風に乗せる歌
甘夏みかん
第1話
「いらっしゃいませ。」
私はとあるレストランで働いている。旅館に併設されている自然食レストランだ。近くの山や川でとれた食材を使っているため、新鮮でおいしい。私はレストラン近くの寮に住んでいる。お店は少ないし、コンビニなんて夜は閉まっているし、前に住んでいた都会と比べると不便だけど。月収は16万と決して高くはないけど。何よりもレストラン周辺は自然が豊かだ。なんだかんだ私はここでの暮らしが気に入っている。
「佐々木さん、今日は新しい子が来るよ。」と店長がいった。「前言ってたバイトの子ですよね。どんな子なんですか。」ときいた。バイトの子が来るのはめったにないことなので私たち社員は皆ちょっとわくわくしていた。半年くらい前に来た女の子は、なぜかすぐに辞めてしまった。世話焼きの店長が付きっきりで教えていたため、やめた時はしょんぼりしていた。「大学生だよ。イケメンだよ~」と店長。私はほんとですか、と言って笑った。
「はじめまして・・・」
そういって入ってきた男の子。店長がイケメン、といっていたが、イケメンというよりもかわいらしい。それが彼を最初に見た時の印象だった。身長は170センチくらい。色白で、黒い髪、中性的な顔立ち。アイドルみたい、と思った。緊張しているのか、入口で立ち止まっている。ただ、気になったのは彼の目がピカピカ輝いていたことだ。異様なほどに。
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