夜が近づくにつれてデレが深くなる俺の彼女(幼馴染み)の話

榊原モンショー@転生エルフ12/23発売

朝、ツンツンな幼馴染は高校の生徒会長としての責務を果たす。

「ちょっとアンタ。学校では話かけないでって言ったわよね」


「副会長、ちょっと先に校内の見回りに行ってて。アタシはちょっとコイツに用があるから。生徒会長として、風紀を乱そうとする生徒を正すのは当たり前のことよ」


「……いい? 副会長。コイツ……この人とはそんな変な関係じゃないから。二度と血迷ったことは言わないで」


「か、かかか、顔⁉ 赤くなんかなってないわ! ……こほん、失礼。取り乱したわね。生徒会長たるアタシがフジュンイセーコーユーなんてあり得ないわ」


「……ふぅ、行ったわね。で、何の用? 昨日の夜も今日の朝も、アンタの顔はもはや見飽きたのよね」


「生徒会長たるアタシが同じ高校の生徒と一つ屋根の下で生活してるってバレたら大問題なの。おバカなアンタには分かんないでしょうけどね」


(付き合えるようになっただけでもせいいっぱいなのに……! ママもママよ。海外に仕事に行くからってアタシを幼馴染だったコイツの家に預けるまでしなくても良かったのに……!)


「親同士、仲が良いってのも考えものね。アンタのママも今週からしばらく出張だったものね。……高校生の男女が一つ屋根の下で生活……って、変なことは考えないように」


「お弁当? 言われなくても持ってきてるわよ。もちろん、アンタの分もね。仕方なく……仕方なく作ってきただけだから。調子に乗らないでよね」


「ひ、人前でそんなにはしゃぐんじゃないわよ、みっともないわね。昔っから食い意地張ってばっかりなんだから」


「あ、アタシの料理が世界一美味しいって……そ、そんな単純なお世辞で喜ぶと思ったら大間違いなんだからね⁉ ホンット、ホント、アンタってやつは……」


「そういえば朝早起きしてたな……って、なんでアンタがそれを知ってるのよ。まさか覗いててニヤニヤしてたんじゃないでしょうね、気持ち悪いわね」


「……それは言わない約束よ。アタシがアンタの布団の中に入って寝た、なんてアタシでもいまだに信じられないわ。きっとあれは何かの間違いよ」


「それ以上何か文句言うならお昼のお弁当、あげないんだから。……黙れて偉いわ。最初から聞き分け良かったらいいのに、全く」


「お昼は、その、いつもの場所よ。アタシ以外とご飯食べるって言うんだったら、二度と作ってあげないんだからね」


「昨日の夜、アンタが欲しがってたもの入れてあげたんだから。感謝しなさい」


「中が気になってお昼が来るまで待てない? 何言ってるの、おバカ。アンタのくだらない冗談に付き合ってるほど暇じゃないのよ、生徒会長って」


「それじゃ、またね。アタシまだ仕事中だから。次みんなの前で話しかけてきたら無視するわよ」


「どこかって? いつものとこ……あぁ、もう、屋上よ。遅れたら承知しないんだから」




「ふ、副会長? あなた、先に行ったはずじゃ……あ、待ちなさい。違うの。これは違うのよ副会長。……副会長! 待ちなさいってば!」




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本作はG'sこえけんコンテストASMR部門に向けた投稿作です。

ヒロインの一人語り・会話のみで物語は進んでいきます。

8/31までにおおよそ10話ほど更新していきます。

おかげさまでこえけんコンテスト週間ランキング2位まで上がりました!

コンテスト締め切りまであと5日、引き続き頑張って更新していきますので是非フォローや★★★評価などよろしくお願いいたします!!!

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