夏休みの学校

Rie🌸

第1話 始まり

蝉がミンミンと鳴り響く。

空を見上げれば、青い空に白い雲が浮かんで、学校の校門に置かれてる花壇には大きな向日葵が咲いていた。


◇◇

私は香取奈歩かとりなほ

髪はボブ。外見は普通。成績も可。クラスのあだ名は地味子ちゃん。

SNSのフォロワーが友達

世界を一変させた出来事があった。



◇◇◇



入学から3か月過ぎた6月

曇天が続いていた。

1年2組教室

掃除が終わって、奈歩は意気揚々としていた。

(今日は仲の良いフォロワーさんの配信がある日)

「地味子~課題よろしく♡」

クラスの女子のリーダー格

宮沢加恋みやざわかれん白いポロシャツに青のチェックのスカート

青空学園の制服がここまで似合う女子はいないだろう。

ポニーテールの髪を揺らして、上目遣いで頼み込む。


奈歩は溜息をこぼし、早く帰りたい一心で課題を引き受けようとした腕を伸ばした瞬間、パシっと腕をつかまれた。


その正体はクラス一のイケメン

月島瑠依つきしまるい

ジャニーズ顔のイケメンである。黒い短髪。涼しげな瞳で奈歩を見つめている。

「自分でやれよ。加恋」

課題のノートを押し返した。

「瑠偉?!」


名前で呼び合う2人は幼馴染らしい。何やら口論をする2人

あの帰っていいかなと思案する。腕時計を見る奈歩

「香取さんも嫌だったら断るべきだ。」

「へ?」

お鉢が回ってくる。

波風立たないように高校生活を送るつもりだったけど、奈歩はゴクリと息をのむ。


クラス中の視線が集まる。

「ごめんなさい。宮沢さん。自分でやってください。」

頭を下げる。

その後、奈歩は教室を出ていく。

周囲はざわつく。

あの地味子が?加恋の頼みを断った。

加恋は目を丸くしたまま、瑠偉は笑みをうかべていた。


奈歩と瑠偉と加恋が揉めていると、生徒が担任を呼びにいったんだろう。


1年2組の担任

白衣姿に青いネクタイが決まった29歳

加藤昌かとうあきらが眼鏡をかけて、天然パーマをワシャワシャとかきむしり、入ってきた。


加恋の頭にポンと手を置いて、昌を諭した。

「課題は自分の力でやった方が為になるぜ?」口角をあげた昌に、加恋はコクリと頷いた。


◇◇◇


電車内

今さらながら、あんな事を言って大丈夫だったか不安になる。

SNSのアプリを開いて、仲良しのmoonさんにDMを送る。


今日起こった内容を送ると、すぐに既読がついて返信がくる。


『勇気を出したね?nahoさん』


その言葉に奈歩は顔が綻んだ。

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