第3話 クラス
「すぅー!」
「すぅー!」
「賢悟くんおはよう」
「どうだった?」
「レベル上がったわ」
「マジ!?すげー今もう5レベ?」
「えぇーすごーい!」
やっぱり冒険者はすごいな。
レベルが上がれば体力魔力が増えジョブの熟練度を上げるための試行回数を増やせる。
熟練度が上がれば使えるスキルが増える。
使えるスキルが増えれば戦闘に幅が広がりレベル上げがし易い。
僕も初めは回復術師になりたかった。
身体の弱かった母親を助けたいと言う原動力だった。
ただ回復術師の熟練度は上がりにくい。
熟練度を上げるためにレベルを上げたかったが未成年ということと危険だからと、母親に成人するまでは低階層のアクティブモンスターがいない所までしか許されず、仕方無しにポーションを作れる錬金術師になった。
回復ポーションで母の身体は良くなっていったので今は危険を侵さなくてもと思う。ただ素材が高いので自分で取りたいと思いもするが。
中学生までは素材の価値が分からず親に買って貰っていたが、高校生になり自分で回復草や魔石を買いに行ってビックリした。両親がかなりの額を僕にたいして使っていてくれた事に感謝した。
初めは全く儲からず貯めていたお小遣いが減っていった。ただ今は安定して高ランクが販売できてるので、お小遣いが減らずにすんでいる。
「大浦、これ」
ありがと。はいこれ。
魔石を貰い、ポーションを渡す。
岸本との物々交換をするようになり経費が格段に減って助かっている。※
「サンキュー。大浦のポーションは味が良くて最高だよ。仲間も驚いてたぜ。やっぱり量増やせないか?」
そうだね。不味いのだともっと早く作れるけど、今のやつは時間かかるから厳しいね。
「だよなー。簡単に作れるなら不味いポーションばかりなのおかしいもんな。んじゃまたよろしく」
こっちもよろしく。
■
1年の夏休み明けて少し経った頃、大浦に話しかけられたときはビックリした。
クラスは一緒だがグループが違うので日頃話したりしていない仲だった。
お願いがあると言われたときはまた何時ものかと思った。
俺は高校生の割にはそこそこ冒険者として良い線いっている。夏休みにレベルも上がり順調そのものだった。
なので一緒に行きたいとか言われることもある。
レベル差があるから同じ階層は無理だ。
いつもの様に断ろうと思ったが大浦からの口から出た言葉は一緒に行きたいではなくポーションと魔石を交換して欲しいというものだった。
錬金術師をやっていたのが意外だった。
ただ魔石と同価値の低ランクは正直いらない。ただ無下に断るのも悪いので、ポーションのランクと欲しい魔石量をきいた。
そしたらCランクは安定して渡せると言うじゃないか。
魔石との交換レートも平均を言ってくるので俺は了承した。
まだ直面していないが、高ランクポーションを安定的に手に入れられるかがダンジョンの階層更新の鍵だと聞いていたからだ。
そこから月に一回、多くて二回は大浦と取引している。
2年も同じクラスだったのでよかった。
気軽に交換しているが相場二十から三十万のものを高校生が学校で受け渡してるのはウケる。
■
※事業者間の物々交換は、課税対象なので確定申告が必要。この作品では個人間の日用品の交換として魔石とポーションを、交換しています。
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