知らない記憶と知ってる気持ち

@Suzakusuyama

第1話

「記憶喪失、ねぇ…」

 言われてもしっくりこない。名前も知らないし、どこ出身化も知らない。けれど言葉だけは喋れる。

 なんで記憶喪失になったのかも、どんな生活をしていたのかも知らない。

 家族と名乗る人が来ても全然知らない人だった。

 でも、その俺を本気で心配知る様子と、俺が無事だったことに安堵する姿からは本当に俺の家族だということがわかった。

 どうやら俺の家族構成は母と父と俺の三人家族らしい。

 そして…

 「ぶじでよがっだぁあああ”あ”あ”ぁ”」

 俺の胸で泣くのは俺の幼馴染を自称する女の子。

 愛されてるるなーって、なんとなく思った。

 


 その子の名前は柏木志乃さん。ショートのボブで全体的に明るそうで可愛らしかった。

 何でこんなに可愛い子が近くにいるのにアタックしないのか疑問になり、そして手を出さなかった俺に感心もした。

 まぁそんなこんなで記憶喪失になった俺だが、記憶喪失を治すにはまず自分を知ることが重要だと考え、両親やこの柏木さんに記憶がなくなる前の俺について聞いてることにした。

 そしてそれがまとめられた紙を渡される。

 俺はその几帳面な字で書かれた文を手に取った。

 まず、俺の名前は石垣…読めない漢字だな。うーん、うーん、面倒くさい。俺の名前はAでいい。Aで十分だ。

 年齢は17歳。高校二年生。性格は明るくて社交的、極度のロリコンで滑舌がそこそこ良く帰宅部のくせに肺活量に優れていた。

 なるほど、ロリコンだったのか。

 俺は俺が柏木さんに手を出さなかった理由に納得した。ロリコンなら…まぁ、仕方ない。

 別に他人の性癖…いや、俺の性癖は自由だしな。

 …まぁ、今の俺の性癖はノーマルだが。

 おっと、ロリコンで話が止まってしまった。続きを読もう。

 えーっと、好きなタイプは無感情系ロリ。冷たくて柔らかいお手々で握ってほしいと常々言っており、無感情の隙間にのぞみに現れる照れ顔とかが特に最高でたまらない。ロリの中でも特にえーと漢字が読めない。が好きで、おっぱいが小さいのを気にして………

 おうおうおう、ちょっとまて。

 頭がおかしいのか、俺は。

 親に性癖をこうも細々と語っていたのか?俺は。

 …もう正直、記憶なんて無いままでいいと思ってしまうほどだった。

 だって大体の概要が書かれたあとに来るのがまず性癖って、完全にやばいやつじゃん。

 記憶がなくなって常識人になってる俺のがマシなんじゃないか?とすら思う。

 スゥーー吐息を吸い、吐く。

 そして両親に紙を返し、

 「もう見たくない…」

 と両手で顔を覆った。

 母親は爆笑して

 「いいんじゃない?wwwww」

 と言ってくれた。うん、どうやら母親もなかなかにノリが良さそうだ。

 ついでのように学校について聞くと、今日友達が見舞いに来てくれるらしい。

 友達かぁ…きっとこんな俺だしろくな友達じゃなさそうだなーって思ってると、後ろのドアが空いた。

 「こんにちは」

 そういうのは髪が長く、切れ長な目を持つ人間。

 「よっ、石垣」

 場に石垣が三人いるにも関わらず石垣呼びをする。

 母親は

 「じゃあ、仲良くね」

 と言って部屋をあとにした。

 「俺のこと、覚えてる?」

 入ってきた男が聞く。

 俺は首を横に振る。

 すると、

 「だよなー、うん。そうだよな」

 と首を縦に振った。

 「俺の名前は穂高鯨。お前からはクジラって呼ばれてた。まぁ、言い方へんだけどよろしくな」

 手を差し出される。

 「おう。よろしくな、クジラ」

 俺もその手を握り返した。

 そして友情を確かめた俺は

 「よかったあああ」

 とため息を吐いた。

 「どったん?」

 クジラが聞くので、

 「いやね、俺親に性癖暴露してるようなイカれたやつでさ…友達も頭おかしいんじゃなかって心配だったんだと…まじで常識人で良かったわー」

 半分笑いながら言うと、

 「は?少なくとも俺に常識はねーぞ」

 とクジラが言った。

 「は?」

 通れが返すと、

 「じ・か・ん」

 とクジラが言う。

 時計を見ると、13時だった。

 「バッ……!」

 カが出なかった。

 「じゃっ!俺昼休み終わったし帰るわ!時間、過ぎてるけど!!」

 そう言ってクジラが病室をあとにする。

 そういえば制服なのにバッグ持ってないじゃんかよ…

 完全にはめられた俺はがっくりと項垂れた。

 勝手にハマっただけなのに、俺ははめられた。

 まぁいっか、愉快な友達ってことで。

 諦めて小説を手に取る。

 今回読む本は「女の子のオトしかた♡〜最近の子は”コレ”に惚れる〜」だ。

 内容はもうそれはそれは酷いものだった。

 イケメンのみに許される行為がたくさん書いてある。

 俺には絶対に不可能だ。

 というか、以前の俺は柏木さんに気はなかったのか。危なかった。

 というか、俺も可愛いと思っただけで気はないのか。危ない。あと少しで一線超えるとこだった。

 「さ、て……」

 頭にある傷に触れる。俺が記憶喪失になった原因の傷だ。二階だか三階だかから落下したらしい。

 全く迷惑な話でもあるが、俺は経緯が知りたかった。

 というか、何で誰も経緯を教えてくれなかったんだろうか。

 いや、単に俺が聞かなかっただけか。

 一種なった疑惑をすぐに打ち消す。

 体に何やら虐待っぽい傷は見えなかったし、まぁ大丈夫だろう。

 まじで思考がまとまらねぇ、どうやって現実を受け止めれば良いんだと困惑しているとき、ドアが思いっきり空いた。

 「たっちいいいいい!!!」

 そう叫びながら入ってくる女の子は柏木さん。

 どうやらこの子も…サボりらしい。

 そして俺はたっちと呼ばれていたらしい。

 自分の下の名前の漢字の呼び方を知ったところで、柏木さんが飛びかかってきた。

 「記憶は戻ったの!?」

 開口一番そう聞いてくる。実質別人の俺は少し心が痛む感じがしたが、

 「ごめん、まだ…」

 と答える。

 「そっか…」

 柏木さんは明らかに落ち込む。

 「で、でも!ゆっくりでいいし!何なら記憶ないままでも大丈夫だからねっ!」

 すかさずフォローが入る。

 このフォローの入れ方は完全に陽キャのそれだな。流石です。

 ま、それはさておき…

 「学校は?」

 俺が聞くと、

 「うっ」

 という声が聞こえた。図星の声だ。

 時刻は14時、明らかに学校は終わっていない時間帯である。

 でも柏木さんは開き直ったのか、

 「別にいいの!」

 と言って俺の腕に抱きついた。

 距離感が完全に彼女のそれだった。

 いや、陽キャ女子は胸をもみ合ってると先刻の本に書いてあったし、柏木さんに取ってはコレは普通なのかもしれない。

 それに、俺は真性のロリコンだ。JKなんかには興奮しない。

 だけど、それは過去の話。

 今の俺はもう完全にドッキドキだった。

 「あぁ、おう、とりあえずどこっか…」

 俺がドギマギしながら言うと、

 「えーたっちーロリコンだから私別に怖くないしー」

 どうやらかなり濃いロリコンだったらしく、記憶が消えてもロリコンだけは引き継いでいると思われているようだ。

 なんとも酷い話である。

 今の俺は決してロリコンというわけじゃない。しかし、そんな事を話しては記憶が戻った後の俺の生活が差し支える。

 よって俺はたえるしか無かった。

 というか、美少女に腕を抱かれるというのはなかなかに良いものだし、別に良かった。

 記憶をなくした俺は、記憶がないなりに頑張っていた。

 







