第5話 強化パーツ、強過ぎないか?

 一通り情報が集まってので、現実世界で3日間……こっちの世界だと、どのくらいの時間が過ごせるんだっけ?


 確かゲームに入っている時は、6倍くらいの速度だったはず……ジャンプドライブを使っている時は、ほとんど時間がすぎないように調整されてるとか……


 まずは大目標を決めよう。


 セバスが言ったこの船を搭載できるような船を、ゲットすることが大目標だな。


 小目標は、この船の改造かな? お金を稼ぐために、ある程度の性能が無いと厳しいからな。そういえば、船の強化パーツは、どういった感じのものになっているんだろうな。


 強化の話をしていたら、メイが


「余裕がありましたら、この船の居住性を高くすることをお勧めします。基本的に船で過ごすことになりますので、過ごしにくい環境での生活は、ストレスがかかります」


 だとさ。それに、居住性をあげておくと、搭載した時にも利用しやすくなるから、一石二鳥だって。


 俺の思っていた搭載って、カーゴの中とかに乗せるタイプをイメージしていたけど、ロボットアニメのようにドッキングするような感じの搭載ができるみたいだ。


 話の流れを考えれば、そうだよな。カーゴに乗せるだけだったら、改造なんて必要ないもんな。ドッキングさせるのはいいけど、他のシステムと干渉しあったりは……しないんだろうな。


 そうじゃなければ、そういう意見も出ないもんな。そこらへんは、お金が貯まってから考えよう。


 初めにどうやってお金を稼ぐのがいいかだな。依頼を受けるか、自分で商品を運ぶか……


 現状では、武装輸送船とはいっても貧弱な武装しかないので、宙賊退治は選択肢にはないな。それに、首都星付近は治安がいいから数もいないしな。


「いい依頼がギルドに無ければ、ギルドで商品を購入して運ぶのがいいと思います。物にもよりますが、黒字になる物を見繕いますので、どちらでも問題ないと思われます」


「1つ助言が許されるのであれば、エンジンの強化をすれば、もし襲われても逃げ切れる確率は上がりますし、ジャンプドライブできる距離も長くなるので、荷運びにはちょうどいいと思います」


 ジャンプドライブって、移動できる距離がエンジンの出力で決まるのか? あ~、ジャンプしてられる時間が決まっているから、早く移動できる方が遠くまで行けるってことか。


 荷物を運ぶ場所によっては、1度のジャンプで微妙に足りなくなって、2度3度ジャンプしないといけなくなることが多いので、移動に関わる強化は優先的にした方がいいみたいだ。


 複数回ジャンプすれば問題なくね? って思ったけど、ジャンプするのに大量のエネルギーを使うので、短距離をジャンプするのは、燃料の関係で無駄が多いんだってさ。


 エネルギー以外にもチャージする時間もかかり、宙賊から逃げきれずに捕まってしまう可能があがってしまうのだとか。


 ジャンプの距離と回数も考えて荷物を運ばないといけないのか……これは思ったより頭を使うな。


「一緒にもらった強化パーツは、使えたりするのかな? 輸送用の強化パーツもあったはずだけど、どうなのかな?」


「?? 強化パーツですか? 確認させていただきます」


 セバスは、強化パーツの事を知らなかったようだけど、同じパッケージ内に入ってたから、知識もあるのではないだろうか? 船のデータしかしかないのだろうか?


 戦闘用、探索用、冒険用、発掘用、輸送用の強化パーツということだが、輸送用って何を強化するんだろうか? カーゴのサイズは変えられないはずだから……


 戦闘用なら攻撃が強くなる何かとか、追加武器スロットみたいなのがあるだろう。


 探索用ならレーダーとかの強化で、冒険用は長期間宇宙を移動し続けられるような何かだとして……


 発掘用は、小惑星などを発掘できるようになるパーツだろう。発掘できるだけで、精錬などを考えれば……意味がなさそうな装備だ。


 じゃぁ、輸送用ってマジで何よ?


「確かにありますね。この性能でしたら……戦闘用は、クラス4に匹敵する主砲が2門みたいですが、この船の装甲やシールドの出力を考えると、単独での宙賊狩りは難しいですね。基本的に複数を相手にしますので、シールドが弱いままだと厳しいです。


 探索用のレーダーもクラス4相当の物なので、小型に分類されるこの船からするとかなりの物になりますね。索敵にも使えますので、宙賊を避けて通るには十分ではないでしょうか?


 冒険用もクラス4相当の出力があるエンジンですが、燃費は今の物と大して変わらないようです。


 発掘用は高性能ではありますが、単独で使うことはないので、カーゴに搭載できるようになるクラス6以上の船を手に入れ、精錬装備を手に入れてからでしょう。


 輸送用は、カーゴの容量が多少小さくなりますが、特殊船倉と呼ばれる特殊素材の運搬に使える物のようですね。これは本来、大型の船にしか搭載できない設備なので、小型での輸送に役立つのかは調べてみないと分かりませんね」


「なるほど……で、結局使えるの?」


「戦闘用と発掘用は、外部スロットと呼ばれる、武器などを後付けできるスロットに装着するので、どちらかを装備することになります。


 それ以外の、探検用のエンジン、探索用のレーダー、輸送用の特殊船倉は一緒に装備させることは可能です。多少船の重量が増えますので、今よりは燃費が悪くなりますが、エンジンの性能を考えると、大幅なプラスになりますね」


「じゃぁ、発掘用以外を全部装備できるわけだ。主砲をつけた場合とそうでない場合の船の速度はどのくらい変わるか、分かったりする?」


「エンジンを変えない場合は、10パーセントほど変わりますが、エンジンを変えた場合は1パーセント以内の誤差だという計算になります」


「相当エンジンが優秀なんだな。ジェネレーターの容量は大丈夫なのか? パーツを変えれば使用するエネルギーも上がったりするはずだけど、そこらへんも分かったりするかな?」


「容量の問題は、ございません。この船のジェネレーターであれば、クラス4の船の最低ライン位ですね。強化パーツの主砲に合わせたジェネレーターになっているようですね。小型船ですが、装甲やカーゴ容量以外は、2クラスほど上の装備ですね」


 微妙とは言われていたが、始めたばかりの俺からしたらかなり上等な部類だな。


「とりあえず、発掘用以外は全部装備しておこうか。特に問題もなさそうだしな。カーゴ容量が少なくなるのは気になるけど、どうせ小さいから稼ぎも少ないだろうし、少しでも高く売れる物を運ぶべきだろうからな」


 そう納得して、セバスに換装をお願いした。


 バトロイド、万能すぎるだろ! って思ったけど、機械に少し入力するだけで換装できるみたいだ。



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