ゴブリンズパーティ 〜俺以外全員ゴブリン〜

梅緒連寸


「異世界転生」という現象が頻繁に起こっていた時代。

その数百年間の時代真っ只中か、もしくはもう少しだけ後の時代に描かれたものと推測されている奇妙な絵がある。

薄黄色の生き物を挟むようにして前と後ろを歩く緑色の小鬼たち。空には翼の生えた小鬼が低く飛び、山嶺の向こう、空の彼方には大きな紋様が描かれている。

この紋様はかつて世界に異界から多くの存在を招いたとされる旧神を示すものとして知られている。この絵が何を意味するか、はっきりとした答えは未だ出ていない。

横にも縦にも大きく描かれているために一際目立っている薄黄色の正体についても詳しい情報は発見されていない。前後を小鬼たちで挟み逃走を防ぐような布陣であることから、薄黄色の生物は小鬼たちの奴隷と考えるのが現代の一般的解釈である。

だが私個人としては、なんとなく違うような気がしている。

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