 どうやら、俺は記憶喪失らしい。

 そして、記憶がさらに消えているらしい。

 記憶喪失になったのは昨日。でも、昨日の記憶はない。

 何があったのかも、自分の名前も、何一つわからない。

 どうやら感覚としての最低限のものは覚えているが、その他のことがかなり抜け落ちているらしい。

 勉強は小学校低学年程度のものしかできないし、漢字能力もかなり落ちていて、英語なんてHelloぐらいしか読めない。

 でも、言いたいことはなんとなく頭に浮かんでくるし、会話においてはあんまり不便なところはない。

 まぁ簡単に言うと語彙力がある赤ちゃん状態だ。

 「うーん、わかんないなぁ」

 俺は前向性健忘症と記憶喪失の両方が起きている状態だと医者は言うが、こっちは記憶がないものであまり納得ができない。

 でも、子供の頃を思い出せと言われてもぼんやりとすらわからないし、自分がどうやってここまで大きくなってきたかもわからない。

 つまり、医者の言うことは正しいのだろう。

 かと言って俺はどうすれば良いのだろうと考えていると、病室のドアから一人の少女が入ってきた。

 かなり可愛い、全体的に明るい感じのショートボブで、元気でバカそうな雰囲気だった。

 その子は俺に近づいてくるなり、

 「私のこと、わかる?」

 と聞いてきた。

 俺は正直に

 「わからない」

 と答えた。

 少女は

 「そっか…」

 とうなだれて、

 「私は志乃。柏木志乃。えっと、幼馴染の、人、です!!!」

 言いながら俺に抱きついてくる。

 「うおっ」

 突然のことに驚き声が出る。

 志乃の様子から多分俺のガチの幼馴染なんだとわかった。いや、距離感近すぎるけどな。

 志乃はなかなか離れない。きっと、記憶をなくした上記憶が消えていく俺のことが心配なのだろう。

 俺は、純粋に申し訳なく思った。不甲斐ない幼馴染で申し訳なく思った。てか、こんな可愛い子をいるのに手を出さないなて、やるじゃん。俺。

 「安心しろ、絶対に記憶を取り戻すから」

 俺は幼馴染の手前、カッコつけてそう言うと、頭にぽんと手をおいて抱き返した。

 「うん……」

 志乃は少し貯めると、

 「絶対だよ」

 と言って少し顔を上げて、俺の目を言いながら言った。

 


 俺は記憶を戻さなければいけない。そして、記憶を戻すのに一番手っ取り早いのは日常生活に近い行動をすることだが、俺は一日ごとに記憶が消えてしまうためにそう時間を掛けられない。

 よって、俺はとりあえず一日の最後に明日の俺に日記をつけることにした。

 では、今日調べるべきことは記憶喪失についてだ。

 俺は親からの差し入れであるスマホを手に取る。

 そして迷い無くスマホのロックを解除した。

 そこで気付いた。

 俺は、スマホの使い方を知らない。

 でも、何故かロックは解除された。

 つまり、俺は感覚的になにか覚えていることがあるかもしれないということだ。

 調べごとをするとき、俺は迷いなくコンパスのようなマークをタップした。

 「おぉ〜」

 自分のスマホ好きの加減に感心してしまう。

 そして俺はそのままの勢いで「記憶喪失」と検索した。

 どうやら記憶喪失は解離性健忘症と良い、記憶に空白期間ができたりとかする病気のようだ。

 規模は人それぞれで、数分の人もいれば数十年の人もいるとか。

 往々にして忘れるものは日常的に自覚しているものや、自分の過去。

 そしてそれらは……トラウマになったり強いストレスを感じたりした出来事に関する情報が多い、らしい。

 いやいや待て待て、と首をふる。

 流石に無いだろう、俺の家族がなにか原因なんて。

 それだけじゃない。俺の幼馴染なんてあんなに可愛くて、あんなに俺のことが心配してくれたんだ。

 うん、きっと何か別の理由だろう。そうであってほしい、そうだと願いたい。

 とりあえず不穏なものを感じたが、読み進めていく。

 まず、特定の出来事のみ忘れる限局性健忘。

 特定の側面を忘れてしまう選択性健忘。

 過去の全てやその他色々な情報を忘れてしまう全般性健忘。 

 特定のカテゴリーを忘れてしまう系統的健忘。多分俺は日常系統を忘れてしまっていると思う。

 発症後に起きたことすべて。持続性健忘。俺は前向性健忘と言われたがきっとコレに近いのだろう。

 そして、通常ストレスがある行為に近いものを忘れてしまうらしい。

 日常が、俺にとってのストレスなのだろうか?

 でも、幼馴染の様子を見たところ俺にそんなにストレスはかかるようには見えない、今日来てくれた母さんも悪い人には見えなかったし、来てくれた友達も困惑してはいたが頑張れと応援してくれた。

 とりあえず俺はこれらのことをスマホのメモに書き留めた。

 スマホのことは覚えているから、こいつは本当に相棒だったんだろうなぁと少しほっこりする。だって、使い方が完全にわかるもん。感覚的に。

 そこで俺は気付いてしまった。小さなテーブルに置かれた小説のしたに紙があることに。 

 俺は紙を手に取り、読んで見る。

 そこで俺は初めて自分の名前を知った。

 「えーっと、石垣……………読めない」

 漢字がむずすぎた。もっと優しい漢字にできなかったものか。

 まぁ、通常記憶喪失になる事なんて考えながら名付けなんてしないか。

 俺はノートを手に取った。一応、紙媒体にも記しておく。

 そっちのほうが覚えていられる可能性が高いしな。

 


 数時間後、就寝の時間となった俺が出した結論は「日常と関わらないようにする」ことだ。

 正直苦肉の策だが、どうせ記憶もないし大した思い入れもない家族や友人にはなんとも思わない。

 俺歯医者に言って明日は俺に会いたいという人は誰も俺に近付けないようにしてくれと頼んだ。もちろん、家族もと付け加えて。

 そして俺は布団に潜り込む。

 そして、不安になった。

 明日の俺は、きっと今日のことを覚えていないのだろう。そして、相変わらずコレまでのことも覚えていない。

 つまり、今までの俺は死に、明日、今日の俺は死ぬということだ。

 嫌だった。死にたくなかった。最大限のことは残したが、それだけで消えるなんて嫌だ。

 死にたくない。覚えていたい。優しい両親のことも、精一杯頑張ってくれてる医者のことを、可愛らしい妹のことを。

 でも、忘れられるしか無いんだ。

 未来の俺が記憶を取り戻すのを願って。

 




