君に伝えていいですか?

空音

第0話 夏 君に出会う。

恋ってみんなすると思うけど


私には「好き」がわからなくて


特別好きな人もいないけど、嫌いな人もいなくて。


私が特に興味を示していたのは、ゲームをしたり、アニメを観たり、それと10年続けているバスケットくらいだ。



私は、小さい頃からお姉ちゃんやお兄ちゃんの練習の見学に行っていた。


あの頃は身長が小さかったから、リングの中にボールを入れるなんて出来なかったけれど、いとも簡単に入れてしまうお姉ちゃんやお兄ちゃんにすごく憧れて、お母さんにしつこく


「バスケットのクラブチームに入りたい!!!」

と説得して小学1年生で同じクラブチームに入ることができたのだ。


それから約10年バスケ漬けの毎日を送っている。


バスケ漬けの毎日は決して楽しいだけではないけれど、10年前バスケを始めたことに後悔はしていない。


バスケを通じて沢山の人に出会って、強い選手を目の当たりにして、また自分の実力に落胆して。


だけどまた自分を鼓舞して立ち上がって。

また上をむいて頑張る日々は悪くない気がする。


そして私は4月から高校1年生になった。


高校ではどんな強い選手と出会えるんだろうか


そう気持ちを高揚させていた高校1年生の夏。


ー私は、同じ女子バスケットボール部の同級生に恋をした。

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