
ベットの上で一人悶えている少女がいる。
「私は痴女か!!
服選らばせる辺りでも若干おかしいと思ってたけど下着選らばせるのは絶対おかしいでしょ!!」
枕を叩きまくってる姿はとても微笑ましくもみえる。
「絶対せんぱいにも変に思われたし
後なんで自分のこと名前呼びにして甘えようと思ったんだろう!?わたし!!
絶対私のキャラじゃない!!」
今度は枕を抱きしめながら文句を言う。
「うーうーせんぱいめーむかつく
全然、照れないし。なんか常に余裕だし
むしろ私の方が終始負けてたがする。」
自分のクソザコぶりに落ち込む。
「でも」
何を恥ずかしがることがあるんだ伊万里とデート出来るんだこれ程楽しいことはないだろう
かわいい伊万里が白い服を着ているとまるで天使のように見えるんじゃないかって興味が出たんだ。
そ、そんなことはないけどただ伊万里に着てほしかっただけだ。
「楽しかったなぁ」
近くのハンガーに書けてある誰かが選んでくたらしい白い服を見ながら彼女は微笑むのであった。
ーーーーーーーーーーーーー
思ったより長くなってしまいましたので午前はこちら一本のみとなります。
おまけの登場人物に関しましては本人の希望により名前を伏せさせていただきます。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます