第2話 死んだ人間がロボットになる

「えっと、ごめん、どこかで会ったことあるっけ?」

女の子は涙を拭いながら焦っていた。

「ごめん、なんでもない!」

誰かと見間違えたのか?とりあえずこの電車の事について聞いてみることにした。

「明日駅ってどこか分かる?」

「人間の世界のことだよ!」

やはり彼女は人間のようだった。

「君、ロボットだよね?」

「ああ、人間に会ったのは初めてだ…」


今は2054年の夏、死んだ人間がロボットとなるらしい。人間だった記憶は全く無いのだが一つだけ覚えていることは、誰かの暖かい手だけ。顔もよく分からない。ロボットは人間でいう家族というものがなく、生涯孤独なのだ。ずっと人間になりたかったんだ。だから体が壊れたら、人間で言う死んだら人間に生まれ変われたのかもしれないと思っていた。でも、明日駅に行けば人間になれるかもしれない。

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