 起きてまず、布団の上にノートがあった。

 どこかわからない場所だが、目の前に医者がいる。

 俺はノートを見た。

 俺はどうやら系統的健忘症と前向性健忘症のハイブリットらしい。

 昨日の俺はどうやらたくさんのことを調べてくれていたらしい。俺の名前や症状の直し方、自分の考えたことがたくさん書かれていた。

 そして、破られたページも何枚もあった。

 「これは…?」

 よくわからないが、とりあえず読み進める。

 そして最後には「絶対に家族と会わないこと」と描いてあった。

 まぁ、妥当である。この文章を読んだ限り俺の記憶障害は日常に関することなので、日常に大きなストレスがあったのだ。 

 先日の俺はそのことを考えた上で家族や友人との関係を断ったのだろう。

 コレが鬼と出るか蛇と出るか、結果は………







 「記憶が、ある」

 朝起きて開口一番、そういった。

 全て覚えている。昨日何もせず、誰にも合わずに過ごした日々のことも。ノートに書かれた内容も。

 「そっか…」

 俺のストレスの、記憶障害の原因が確定した。

 過度なストレスの原因は家族か、はたまた友人か。

 はっきりとはわからない。

 でも、心が痛むのはわかった。

 自分でもショックだった。そんな身近なものに原因があったなんて。

 多分、俺が一番ダメージを受けている。というか、俺のためにダメージを受けている人はいるのだろうか。

 多分、いないと思う。

 だって全員が俺のストレスの原因だから。

 「そっかぁ…………」

 再度、噛みしめるように言う。

 受け入れるしか無いのだ。受け入れるしか、受け入れて生きていくしか無いのだ。

 そうわかっても心がそれを拒否する。信じたくない。

 「でも、生きていくしか無いんだ」

 俺はこれから先、一人で生きていくしか無いのだ。

 ナースコールで医者を呼び出す。

 そして、すべてを話した。





 俺の名前は平人志たいらひとし

 「ありがとうございましたー」

 数年後、俺はフリーターとしてバイトをしていた。

 家族にも会えず、友人にも会えず、生きる目的なんて無いけど、何となく生きるために生きている。

 辛くもないし幸もない。

 それでも、俺は必死に生きる。

 「先輩っ!」

 部下である柏が話しかけてきた。

 「ん、なに?」

 この後輩は物覚えが良く、現在大学生で勉強中らしい。

 そして、俺と年齢が一緒だ。なのに先輩呼びをしてくれるいい後輩だ。

 柏さんは

 「この後、空いてますか?」

 と少し顔を赤らめながら聞いてくる。

 「開いてるけど…なに?」

 俺が聞き返すと、

 「えへへ〜。内緒です!ちょっくら飲みましょう!二人で!」

 とタイマンでの飲み会を誘われ、ついでのように抱きつかれる。

 そこで、突然過去の記憶がフラッシュバックした。

 どこかの公園で、俺と女の子が遊んでいる。

 どこかの学校の校庭らしきところで、女の子と遊ぶ俺。

 勉強をする俺。

 また一緒だね、と笑う女の子。

 長髪の友人やその他友人たちと駄弁る俺。 

 勉強をする俺。

 響き渡る怒号。言葉の暴力。

 窓から見る景色、空を見上げた景色。

 駆けつける女の子。

 全部が全部知らない記憶で、もう殆ど忘れてしまった。

 でも、一つだけ思い出せることがあった。

 「志乃…?柏木、志乃?」

 柏さんに聞くと、

 「遅いよ」

 そう言ってもう一度ギュッと強く抱きつかれた。

 「思い出した?」

 柏木さんに聞かれて、

 「いや、もう忘れた」

 と答える。 

 「そう」

 柏木さんが答えて、沈黙が生まれる。

 「俺、また忘れちゃったりしないかな」 

 「大丈夫、私が守ってあげるから」

 柏木さんが力強く答えた。

 そして

 「記憶なんて戻らなくて良い、先輩…いや、たっちはたっちだから」

 そっか、思い出した。

 俺の名前は、泰羅。石垣泰羅だ。

 「たっち、だいすき」

 「これだけは、忘れないでね」

 柏木さんが耳元で囁いた。



 ジュージュー。

 卵が焼ける音が聞こえる。

 俺は朝食の準備をしていた。

 その時、後ろから声が聞こえた。

 「おはよー」

 その声に、俺も

 「おう、おはよう」

 と返す。

 そして

 「今私はなんと考えてるでしょーか」

 と言われた。俺は、ため息を付いて

 「たっち、だいすきだろ?」

 というと、

 「あったり!」

 と言って後ろから抱きついてきた。

 「おい!あぶねぇって!」

 俺が急いで火を消す。

 「危険だから離せ!!」

 俺が訴えるが、

 「好きって言うまでぎゅーしまーす」

 と言われてしまった。

 「だ〜〜〜ちくしょう!!」

 「汚い言葉を使っちゃいけせんよ!も〜!」

 そうたしなめられる。

 俺の名前は柏木泰羅。

 俺には、大好きな嫁がいる。

 

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