なぜだかクラスのアイドルに懐かれてます
御霊
第1話 懐かれました
今日も俺松本小太郎は窓の外を見る。外を見たとしてもただ田んぼと雲が広がっている。そんな俺の様子に周りは無関心である。
「はぁ・・・」
「なんでため息しているの?幸せが逃げるよ?」
「また来たのか・・・」
席が遠いのにいちいち俺の方に来て様子を伺いに来るのはこのクラスで一番かわいいと言われているアイドルである。たしか名前が・・・近藤奏だったっけ?
まあクラス一可愛いと言われているのでこんな陰キャにとっては嬉しいことだが・・・全く状況は良くない。周りからは刃物のように鋭い視線を浴びせられる主に男子。
「それで?今日は何しに来たんだ?なにもないならはよ帰れ」
「かなかなはこーくんと仲良くしたいだけなのに・・・!」
「なんでもうニックネームがついているんだ?そんなに俺達の関係は深かったのか?」
「ちょっと癖でね・・・」
そういう彼女の目は寂しそうに輝いている。
「そうか、そのこーくんとなんかあったんだな大変だったな」
「そうだよ!反省してね!」
「・・・俺?」
「そうに決まってるじゃん!他に誰がいるの?」
「・・・いませんすみませんでした」
「むー!気持ちがこもってない!今日はカフェでなにか奢らないと許さない!」
「勘弁してくれ・・・」
最近のアイドル様は陰キャからお金を搾取するんですね!女の子っていつもそうですよね!男のこと何だと思ってるんですか!
「でもなんやかんや言いながらもちゃんと奢ってくれるよね〜!これはポイント高いよ〜?」
「ポイントってなんだ?貯まるとなんか起きるのか?」
「そうだね〜?肩たたきでもするよ」
「ポイント上げるのめんどくさいくせに報酬もクソとかもうどうにもならないな」
「でも肩凝ってるでしょ?」
ちょっとだけ魅力的だが割に合わない、もうちょっと豪華にしてほしかった・・・
「じゃあ今日の放課後!いつもの場所でね!」
そう言って奏は席に戻っていった。まったく台風みたいなやつだったな・・・
小さいアクセサリーを胸ポケットから取り出し俺は中に入っている写真を見た。この子は昔の俺の幼馴染の女の子だ。俺が告白しようとした次の日に引っ越したのでその日はずっと枕を濡らしていたな〜
元気だろうか?かなちゃん
*
放課後になり俺は帰宅の準備をしていると近藤さんがこっちに来て
「約束忘れてないよね?」
と言われて俺は約束していたの忘れていた・・・というか俺は本当に行くと思っていなかった、まあせっかく可愛い子と何処かに行けるのなら役得なのかもしれない。
「・・・忘れてないぞ」
「うそだ〜顔に忘れたって書いてあるもん」
「まじか」
俺はハンカチを取り出して顔を拭き始めた。その様子を見て近藤さんは笑っていた。
「本当に書いてあると思ってたの?面白いね、こーくんは!」
「本当に書いてないだろうな?」
「もちろん!じゃあ行こう!」
さあ!と近藤さんは手をこっちに差し伸べる。その姿に俺は既視感を覚えたが気にせずに近藤さんの手をとる。
「わっ!」
「どうしたんだ?急に顔赤くして?」
「ひ・・久しぶりだったから・・・!」
「どういうこと?」
「男の子に久しぶりに触られたからちょっと驚いただけだよ!」
以外だな、もう付き合っていて俺をからかっているのかと思ったらそんなことなかった。
「しょ、しょんなことよりも!早く行こう!!」
「本当に大丈夫か?顔が真っ赤だぞ?」
「大丈夫だから!」
そう言って近藤さんはダッシュで教室を出ていった。俺はその様子をただぼーっと見ているしかできなかった。
あ と が き
あの話のリメイクみたいなものです。特にここから考えていません
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