おい、山田
第2話 山田『移動しました』
毎度、ご利用ありがとうございまぁす。
ホラー動画を探し隊、山田でぇっす!
えー、今日は動画を紹介じゃなくって
(画面が少し上下に揺れている)
(暗い中、道を歩いている)
(足音と虫の鳴き声だけが聞こえる)
自分たちで動画を作ろうってことになりました!
いぇーーーい!パフパフ!!
ということでぇ
さくさく進めていきましょう!
第一回目はこの山田がお送りする「病院」!
(→ここまでオープニング)
(ばばーーーん!)
(効果音と共に字幕が現れる)
「以前ここには病院があった。別に事件があったということではないが、他にいい感じの場所が見つかった為移動することに。
機材やら何やらはもちろん全て運び出され新しい病院へ。古い方にはもう何も残されていない、はずである。」
そう。何も残っていないはずなんですよ。
でもね。新しい病院での営業が始まってから、変な噂が流れ出したんですよ。
(後ろに真っ暗な病院が。電気はひとつも着いていない)
古い方の病院のとある部屋には、まだ電話が残っている。ってね。
はーい、失礼しまーっす。
(がちゃ)
(病院の入り口を開けて入っていく)
(画面下に許可は得ていますの文字が)
(懐中電灯の灯りだけで病院の廊下を進んでいく)
(カツンカツンと靴の音だけが響いている)
でぇ、その電話が残っているという部屋がこちらです。
(懐中電灯の灯りに浮かび上がった扉)
(プレートには編集でモザイクがかかっている)
おかしいですよねぇ、電話だけ残っているなんて。
で、噂には続きがあります。
その部屋に入ると電話がなるんだと…
んなバカな…
というわけで…
いってみよーう!
(ぎぃ)
(鈍い音と共に扉が開かれる)
(真っ暗な部屋)
(物は何もない)
(机と椅子が残っている)
(懐中電灯で部屋をぐるりと一周照らす)
(一瞬電話が写るがスルー)
ほらー。やっぱり何もな…
???!!!
(電話を二度見)
あったー!
ありやがったーーー!
まさかここで鳴るなんてこと…
(電話が鳴り出す)
鳴ったー!
電気とか来てないはずなのに
鳴ったーーー!
(電話のコードをアップにする)
(コンセントは刺さっていない)
(コードは途中で切れている)
そんなばなな!?
(字幕で死語(笑)と出る)
やばい…
ここは出るべきか、否か…
ここは…
(字幕で
→出る
出ない
と出る)
俺は、出ない!!
(しばらくして電話が鳴り止む)
セーフ!セーフ!!
今の出たら絶対ヤバイやつだった!
(額の汗を大袈裟に拭きながら)
ふいーーー…んんん?
(電話が置かれている机の上に万年筆とメモ書きが)
(近づいてアップに)
(「御用の方はこちらへおかけください」)
かけよっか。
(ボタンを押して電話をかける)
どーせかかんないってー
(3コール目で繋がる)
?!?!
もっもすもす?!
(字幕で噛んだ(笑)と出る)
「お電話ありがとうございます。
こちら○○病院、受付でございます。
当病院は移動しました。
繰り返します。
当病院は移動しました。」
(女性の声で案内が入る)
ありゃ?
移動したって案内じゃんか。
しょーがねーなー。
これで動画はおわ
(目の前に大きなガラス窓)
(懐中電灯を着けているためガラスに自分の姿が写る)
(電話をかけている男(自分))
(その後ろに写る
看護婦の姿
自分以外いるはずない。
いるはずないのだが、窓にははっきりとナース服の女性の姿が写る。
その女性も受話器を手に持っている。
今、俺が聞いている案内をしているのは、あの女だ。
俺、この部屋に一人のはず。
窓に写っている女は…?)
窓に写る女と目が合う。
女はにやりと笑った。
真っ赤な口紅に塗られた唇が目をひいた。
う し ろ に い る よ
女の口がゆっくり動く。
俺の うしろ
う し ろ
(ぞくっ)
ぎゃーーーーーーーーーーーーーーー!!!
(大声をあげて逃げ出す)
(画面に大きく「しばらくお待ちください」と出ている)
(→ここからエンディング)
というわけで、山田は無事に帰還しました!
いぇーーーい!
怖かった!俺が!怖かった!
廃病院に電話が残ってても!
もしその電話が鳴っても!
みなさん、無視してください!
ましてや、かけ直しちゃいけません!
山田お兄さんとの約束だぞ☆
では、次回の「ホラー動画を探し隊」を楽しみにしてください!
チャンネル登録よろ!
そいえば、かかってきた電話にすぐ出てたら別ルートに?
に、二度目は行かないんだからね!!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます