第6話:勉強しないとね



「おやつ、何がいい?」

 自宅に戻り、部屋着に着替えた雪人。


「んー……ポテッチ?」

 同じく、部屋着のアカネ。


「あいよ」

 とてとて。二階の寝室から一階のキッチンへ。


「さてと」

 アカネは寝室から勉強部屋へ。


 二人の寝室は一つ。


 大きなダブルベッドとクローゼット、それにテレビだけの部屋。


 廊下を挟んでその向かいに、机やロウテーブルを置いた勉強部屋。


 勉強部屋に移動したアカネは、通学カバンの中から教科書やノート、筆記具を取り出す。


 自分のものだけでなく、雪人の分も。


 そこへ。


 雪人がお盆に乗せたポテッチと二リットルのお茶ペット、コップを持って戻ってくる。


「おかえり、ありがとー」


「ほいほいっと」


 ポテッチとコップをロウテーブルへ。お盆とペットボトルを脇に置いてから、お茶を注ぐ。


「いやー、雪人くんはいいお婿さんになれるねぇ」


「何言ってんの? ダメ嫁様」


「うごっ……」


「バカ言ってないで、宿題しな」


「はいはい」


 コツコツ。


 宿題、復習、予習。


 二人は、結構、真面目で勤勉。


 学力も、そこそこ。


 二人三脚?


 互いが互いを応援し、援護して、そして監視する。


 ある意味、それが、夫婦としての在り方かもしれない。




「はふ。終わった~」

 アカネが、ぐでーっと横になって伸びる。


「ひと休みしたら晩御飯の準備するよ」

 教科書とノートをまとめて、明日のカリキュラムと入れ替えながら、雪人。


「はぃはぃ~」

 ぽりぽり。


「あんまり食べると晩御飯、食べられなくなるよ?」


「あ……やば」


 それもあるが、と思い出すアカネ。


「雪人くんは、ぽっちゃりなわたしも好き?」


「ほどほど、なら?」


「ほどほどか……ココはもっとぽっちゃりしたいけどなぁ」


 もみもみ。


「ばっ! バカ言ってないで、晩御飯、支度、するよ!」


 ささっと立ってコップとポテッチを片付けて部屋を出る雪人。


「ん……相変わらずですなぁ、雪人くんは」


 これについては、やっぱりどうにかしないとな、と思うアカネ。






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