果てなき塔の先へ、人は何度も夢を見る。
熊の蹄
第1話 バベルの塔
「これがバベルの塔か、何階建てだよ」
俺の名前はカイ、孤児院で育って今年で十五歳になる。
「ワクワクするなー!」
俺は今日、念願の夢だったバベルの塔に足を踏み入れる。
「よいしょっ!」
バベルの塔に入った瞬間、何処かにワープした。
『個体名「カイ」のバベルの塔への入場を確認、バベルシステムを起動します』
「何だこの声?」
何処からか分からないが頭に響くような声が聞こえてくる。
『初回入場ボーナス、ランダムスキルスクロールを受け取ってください』
「えっと……はい?」
はいと言った瞬間に目の前に巻物が出てきた。
『スクロールを使いますか?』
目の前に半透明な触れる事のできない板が出てきた。
「はい」
『スキル「豪運」を習得しました』
言われるがまま何か起きたけど、何も説明が無いんだが。
『スキルとはこの塔が与える特殊な能力です、習得方法は様々です、先程スクロールを使って習得する方法もその内の一つです』
そこの説明!助かるけど。
「へー特殊な能力か、じゃあその内空を飛んだりできんのかな」
『そういう系統のスキルを習得すれば可能です』
そうか、やっぱり誰でも一度は空を飛んでみたいよな。
『チュートリアルミッションを開始してもよろしいですか?』
「はいって言わなきゃ進まないよな」
『そうです』
まあそれはそうか。
「分かった、始めよう」
するとまたワープしたような感覚がしたと思ったら洞窟のような場所にいた。
『チュートリアルミッション ゴブリン三体を倒せ』
「えっちょ!いきなり戦うのか!」
さっき習得した、スキルの確認を!。
そしたら目の前にまた板が出てきて、さっき習得したスキルの詳細を見る。
・豪運
一日に大きい小さい関係なく一回だけ運のいい事が起きる、任意で発動はできない、発動したとしても確認はする事もできない。
「もしかして、俺すごいピンチなんじゃ!」
「「「グギャ」」」
手にナイフを持っているゴブリン三体がこっちに近づいて来た。
「えっと、ちょっと待って!武器があるか探すから!」
「「「グギャ?」」」
「えっと、武器とか無いの!」
『ゴブリンが持っているナイフなら支給可能です』
「じゃあそれでもいいから早くくれ!」
『了解しました』
するとボロボロのナイフが手に入った。
「よし!かかって来やがれ!」
「「「グギャー!」」」
三体同時に襲いかかって来たが、戦闘の奴が転んだ。
「グギャッ!」
そしてその後ろの奴が転んだ奴の足に引っかかって転ぶ、そして最初に転んだゴブリンの胸に次に転んだ奴のナイフが刺さる。
「グ…ギャ…」
そして胸にナイフが刺さった、ゴブリンは霧のように消えた。
死んだらああなるのか、ってそれよりもさっきの絶対!豪運発動したよな!、確認できないのがもどかしい。
「グギャグギャギャグッギャ!」
「グッグギャグギャギャ!」
すると残りの二体のゴブリン達が言い争っている。
多分、何仲間を殺してんだよ!、仕方ないだろ偶々なんだから!と言っていると思う。
その状態が数分続くとナイフで切り合い発展した。
「グッ…ギャ…」
「グギャ……ギャ」
そして何故か相打ちになってどっちも死んだ。
「予想外だ、豪運は発動したとしても一回だけなのに二、三回発動した感覚だ」
『ミッションクリア、クリア報酬の身体強化剤一つ、無傷でのクリアしたため追加報酬の身体強化剤を二つ、そして塔が想定外のクリアに感動し報酬としてスキル「鑑定」のスクロールを獲得しました』
「へっ?」
俺何もしてないのに!こんなに報酬を貰えるのか!、豪運が発動してたなら一応俺がクリアした事になるのか…結局色々考えても分からないな。
すると目の前に扉が現れる。
『ゲートを通って次の階層に行ってください』
「報酬は後で見るか!」
そう言って記念すべき初の戦闘?は終わって次の階層に行く。
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