この夏が終わる頃に

もんちゃん!

いつかきっと

俺こと夏樹はもう病院からは出れない。だが、幼馴染の春菜がいつもお見舞いに来てくれるから毎日楽しい。


「今日も体調大丈夫そう?今日は夏樹が好きな梨持ってきたよ!」

「まじで!ありがとな!」


 こんな話を繰り返しては寝る。そんな生活をしていた。ただ、これは長く続かない。



「危ない!」「キャッ!」

 トラックが壁に突っ込み大きな音が鳴り響く。

「早く救急車を呼んで!足と腕が.....」


 目が覚めたら病院に居た。

(春菜と2人で買い物した帰りに歩いてて、そのあと、トラックに引かれそうだった春菜を庇って.....)


「ん..んー...痛ったたた...」


「あれっ..」

 左腕と両足の感覚がない。恐る恐る腕と足を見ると..無くなっていた。


「あれ...お、俺の腕と足は....」

 震えた声でさっき部屋に入ってきた医者に聞いた。


「トラックにぶつかった衝撃が大きく、切断せざるおえなくなりました。」


 俺は泣き叫んだ。

「夏樹さん。落ち着いて聞いてください。」

 俺は少し落ち着くまで時間かかったがなんとか話を聞ける状態まで安定した。


「夏樹さんの体を検査したところ、元々難病にかかっているようですね。衝撃が大きく悪化しています。このままだと余命残り1年ちょっとってところでしょう。」


 俺は何故か落ち着いていた。


 さっき、泣き叫びすぎただけかもしれないが。



 もう生きれない、そう思ったんだ。



 ドンドンドン!


 病院の廊下を大きな音を立てて走ってくる音がした。

「夏樹!ほんとにごめんなさい。私のせいで....私のせいで....」

 ドアを開けた瞬間泣き崩れた。俺は慰めようとしたがぜんぜん泣き止むことはなかった。そりゃ、腕と足が無くなったもんな.......。

 その日は頭がいっぱいいっぱいで何もすることが出来なかった。


「夏樹、大丈夫?今日から私毎日来るから!楽しみにしててね!」

 俺は春菜のことが好きだった。

 だからこそまだ、春菜には俺が余命残り少ないことを言っていない。言わずに旅立つときは一人でと思った。

 しかし、両親から聞いたようだった。


 それからはみんな俺に尽くしてくれるように生活していた。時が経つにつれて病気は悪化し、生活するのが辛くなってきた。



 俺は死ぬ前に春菜とデートがしたい。医者と相談して緊急時の対策などを考えた上で外出が許可された。

「春菜!お出かけしよう!」

「水族館がいい!」

 2人は水族館へ行き、時間を忘れて楽しんだ。


 そろそろ帰る時間だが、夏樹は春菜を呼び止めて言った。


「春菜、俺、ずっと好きだった。」


「えっ!ありがとう。私もね、ずっと...」

 すると、夏樹は急に倒れ救急車で運ばれた。体は限界だったようだ。


「夏樹!夏樹!なんで.....まだ..私..返事言ってないよ..」


 医者は最善を尽くしなんとか夏樹を延命することが出来た。


 数時間が経った。

 すると夏樹が目を開けて弱い声で言ってきた。


「は..はるな..おれと......つ..つきあって....くだ...さ..い...」


 これが最後の言葉だった。


私は「うん!ずっと一緒だよ!」声は震え、目からは涙が止まらなかった。


あれから2年経った。今日はお花をお供えに来た。私の心にはずっと夏樹は生きている。

「結婚しよう」


いつかきっと

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この夏が終わる頃に もんちゃん! @mon0213

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